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4K TVの'17年上半期販売台数は前年比1.6倍。BTヘッドフォンも成長、GfK調査

 GfKジャパンは14日、2017年上半期(1月〜6月)の家電・IT市場の販売動向を発表した。「ここ数年低調だったAV、ITの市場縮小に底打ち感が見られる」(GfK)としており、AV市場では4Kテレビ、マルチチューナ搭載BDレコーダ、Bluetoothオーディオなど、高付加価値製品の伸長が縮小に歯止めをかけた形となっている。

薄型テレビ市場規模の推移(出典:GfKジャパン)

薄型テレビは前年並み240万台。有機EL TVは前年同期の9倍

 薄型テレビの販売台数は、前年並みの240万台。GfKでは「(政府が実施していた)エコポイントなどの後押しで'09年頃に購入されたテレビの買い替え需要が徐々に顕在化している」と見ている。大画面製品の販売好調により、平均価格は72,700円と前年同期から2%上昇。金額ベースでは同1%増となった。

 4Kテレビの販売台数は前年同期の1.6倍となる70万台で、薄型テレビに占める4Kテレビの構成比は数量ベースで29%、金額ベースでは59%。40~45型が成長をけん引しているという。また、国内メーカーが参入した有機ELテレビの数量構成比は、薄型テレビ全体の1%未満だが、販売数量は前年同期の9倍に伸長。

 レコーダなどのBD/DVD機器は前年比4%減の180万台。内訳を見ると、BDレコーダは同4%減の90万台。BDレコーダをチューナ数別にみると、3基以上のチューナ搭載機の数量構成比は前年同期の21%から26%へ拡大。一方で安価なシングルチューナー機は14%から11%に、ダブルチューナー機は66%から63%に、それぞれ縮小。その結果、BDレコーダ全体の平均価格は前年同期から1%上昇した。BDプレーヤーは数量前年比2%減、DVDプレーヤーは同4%減といずれもマイナス。

Bluetoothヘッドフォンが好調。ウェアラブル端末は前年比13%減

 ヘッドフォン(ステレオのみ)/ヘッドセット(ステレオ/モノラル)は前年比5%減の940万本。数量ではマイナス成長だが、高付加価値製品が伸長して平均価格が上昇したことにより、金額ベースでは同3%増と拡大が続いている。ワイヤレスタイプの需要拡大が顕著で、特にBluetooth対応機は数量前年比38%増と成長。市場における構成比は数量ベースで20%、金額ベースで39%へ拡大した。

 携帯電話は前年並みの1,480万台。スマートフォンは携帯電話販売の86%を占め、同2%増の1,280万台。このうち、SIMフリースマートフォンの数量構成比は8%まで拡大した。フィーチャーフォンは同13%減で減少が続いている。

 スマートウォッチやフィットネストラッカー、スポーツウォッチなど、センサーを内蔵してスマートフォンと連携するウェアラブル端末は、前年比13%減の50万台。このうち、スマートウォッチは丸型ディスプレイタイプの販売が好調で、数量は前年比38%増。スポーツウォッチも同18%増と前年を上回った。一方、前年同期に市場の過半を占めていたフィットネストラッカーは同39%減。ウェアラブル端末全体の平均価格は、単価が高いスマートウォッチの構成比拡大により、前年同期から3割超上昇した。

ウェアラブル機器市場規模の推移(出典:GfKジャパン)

 パソコンは前年比6%増の620万台。タブレット端末は前年比4%増の350万台で、通信方法別ではSIMフリーモデルが前年同期の約2倍となった。パソコンとタブレット端末と合わせると、前年比5%増の970万台。

 デジタルカメラは前年比16%減の170万台。コンパクトカメラは同22%減、一眼レフは同19%減となった一方で、ミラーレス一眼カメラは同10%増と成長に転じた。交換レンズ市場は前年比3%減の38万台。ただしミラーレス一眼用は同8%増となり、本数構成比では交換レンズの38%を占めている。コンパクト、一眼レフ、ミラーレスの販売数量比率は63:20:17。

 家電小売り市場の'17年見通しは、前年の市場規模7兆円をやや上回ると予測。7月の猛暑を受け、季節家電の販売が前年を大きく上回っていることも押し上げ要因とする。インターネット販売が緩やかに成長を維持しており、2017年通年の家電小売市場における金額構成比は13%程度を見込んでいる。