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エレコム、iOS/Android対応のAR/VRコントローラー。開発キットも用意

 エレコムは、iOS/Androidに対応するAR/VRアプリ専用コントローラー「JC-VRR02VBK」を10月下旬より発売する。価格は6,740円。オリジナルゲームアプリを提供する。ハードウェアとSDKを軸にアプリ開発企業や配信事業者と協力してビジネス連携を強化し、「AR/VRで誰でも遊べる・作れる環境」の構築にも取り組む。

AR/VRアプリ専用コントローラー「JC-VRR02VBK」

 市販のVRゴーグルやARグラスを装着したまま、アプリ内の各種操作を可能にする片手用のコントローラー。iOS 11に実装されたAppleのAR技術「ARKit」と、Androidの「ARCore」へのマルチプラットフォーム対応が特徴で、スマートフォンコンテンツを手がけるワンダーリーグのソフトウェア開発キット(SDK)「Vroom」を活用したAR/VRアプリで使用できる。

ワンダーリーグのSDK「Vroom」に対応
スマートフォンのゲームアプリと連携する

 コントローラー本体には6軸モーションセンサー(ジャイロ、加速度)を内蔵し、アナログスティックのほか、ホームボタンやトリガー、音量調整など6つのボタンを搭載する。対応アプリと組み合わせることで、空中にARでイラストを描いたり、テニスや卓球、ゴルフなどのスポーツゲーム用コントローラーとして使うといったことが可能。コントローラー2本をスマートフォンに同時接続して、両手でゲームアプリを操作することもできる。

コントローラーの上面

 Bluetooth 4.0で接続し、GATTプロファイル対応のiPhoneやAndroid端末で利用できる。対応OSはiOS 10以降とAndroid OS 5.0以降。単4電池2本で動作し、連続約75時間動作する(アルカリ電池使用時)。外形寸法は149×89×46mm、重量は56g(電池を含まず)。

 11月にApp Storeから配信予定のエレコムオリジナル無料ゲーム「ARロボットバトル」など、計2本で利用できる。ワンダーリーグ 代表取締役の北村勝利氏は「(ゲームアプリは)月に5本程度、月額料金がかかるものも含めて追加していく」とコメントした。なお、Vroom SDKはゲーム開発などで用いられる「Unity」を利用している。

 また、B to B向けのソリューションでの利用も想定。マンションなど不動産業の内覧会用アプリと連携し、仮想空間に作られた部屋の壁紙や家具の配置を変えるといった活用方法を提案している。

エレコムの無料ゲーム「ARロボットバトル」
開発中のゲームでは、コントローラー2本の同時利用も可能とした
B to B向けのソリューションとして、不動産業の内覧会用アプリの利用例も

 製品発表会で商品説明を行なったエレコム 商品開発部 アライアンス&VRデバイス課 課長代理の楠祐介氏は、「コントローラーは店頭では実売3,980円を見込んでおり、コントローラー2本とAR/VRヘッドセットをまとめて買っても1万円を切るくらいで普及拡大を図りたい」とコメント。今後の展望として、他社との協業でアプリの拡充を図り、AR/VR空間で映像配信などが見られるようにすることも検討したい、とした。

iOS 11でARKit登場、iOS/AndroidのARアプリ開発用フレームワークがそろった
エレコムのAR/VR製品戦略

 エレコム 常務取締役の梶浦幸二氏は、サムスン電子のGear VRやGoogleのDaydreamなど、AR/VRヘッドセットや対応するAndroidスマートフォンが欧米を中心に世界市場で拡大する一方、国内ではこれまでAR/VR対応が遅れていたiOSデバイスのシェアが高かったため、スマホAR/VRの普及が広がっていなかったと指摘。

 そして「iOS 11では新たにARKitをサポートし、Androidと並んでアプリの開発用フレームワークがそろったので、すべてをひとつにまとめられる環境を構築し、モバイルARの普及に取り組む。ワンダーリーグをはじめ、メガハウスやソニーデジタルエンタテインメントなどとアプリ制作で協業し、ワールドワイドで100万台の販売を目指す」と話した。

エレコム 商品開発部 アライアンス&VRデバイス課 課長代理の楠祐介氏(左)、常務取締役の梶浦幸二氏(中央)、ワンダーリーグ 代表取締役の北村勝利氏(右)