Blu-ray補償金について「課せられるのは当然」

-JVAが意見書提出。「アナログ/デジタル区別は不要」


3月4日発表


 社団法人日本映像ソフト協会(JVA)は4日、Blu-ray Disc規格による録画機器と記録媒体を、私的録音録画補償金制度の対象とする著作権法施行令の改正についての意見書を公開した。

 地上デジタル放送の録画ルールである「ダビング10」の導入において、権利者団体や機器メーカーの対立が深まったことから、妥協案として、2008年6月17日に文部科学省と経済産業省が、私的録音録画補償金制度の対象にBlu-ray Discを加えることで合意。文化庁では、2009年4月1日からBD製品の政令指定を行なうための著作権法施行令の改正案を2月に公表。意見募集を行なっていた。JVAでは、この意見募集に提出した文書を公開した。

 JVAでは、BD機器とメディアへの政令指定について、「著作権者の複製権を制限して行なわれる私的使用目的のデジタル録画に通常供される機器であることが明らか。補償金が課せられるのは当然」との見解を表明。

 その上で、「ダビング10は私的録画の総量を減少する著作権保護技術ではなく、視聴者の利便性を高めるために策定された」とし、「コンテンツを楽しむライフスタイルの多様化によって、私的録画の量が増大する可能性が考えられる」と説明。「補償の必要性を消滅させる根拠を見出すことはできない」と訴えている。また、アナログ出力からの複製回数が無制限となるため、デジタル放送からの複製について「代償措置を不要とする根拠とはならない」としている。

 また、著作権保護技術の中には、無効化して複製することが違法とされる技術的保護手段と、違法とならない手段があると説明。「違法とならない手段による複製は、著作権法30条の権利制限の下での複製となるため、代償措置の必要性は否定できない」とする。

 さらに、JEITAが主張する「無料デジタル放送の録画は補償金の対象外」、「課金対象のBDを特定するため、レーザー波長とレンズ開口率の明示」についても反論。デジタル放送録画については、著作権法30条2項において、録画源が無料デジタル放送か否かを区別することなく、複製権制限の代償措置を定めているため、「アナログ/デジタルの区別をする理由はない」と説明している。

 レーザー波長とレンズ開口率については、「これらの要素は記憶容量を増減させる要素にすぎず、私的録画に通常用いられる機器かどうかを決する要素ではなさそうです」とし、「補償の必要性を増大させても減少させるものではない」と訴えている。


(2009年 3月 9日)

[AV Watch編集部 臼田勤哉]