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Warwick Acoustics、静電型ヘッドフォンと専用アンプの「Bravura system」

「Bravura system」

完実電気は、Warwick Acousticsの静電型ヘッドフォンシステム「Bravura system」と静電型ヘッドフォン「Bravura Headphone」を12月15日に発売する。価格はBravura systemのSilverが913,000円、Blackが1,034,000円。Bravura HeadphoneのSilverが330,000円、Blackが407,000円。

Warwick Acoustics(旧Sonoma Acoustics)は、イギリス・バーミンガム郊外に本社を構えるオーディオブランドで、Personal、Studio Headphoneと車載システムの2事業部からなる。これまではエミライが輸入代理店業務を担っていたが、2023年10月25日に完実電気が同業務を引き継いだ。なお、当面はこのBravuraシリーズのみを取り扱う予定という。

Bravura Headphone

Bravura systemは、静電型ヘッドフォンのBravura Headphoneと、専用Class Aヘッドフォンアンプ「SONOMA-1」で構成。Bravura Headphoneは、ヘッドフォン「Sonoma Model One」のユニットをベースに改良を重ねて開発されたモデルで、High-Precision Electrostatic Laminate Transducer(HPEL)振動板を搭載。片面バイアスを採用しており、振動板から外耳へ、一切の障害物なく、ダイレクトに音楽信号を伝達するという。

「Bravura Headphone」(Silver)

振動板は8つのエリアにフレームで区切られており、独立して振動するため、共振に優れるだけでなく、優れた高域特性(10Hz-60kHz)も実現した。振動板はアルミニウム製で、シンプルな3層構造となっているため生産性も安定しているとのこと。サウンドは「全体的にノイズフロアーが低く、クリアーで、立ち上がりがよく、細部に渡り優れた音楽表現とリニアリティーを実現した」とのこと。

フラッグシップモデルで開発したヘッドバンドを採用

Bravura Headphoneとしては、フラッグシップモデル「APERIO」で開発したヘッドバンドを採用することで、高級感を高めつつ、トップのクッション面積を広げることで、側圧を緩め、装着感を大きく改善した。クッションは手縫いで1台ずつ丁寧に仕上げるハンドメイド方式。ヘッドバンドクッションはキャブレッタ製トップレザーグレイン、イヤーパッドは高級シープ革を使っている。

「Bravura Headphone」(Black)

材料の改良と生産工程の見直しにより、Sonoma Model Oneと比較して、能率が12dB以上向上。「ワーム」「ラウドネス」を意識したチューニングにより、表現力豊かなサウンドを実現したという。

ケーブルも1,350VDCの電圧に耐えるものを新規に開発。静電容量が少なく、帯電によるノイズ発生を大きく改善した。レモタイプの4Pin着脱式で、L/R独立型。そのほか約100gの軽量化も果たしており、ケーブルを除いた重さは303g。

SONOMA-1

専用ヘッドフォンアンプ「SONOMA-1」(Silver)

専用ヘッドフォンアンプのSONOMA-1は、ディスクリート構成FETトランジスターを採用したClass Aアンプで「ワイドレンジで安定した周波数特性と抜群の低歪を実現」したという。

インターナショナル・レクファイアーの高音質パワーMOS FETを搭載。真空管ライクな空間表現とトランジスターならではの安定性を併せ持つ、オーディオ用FETトランジスターを採用することで、立ち上がりが早く、リニアリティーに優れたサウンドを実現した。

1,350VDC BiasでBravura Headphoneをドライブ。高電圧(145v)、低電流で動作させることで抜群のダイナミクスとドライブ能力を両立したという。

本体背面

DACチップはESSの32bit sabre reference DAC(型番未公開)を、L/R 2基を独立して搭載。そのほか64bit固定演算小数点型DSP、AKM製の32bit/384KHz ADコンバーターをアナログインプット入力(2系統)に独立して搭載。

USB入力時は最大384kHz/32bitまでのPCM、DSD(DoP) 128に、同軸デジタル入力時は最大192kHz/24bitまでのPCM再生に対応する。

Crystek製Ultra-Low Phase-Noise Oscillatorも搭載。マスタークロックの運用に大きく影響するフェーズノイズが極めて少なく、TI製のClock Distributorとの組み合わせにより、マスタークロックの安定した動作に貢献しているとのこと。

オーディオ用カスタム・パワーサプライ・ユニットはカスタム設計。オーディオ帯域を低ノイズにするため、固定周波数発信タイプ(85kHz)を採用し、ユニット本体に、ノイズとリッピング対策としてフィルターを別途設計。DC電源コネクターはロック式とし、ケーブルにはフェライトコアフィルターを搭載し、EMIノイズ対策も施している。

さらに、SONOMA-1本体のアナログ回路、デジタル回路それぞれに、複数のスイッチング電源用レギュレーターを配置し、本体側も、安定した電源供給設計を実現した。

筐体には、航空機などにも使われるアルミ素材からCNC加工で削り出した約8mm厚のシャーシを採用。天板のアルミプレートもCNC加工で13mm厚で削り出しているほか、3Dウェーブ形状の放熱用ホールもCNC加工で仕上げている。グロス仕上げを実現するため、Silver、Blackともに高圧力ブラスト処理とアルマイト処理が施される。

デジタル入力はUSB 2.0 Type-Bと同軸デジタル、アナログ入力はデュアルRCA(L/R)と3.5mmステレオミニ。外形寸法は190×290×57mm、重さは2.45kg。

専用ヘッドフォンアンプ「SONOMA-1」(Black)