ニュース

キヤノン、手に届くフルサイズ「EOS 6D Mark II」。4Kタイムラプス対応

 キヤノンは、デジタル一眼レフカメラ「EOS 6D Mark II」を8月上旬より発売する。価格はオープンプライスで、ボディ単体の店頭予想価格は22万5,000円前後。

EOS 6D Mark II。「EF 24-105mmF4L IS II USM」を装着

 レンズキットの店頭予想価格は、マクロ撮影も可能な標準ズームの「EF24-70mm F4L IS USM」レンズキットが32万7,000円前後、「EF24-105 IS STM」キットは26万9,000円前後。

EOS 6D Mark IIの「EF24-105 IS STM」キット

 35mmフルサイズ/約2,620万画素の新開発CMOSセンサーを搭載する、EFマウントのデジタル一眼レフカメラ。「EOS 6D」(’12年発売)の後継機種で、画像処理エンジンは最新世代のDIGIC 7を採用。「デュアルピクセルCMOS AF」による滑らかで追従性の高いAFを実現する。静止画撮影時の常用ISO感度はISO 40000で、連写速度は最高6.5枚/秒に向上した(6DはISO 25600、4.5コマ/秒)。動画機能は1080/60p撮影に対応した(従来1080/30p)。さらに、EOSフルサイズ機として初めて、4Kタイムラプス動画撮影に対応する。

デュアルピクセルCMOS AF対応の、有効2,620万画素フルサイズセンサー

 背面にはEOSフルサイズ初の、タッチ操作対応のバリアングル液晶モニタを搭載。“世界最軽量のフルサイズデジタル一眼レフ”として登場した先代6Dは重量が約680g(液晶モニタは固定)で、後継の6D Mark IIはそれに迫る約685g。可動式モニタを備えるフルサイズデジタル一眼として世界最軽量を実現した。外形寸法は144×74.8×110.5mm(幅×奥行き×高さ)で、厚みが3.6mm増えている。本体は防塵・防滴構造。

 キヤノンでは、「フルサイズ機が欲しいが高価格な上位5Dシリーズには手が届かない」という人をターゲットに、6D Mark IIを「手に届くフルサイズ」として訴求する。

EOSフルサイズ初のタッチ対応バリアングル液晶モニタ
可動式モニタを備えながら、EOS 6D(右奥)とほぼ同等のサイズ・重量を実現

進化した撮影機能。EOSフルサイズ初の動画電子ISも

 6D Mark IIのAFセンサーは、6Dの測距エリア左右の上下を拡大したオールクロス45点で、測距点も大幅アップ(6Dは11点)。自動選択AF時に人物へピントを合わせやすくする、7,560画素のRGB+IR測光センサーと色検知AFも装備。ファインダー視野率は98%(6Dは97%)、倍率は約0.71倍。

背面(下)。6D(上)と並べたところ

 1080/60p動画や、4K(3,840×2,160ドット)でのタイムラプス動画を撮影可能。上位機の5D Mark IV同等の動画撮影のAF性能を備え、デュアルピクセルCMOS AFにより、動きの早い被写体への追従性能が向上。動画サーボのAFカスタム設定が可能で、AF速度と被写体追従特性(反応の敏感度)を表現意図に合わせて調整できる。

 EOSフルサイズ初の動画電子ISも備え、レンズのISと併用することでより強い手ブレ補正効果が得られるという。電子補正の強さは、画角の周囲約10%を手ブレ補正用画素として使う画質優先モードと、約30%を使う補正効果優先の「強」モードから選べる。屋外撮影時の風の影響を低減するウインドカット機能も備える。

4Kタイムラプス動画撮影が可能。フルHDも選べる
通常の動画撮影は最高1080/60p対応

 動画記録のフォーマットはMPEG-4 AVC/H.264(MP4)。フルHD(1,920×1,080ドット、60p/50p/30p/25p/24p)とHD(1,280×720ドット、60p/50p/30p/25p)が選択できる。なお、4Kタイムラプス動画はMOVとなる。

上面(EF24-105レンズを付けたところ)

 撮影時のインターフェイスも改良。さらに、エントリーユーザーでもうまく写真を撮れるコツを、絞りやシャッター速度の効果をイメージしやすくした作例とあわせて、カメラ本体の液晶画面で紹介する「撮影ビジュアルガイド機能」を備える。その他、動体の流し撮りモードや、星空・車のライトの軌跡などがより確実に撮れるバルブタイマーなど、多彩な静止画撮影機能も用意。

 記録媒体はSDカード。無線LANとBluetooth機能を内蔵し、スマートフォンと連携してスマホアプリ「Camera Connect」から操作可能。BluetoothはBLE(Bluetooth Low Energy)をサポートし、低電力で常時接続できる。NFCを使ったペアリングにも新たに対応した。

 別売オプションとして、バッテリーパック「LP-E6N/LP-E6」を2個内蔵できるバッテリグリップ「BG-E21」を8月上旬より発売。価格は22,000円。縦位置撮影が可能になるほか、動画の長時間撮影にも対応。ビデオ三脚用のボス穴も備える。

専用バッテリグリップ「BG-E21」

デュアルピクセルCMOS AF+バリアングル液晶の「Kiss X9」

 「EOS Kiss X9」は、ファミリー層をターゲットにしたAPS-Cセンサー搭載のエントリーモデルで、「Kiss X7」('13年発売)の後継機。デュアルピクセルCMOS AFに対応し、AF合焦速度を高速化。背面にはタッチ対応のバリアングル液晶モニタを備える。7月下旬発売予定で、価格はオープンプライス。ボディ単体の店頭予想価格は65,000円前後。

EOS Kiss X9

 カラーはブラック、ホワイト、シルバーの3色で、各色とも「EF-S18-55mm F4-5.6 IS STM」レンズがセットになった「18-55キット」を用意。ブラックのみ、ボディ単体とダブルズームキットも用意する。

カラーは(左から)ブラック、ホワイト、シルバー。付属の18-55レンズは、ホワイトとシルバーのみレンズ鏡筒がシルバー仕様
タッチ対応のバリアングル液晶モニタを備える

 2,420万画素 APS-Cセンサーを搭載し、映像エンジンは「DIGIC 7」。デュアルピクセルCMOS AFにより、ライブビュー撮影や動画撮影時に素早くフォーカスが合うという。最高ISO感度はISO 25600。動画機能は1080/60p撮影に対応する。

 4月発売のX9iと搭載センサーなどの基本性能は共通だが、X9はX9i比で79g小型化した約453gとし、一眼レフらしさを求めつつも「より小型・軽量を求めるユーザー向け」と位置付ける。一方のX9iは、ファインダー撮影性能を重視するユーザー向けと位置付けており、AF測距点数はオールクロス45点、連写速度は最高6コマ/秒という違いがある(X9は中央1点クロス9点、最高5コマ/秒)。

 カメラ初心者向けに、作例写真を交えて機能や撮影テクニックを紹介する「ビジュアルガイド」を搭載。

 無線LANとBluetooth機能を備え、BLEをサポート。スマホとの常時接続や、アプリからの撮影画像転送やカメラの電源オンが行なえる。NFCにも対応する。

 外形寸法は122.4×69.8×92.6mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約453g(ブラック)。可動式モニタを備えるデジタル一眼レフとして世界最軽量を実現した。ホワイトは約456g、シルバーは約454g。

上面のモードダイヤルは突出せず、凹凸のない滑らかなデザイン