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LINEのスマートスピーカー「Clova WAVE」発売。radikoやLINE読み上げ対応

 LINEは、クラウドAIプラットフォーム「Clova」を搭載したスマートスピーカー「Clova WAVE」を10月5日15時より発売開始する。従来は「WAVE」という名称だったが、正式版の製品名は「Clova WAVE」となった。価格は14,000円(税込)で、12カ月のLINE MUSIC利用権がついたキャンペーン版も12,800円(同)で販売する。正式版では新たにLINE家族アカウント機能を追加するほか、数週間中にradiko対応することも発表。公式サイトのほかAmazonや楽天でも販売する。

Clova WAVEは14,000円

 Clova WAVE、LINEのクラウドAIプラットフォーム「Clova」を搭載し、音声対話で音楽再生や情報サービスの利用、コミュニケーションなどに対応するスマートスピーカー。8月後半から先行体験版を1万円で販売していたが、正式版は「LINE家族アカウント」などの新機能が追加され、14,000円で発売する。なお、先行版と正式版はハードウェアは共通のため、先行版もアップデートでフル機能を利用可能になる。

Clova WAVE

 音声で操作できるスピーカーで、音楽機能は、音楽配信サービス「LINE MUSIC」(月額960円/税込、学割月額:480円/税込)に対応する。また、'18年1月31日まではLINE MUSICの12カ月分の利用券をセットにしたキャンペーンも行なうため、キャンペーンを利用すれば、LINE MUSICの4,000万曲以上の楽曲をClova WAVEで楽しめる。楽曲名やアーティスト名で聴きたい曲を指定するだけでなく、その時の雰囲気やユーザーの気分に合った曲をClova WAVEに推薦してもらえる。

LINE MUSIC連携で、雰囲気に合わせて音楽再生

 正式版では、新たにClova WAVEで再生したLINE MUSICのプレイリストを、Clovaアプリから確認できる機能を追加した。

プレイリストを、Clovaアプリから確認できる

 低音用20Wウーファ×1、高音用5Wツイーター×2を搭載し、フルレンジのステレオサウンドを楽しめる。Conexantのマイク技術と、4基の内蔵マイクを用いた高いノイズキャンセリング技術により、5m離れた距離からも音声を認識できるという。IEEE 802.11b/g/n無線LANやBluetoothも搭載し、Bluetoothスピーカーとしても動作する。バッテリは5,000mAhで、リビングや寝室などに持ち運んで利用できる。外形寸法は86.25×139.84×201.05mm、重量は998g。

 正式版では、WAVEに話しかけて実現できる機能を「Clova Skill」と呼称し、アップデートによりSkillを順次追加していく。先行体験版の発売以降、IRリモコンによる家電連携、ニュース読み上げ、占いなどのSkillを追加してきたほか、音声認識やトークについても順次アップデートを行なっている。

アップデートで機能を追加

 正式版販売にあわせて、重要な機能追加として、Clova WAVE専用のLINEアカウント(LINE家族アカウント)を用意。家族ごとにニュースや天気などの情報を伝えてくれる。「LINEを読んで」と呼び掛ければ、そのアカウントを通じてLINEメッセージを読み上げてくれ、送信も行なえる。

LINE家族アカウントに対応
LINE家族アカウントによりLINEメッセージの読み上げも可能に

 また「連続対話」(トーク)にも対応。「こんにんちは」、「はいこんにちは」、「調子はどう?」といったように、特に機能を呼び出すわけでもなく、対話を目的としたClova WAVE利用が可能になる。「先行体験版でも、『会話をしたい』という要望が多く、家族、パートナーとしてClovaにしゃべりかけてくれる。その声にこたえたい」(LINE 舛田淳CSMO)と、連続対話対応の理由を説明した。

連続対話に対応

 今後の機能強化としては、近日中にradikoに対応。ラジオをClova WAVEで楽しめるようになる。日本語、英語、中国語、韓国語の翻訳機能も年内追加する。また、時計、アラーム、タイマー、メモ、カレンダー、スケジュールの情報を朝まとめて教えてくれる「ブリーフィング機能」を追加する。

radikoに対応
ブリーフィング機能
翻訳機能を追加へ

 先行体験版では、「子供の利用が予想以上に多かった」とのことで、子供の声のデータベースを集めて、応答精度を高めているほか、声紋認識により話者を識別する機能も近日対応予定という。音声認識については、「年内に大幅なアップデートを予定しており、さらに2カ月後ぐらいにも強化する予定」(LINE 舛田淳CSMO)としている。

 そのほか、カレンダー管理やメモ帳機能、ショッピングやデリバリー、タクシー配車などの機能を追加予定。レスキューナウによる鉄道運行情報やアイフリークによる童話朗読など、サービスパートナーの拡大も目指していく。

今後の機能強化

GUIからVUIへ。パートナー連携を強化へ

 Clovaを統括するLINE 取締役 CSMOの舛田淳氏は、ポストスマートフォン時代の変化について「GUI(Graphical User Interface)からVUI(Voice User Interface)。この変化が日本、そして世界で起ころうとしている。そこで我々が提供しようと考えているのがClova。私たちの生活を豊かにするAIアシスタントを目指す。その最初のプロダクトがClova WAVE」と、Clovaの目的を解説した。

GUIからVUIの時代へ

 GoogleやAmazonなどに対するアドバンテージについては、「LINEを作った時から我々はずっとチャレンジャー。日本の住環境にあったもの例えばIRリモコン、そして、LINEとの連携。LINE連携はLINEにしかできないこと。7,000万のLINEユーザーが毎日使いやすいようにいろいろな機能を考えていく。それが強みです」と語った。

 今後2~3年かけて、LINEの各サービスのパートナーと協力し、ClovaのSkill対応を強化。年内、年始にかけて機能追加を予定。また、外部開発者向けのSDK開発については、「来年(2018年)頭の提供を予定している」とした。

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