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暗闇でもカラーのフルHD動画が空撮できるドローン。キヤノンの超高感度カメラ搭載
2017年4月4日 13:49
キヤノンマーケティングジャパンは、キヤノンの超高感度カメラを搭載し、夜間でも上空からカラーのフルHD動画が撮影できるプロドローン製の全天候型災害対策用ドローン「PD6E2000-AW-CJ1」を7月に発売する。実証実験をドローン特区である仙台市で2017年内に実施予定。今後、 災害対策に注力している自治体と協力、 特区を生かしたドローンのフライト実験を行ない、実用化と付加価値向上を推進するという。
プロドローンが開発した産業用ドローン「PD6E2000-AW」に、キヤノンの超高感度カメラ「ME20F-SH」を搭載したモデル。津波、崖崩れ、河川の氾濫といった災害時における夜間の被災状況把握に貢献するという。なお、夜間のドローン運用は航空法132条2により、 事前に地方航空局から許可を得る必要がある。
これまで夜間などの低照度環境下では、赤外線投光によるモノクロ撮影が一般的だった。「ME20F-SH」は、デジタル一眼レフの「EOS-1D X」などに使われるCMOSセンサーと比べ、7.5倍以上の面積を持つ一辺19μmの大きな画素と、 画素部および読み出し回路に搭載した独自技術を搭載した35mmフルサイズCMOSセンサーを備え、超高感度と低ノイズを両立した撮影ができるという。
最低被写体照度は0.0005lux以下(最大ゲイン75dB時)で、ISO感度は400万相当を実現。肉眼で被写体の識別が困難な暗闇でも、赤外線投光無しでカラーのフルHD動画撮影ができるという。
CINEMA EOS SYSTEMにも採用されている、 広いダイナミックレンジを持つCanon LogやWideDRを採用。低照度から高照度まで幅広い照度環境で高画質な動画撮影ができるとする。
EFマウント(シネマロックタイプ)を採用しているため、キヤノンのEFレンズを使用可能。用途や撮影シーンに合わせ、レンズを選択できる。3G/HD-SDIやHDMI出力も備え、外部レコーダでの録画やモニターが可能。キヤノンのリモートコントローラー「RC-V100」とも連携でき、カメラの遠隔操作が可能。外部マイク入力を使い、音声も録音できる。
ドローンは全天候型で、それに合わせてカメラ部も全天候型のハウジング構造を採用。雨天などの悪環境でも使用できる。遠隔地通信機能を備え、飛行しながらリアルタイムに災害対策本部などへ映像を配信できる。ドローンの全高は30cmで、重量は6Kg。最大ペイロードは10Kg、最高速度は時速65Km。飛行時間は10分~50分。
4月5日~7日まで東京ビッグサイトで開催されている「第1回映像伝送EXPO」のシステムファイブブースに出展。さらに、5月24日~26日に東京ビッグサイトで開催される「自治体総合フェア2017」にも出展予定。
キヤノンマーケティングジャパングループは、“イメージング&ITソリューション”による成長領域へのシフトと事業領域の拡大を目指しており、 その一環としてドローンを活用した新たなソリューションの提供を推進。 2016年9月にプロドローンへの出資も行なっており、ドローンを活用した映像ソリューションを開発。災害対策用のほか、電鉄会社の架線点検、インフラ点検、農業分野など、業種別のソリューションを展開。2020年までに売上50億円を目指すという。