ソニー、「eyeVio」の運営を終了。スプラシアが継承

-ソニー製品連携/JASRAC契約など一部サービスは終了


4月16日発表


 ソニーは、2007年4月から展開していた動画共有サービス「eyeVio(アイビオ)」の運営を5月29日12時をもって終了すると発表した。

 eyeVioのサービスは、株式会社スプラシアが引き継ぎ、6月1日より新eyeVioとして再スタート。URLなどに変更はなく、引き続きHD映像の投稿や、視聴機能などは継続して提供されるが、ソニー製品との連携サービスなどの一部機能は5月29日をもって停止される。

 新eyeVioの変更点としては、eyeVioモバイルがi-mode公式サイトから一般サイトに変更され、ポータルサイト「iMenu」からのアクセスが廃止される。また、ソニー製品や製品付属ソフト、オンラインサービスとの連携が停止される。停止されるサービスは以下の通り。

    ■ ネットワークTVボックス「BRX-NT1」
    【停止機能】:本製品経由でのeyeVio関連コンテンツ視聴機能

    ■ ウォークマン「NW-S730FK/S630FK/S730F/S630F/S710F/S610Fシリーズ、NW-A910/A820シリーズ」
    【停止機能】:「Media Manager for Walkman」を使ったRSSフィード経由によるダウンロードとブラウザプラグインを利用したダウンロード機能

    ■ ウォークマン 「NW-A800シリーズ」
    【停止機能】:ブラウザプラグインを利用したダウンロード機能

    ■ mylo「COM-2」
    【停止機能】:RSSフィード経由によるダウンロードとブラウザプラグインを利用したダウンロード機能

    ■「PMB(Picture Motion Browser ver.3.0.00以上)」(ハンディカムなど付属ソフトウェア)
    【停止機能】:アップロード機能(対象機種はソニーホームページで告知)

    ■ サイバーショット「DSC-G3」、「DSC-T700」
    【停止機能】:内蔵「PMB(Picture Motion Browser) Portable」からのアップロード機能

    ■サイバーショット「DSC-G3」
    【停止機能】:専用「簡単アップロード」機能

    ■ PSP
    【停止機能】:ブラウザプラグインを利用したダウンロード機能

    ■ 携帯電話「W44S」、「W52S」
    【停止機能】:ブラウザプラグインを利用したダウンロード機能

    ■ 「Life-X(ライフエックス)」
    【停止機能】:Life-X連携機能

 

 さらに。運営先変更により、JASRACとの契約が解約になるため、JASRAC管理楽曲を歌唱・演奏したビデオの投稿受付機能が廃止される。そのため、eyeVioに投稿したJASRAC登録楽曲を演奏・歌唱したビデオは、新eyeVioには移行されない。

 運営先の変更に伴い、既存ユーザーの手続きの必要はなく、メールアドレスなどの登録情報はスプラシアに自動的に移管される。6月1日以降サービスの継続を希望しない場合は、退会手続きを行なうよう呼びかけている。

 ソニーでは、自社運営の終了について「動画を活かした広告メディアとしての収益化を考えていたが、“ソニーのサービス”ということもあり、メディアの中立性という点で難しかった」としている。

 スプラシアでは、サービス継承の理由について、「スプラシアの強みであるオンライン動画編集を軸としたリッチインターネットアプリケーションやエフェクトを、eyeVioユーザーやオフィシャルパートナーに提供し、今までにない動画サービスの体験や事業シナジーの創造が可能となる」と説明。

 eyeVioとオンライン動画編集コミュニティ「Sprasia」との融合で、個人ユーザーからWeb制作会社、コンテンツプロバイダなどの幅広い層に対してアプリケーションを提供、プラットフォームとしての役割を強化していく、としている。

【2008年12月19日】ソニー、動画配信サービス「branco」を1月31で日終了
-「会員数の伸び悩みと経営環境の悪化」が要因に
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20081219/sony.htm

(2009年 4月 16日)

[AV Watch編集部 臼田勤哉]