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Sonoma Acoustics、静電型ヘッドフォン「Model One」を6月23日発売。約63.5万円

 エミライは、米Sonoma Acousticsの静電型ヘッドフォンシステム「Model One」の発売日を6月23日に決定した。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は635,000円前後。4月29日に「春のヘッドフォン祭 2017」で製品発表されていたが、発売日が決定した。

Sonoma Acoustics「Model One」

 Model Oneは、静電型ヘッドフォンと、それをドライブするDAC内蔵のヘッドフォンアンプがセットになったシステム。

 ヘッドフォン部は、英Warwick Audio Technologiesが開発した高精度静電ラミネート(HPEL)振動板を採用。この振動板は、60kHz以上の高い周波数応答特性を持ち、高い過渡応答特性、パネル全体が一様に駆動することで分割振動を最小限に抑えることができる。また、ヘッドフォンの軽量化にも寄与しているという。

ヘッドフォン部
HPEL振動板を採用

 音圧周波数特性は10Hz~60kHz。ハウジングはオープンエアで、素材にはマグネシウムを採用。高い強度と剛性、遮音性、優れたRFI/EMI遮蔽性を備えており、「HPELを収容するのに理想的な材料として選ばれた」という。

 イヤーパッドとヘッドバンドには、軽量で耐久性と柔軟性がある、トップグレイン(革で最も厚みのある部分)を使ったエチオピア原産のカブレッタ・ヘア・シープ・レザーを使用。手作りで作られている。

 ケーブルは着脱可能で、米国のケーブルブランドStraight Wireと共同開発。アンプとヘッドフォン間の理想的な信号伝送を保証するという、超低容量ケーブルになっている。柔軟で軽量であり、端子には高精度のセルフ・ラッチ式Remoコネクタを使っている。

 ヘッドフォンアンプ部には、DACも搭載。ESSの32bit、リファレンスグレードDACを左右独立で合計2基搭載。各DACチップはモノ・モードで動作し、SN比は129dBを達成。高電圧駆動用の専用アンプで、ディスクリート設計。FET Class-Aアンプで、非常に低い歪みと広い帯域幅を備えるという。ヘッドフォン出力で理想的なレスポンスを得るため、カスタム設計の64bit倍精度固定小数点演算用DSPも内蔵。すべての信号をデジタル領域で処理している。

ヘッドフォンアンプ部

 アナログ入力を備え、ADコンバータも搭載。前述のDSP処理の前段階でデジタル信号に変換するため、マルチチャンネル対応の384kHz/32bit対応の旭化成エレクトロニクス製のプレミアムADCを採用。120dBを超えるSN比を達成したとする。

 入力端子は、USB、同軸デジタル、アナログRCA、ステレオミニのアナログを各1系統装備。USB DACとしては、384kHz/32bitまでのPCMと、DSD 5.6MHzまでの再生に対応。DoPでの再生をサポートする。

入力端子部

 電源はスイッチングで、カスタム設計されたユニバーサル対応のスイッチングモード・パワーサプライを採用。オーディオ帯域幅内で低ノイズになるよう最適化された固定周波数発振タイプの設計となっている。また、アンプユニットとの良好な接続を確保するために、DC電源コネクターはロック式。アンプユニット内のすべてのオーディオ回路は、超低ノイズ・高電圧リニアレギュレーター回路の2段階で電力が供給される。外形寸法は190×290×57mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は2.45kg。

 Sonoma Acousticsは、長年ソニーに在籍しDVDビデオやSACDの規格立ち上げに深く関与したメンバーにより、2016年にアメリカのコロラド州ボルダーで設立。開発者インタビューや音質インプレッションは、4月の記事で紹介している