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新サイバーナビはハイレゾ対応とストリーミング強化。レコチョク連携の新機能も

 パイオニアは、カロッツェリアブランドのカーナビ新製品として、初のハイレゾ対応製品「AVIC-CL901」など、3シリーズ計6機種を9月より順次発売する。6日に開催された記者発表会で、実機やデモカーを披露した。さらに音楽配信のレコチョクと連携する「ミュージッククルーズチャンネル」の機能強化もアピールした。

ラージサイズ「AVIC-CL901」

 既報の通り、メインユニットはラージサイズ「AVIC-CL901」、200mmワイドの「AVIC-CW901」、2Dメインユニット「AVC-CZ901」の3製品と、各モデルにマルチドライブアシストユニット、データ通信モジュールを追加した型番末尾[-M]の3製品、合計6製品をラインナップ。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は16万円~24万円前後。

200mmワイド「AVIC-CW901」
2Dメインユニット「AVC-CZ901」

 また、車種別の音質チューニングデータを搭載した、10型ディスプレイのサイバーナビ「AVIC-CE901」も9月発売で、日産セレナやトヨタのアルファード、ホンダのステップワゴン向けなど計14機種を用意。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は機種によって異なり、セレナ用の「AVIC-CE901SE」は24万円前後など。

AVIC-CE901の日産「セレナ」モデル
AVIC-CE901のトヨタ「ヴェルファイア」モデル

 パイオニアでは、2017年のサイバーナビ新製品のコンセプトとして、「音を軸にしたカーエンタテインメントの追求」を掲げ、音楽をより楽しむためにハイレゾ対応やストリーミング配信機能を強化。

2017年サイバーナビのテーマ
商品説明を行なったパイオニア 市販企画部 マルチメディア企画1課 橋本岳樹氏

 CL901/CW901/CZ901シリーズはいずれも、USBメモリやCD、SDカードなどに記録した記録したハイレゾ音源を再生でき、対応フォーマットは、最大192kHz/32bitまでのFLAC、WAV、Apple Lossless(ALAC)と、最大5.6MHzまでのDSDで、96kHz/24bitへのダウンサンプリング再生となり、DSDも96kHz/24bitリニアPCMに変換して再生する。CDや圧縮音源も、ハイレゾ音源に近づける「マスターサウンドリバイブ」により高音質化する。

ハイレゾ音源を新サイバーナビで再生しているところ

 オーディオ基板とナビ基板を独立させ、パターンレイアウトにもこだわるなど高音質設計を採用。バーブラウン製32bit電流出力型DACや、フルタイム52bitトリプルコア浮動小数点DSPを搭載。イコライザやタイムアライメント機能で最適な音響空間を創造できるという。

パーツにもこだわった

 車載用パワーアンプやスピーカーもハイレゾ対応の製品を揃え、「音の入り口から出口までハイレゾ対応する」とアピール。既発売のセパレート2ウェイスピーカー「TS-C1730S」や、10月発売予定のハイレゾ対応2chパワーアンプ「PRS-D800」(35,000円)などを会場に展示した。

ハイレゾ対応のセパレート2ウェイスピーカー「TS-C1730S」
ハイレゾ対応車載用2chパワーアンプ「PRS-D800」

 レコチョクと連携する音楽ストリーミング機能「ミュージッククルーズチャンネル」は、既報の通り、定額制音楽配信サービス「レコチョク Best」の低価格プランとなる月額300円の「レコチョク Best ライトプラン」に対応。新サイバーナビには無償使用権が最大3カ月分含まれる。4カ月目以降に継続利用するには課金が必要。

レコチョクBestライトプランに対応

 楽曲をお気に入り登録して自分好みのチャンネルを作れる「チェックチャンネル」や、ドライブ中の場所や時間帯に合わせた楽曲を提案する「ライブレコメンド/オートライブレコメンド」が新たに利用でき、例えば神奈川の高速道路を走行中にご当地アーティストの音楽を流すといった利用シーンを想定。

 従来プラン(月額980円)と異なり、スキップ回数など一部機能が制限される。音質は128kbps(レコチョクBestは320kbps)となる。

「川崎でゆるりとドライブ邦楽ソング」を提案するライブインフォの通知例
ライブレコメンド画面のイメージ。「高速道路で聞きたい音楽」のプレイリストを再生できる

 新たに、ドライブ中に車内でカラオケする際に便利な機能として、楽曲の歌い出しの手前で合成音声が歌詞を読み上げてくれる「SingNow」機能を搭載。スマートフォンや車内のリアモニターへの歌詞表示もできる。音声は女声/男声から選べ、読み上げ音量は調整可能。

歌い出しを音声で教えてくれる「SongNow」

 車内後席にリアモニターを追加した際のAV機能も強化。前席と後席で同じ映像が楽しめる「フロントリンクモード」と、後席の子どもにアニメを見せつつ前席はナビ画面や天気情報を確認するといった使い分けができる「リアセパレートモード」を備える。

リアエンタテイメント機能を強化
車内のレイアウトの例

 発表会の後半では、カロッツェリアブランドの製品でカーライフの楽しさ、便利さを実感してもらうための新たな取り組みとして、Webコンテンツやイベントなど展開している「カーライフに、スパイスを」を紹介。出演者の一人として、レーシングドライバー・小林可夢偉さんが登場した。

小林可夢偉さん

 自宅でパイオニア製ターンテーブルを使ってDJプレイをしたり、国内外のスピーカーを集めたり、普段からスマホやカーオーディオでさまざまなジャンルの音楽を聴くなど、音楽へのこだわりを熱く語った小林可夢偉さん。車のスピーカーについては「車に最初から付いているスピーカーも悪いモノではない」と考えていたが、「カーライフに、スパイスを」の企画「小林可夢偉のクルマリノベーション! [vol.1]スピーカー篇」で、自分の車のスピーカーを取り替えたことで、音の変化を実感。

パイオニアのWebコンテンツ「小林可夢偉のクルマリノベーション!」の取材の様子

 「(音に)こだわればこだわるほど確実にその良さがわかる。スピーカー交換の経験が無い人にも興味を持ってもらいたい。車を運転することの楽しさは、運転そのものだけでなく、音楽を聴きながらいかに快適に乗るかということ。それがドライブを楽しくするなと思った」と話した。

Pioneer 小林可夢偉のクルマリノベーション! [vol.1]スピーカー篇