初音ミクを携帯でも利用可能にする「NetVOCALOID」

-ヤマハ開発。auが「ミクと歌おう」。ゲーム機でも


4月9日サービス開始

  ヤマハ株式会社は、歌声合成ソフトVOCALOID(ヴォーカロイド)を、ネット上のサーバーで動作させるサービス「NetVOCALOID」(ネットヴォーカロイド)を開発。インターネットや携帯電話のサービスプロバイダ向けに提供を開始した。

CEATEC JAPAN 2008で参考展示されたNetVOCALOID
 ユーザーから送られたシーケンスデータをサーバー上のキャラクターに歌わせ、リバーブなどのエフェクトも付加し、それをオーディオデータとしてユーザーに配信するといったサービスが実現可能。従来のPC用ソフトで歌わせるものとは異なり、携帯電話やゲーム機などで、より手軽に利用できるのが特徴。採用サービスの第1弾として、auの公式サイト上で、クリプトン・フューチャー・メディア提供の「ミクと歌おう」、インターネット提供の「ケータイがくっぽいど」が、4月9日からスタートする。

 「NetVOCALOID」は、こうしたユーザーがVOCALOIDに歌を歌わせ、その歌声データを得るというサービス以外にも、例えばインターネット上のアバターに歌を歌わせたり、歌声合成を活用したインタラクティブゲームなどに利用することも可能。ロボットへの応用や、インターネット上での広告キャンペーン展開などにも活用できるという。


NetVOCALOIDの概念図

 サービスプロバイダ側にとっては、歌声合成プログラムを一から開発する必要がなく、複数のソフトウエアを組み合わせることが可能で、「付加価値の高いサービスが提供できる」(ヤマハ)という。また、ヤマハでは「今後サービスプロバイダーからの要望があれば新しいキャラクターの歌手データを作成し、NetVOCALOIDサーバーに組み込むサービスも提供する。サービスプロバイダー側で独自に歌手データを作成することも可能だが、データ作成には高度な技術を必要とするため、支援策も検討している」という。

 「NetVOCALOID」の入力用のデータは、オリジナル仕様のXMLファイル。合成後の歌唱データはMP3/FLACファイルとして書き出すことができ、16bit/44.1kHzのステレオ/モノラルに対応。歌手データは日本語と英語のどちらにも対応可能で、エフェクトやリバーブ、コンプレッサーのエフェクトをかけることもできる。


(2009年 4月 7日)

[AV Watch編集部 山崎健太郎]