パイオニア、シンプルなピュアオーディオコンポ5機種
-USB対応アンプやSACDプレーヤー、単品チューナ
パイオニア株式会社は、シンプルな操作性と音質にこだわった、ピュアオーディオ用単品コンポ5機種を6月下旬に発売する。プリメインアンプ2機種と、SACDプレーヤー2機種、FM/AM単品チューナ1機種をラインナップする。モデル名と価格は下表の通り。
種類 | 型番 | 特徴 | 価格 | 発売日 |
プリメインアンプ | A-A9MK2 | 定格55W×2ch(8Ω) USBオーディオ対応 ツイントロイダルトランス フォノイコライザ(MM/MC) | 14万円 | 6月下旬 |
A-A6MK2 | 定格45W×2ch(8Ω) フォノイコライザ(MM) | 8万5,000円 | ||
SACDプレーヤー | PD-D9MK2 | Wolfson製DAC ツインRコアトランス | 14万円 | |
PD-D6MK2 | TI製バーブラウンDAC ラップ積EIコアトランス | 8万5,000円 | ||
FM/AMチューナ | F-F3MK2 | - | 4万9,800円 |
2006年、2007年に発売した「A-A9」、「A-A6」、「PD-D9」、「PD-D6」、「F-F3」の後継モデル。従来モデルはシルバーカラーの筐体が特徴だったが、新モデルはグロッシーブラックの表面処理を採用。楽器をイメージしたというフォルムを持つ筐体デザインで、ディスプレイ部にはブルーLEDバックライトを用いた液晶を採用。高級感を演出している。
音質チューニングは、英国のレコーディングスタジオ「Air Studios」のエンジニアと共同で実施。「レスポンスが速くスピード感にあふれ、同時にクリアで開放感のあるサウンドを実現した」という。
また、付属リモコンも改良。アルミニウムカバーを採用し、表面の質感と適度な重さ、ボタン押下時の質感にもこだわり、高級感と操作感の良さを両立させたという。
■ プリメインアンプ
定格出力は、A9MK2が55W×2ch(8Ω)、70W×2ch(4Ω)。A6MK2が45W×2ch(8Ω)、60W×2ch(4Ω)。両モデルとも、パワーアンプの出力段には高域周波数特性に優れた小信号トランジスタ76個を1チップ上に構成したオーディオ用パワー素子LAPT(Linear Amplified Power Transistor)を採用。音声信号の強弱に対しても優れたリニアリティを実現するという。
さらに、独自技術の「ワイドレンジリニアサーキット」も採用。出力インピーダンス特性を広帯域にわたってフラットにするほか、通常のアンプよりもシンプルな回路構成にすることで、音楽の微妙なニュアンスまで正確に増幅できるという。
「A-A9MK2」のみ、USB入力端子も装備。PCと接続し、USBオーディオとして動作。PC内の楽曲が再生できる。また、MP3などの圧縮音楽ファイル再生時には、独自の音質補正機能「サウンドレトリバー(アナログ)」を用い、自然な音の広がりと深みのある音を再現するという。
電源部は無帰還型電源。ショットキーバリアダイオードと低ESRコンデンサをパラレルで使用する。上位モデルの「A-A9MK2」では、リーケージフラックスの影響を抑えたトロイダルトランスをツインで搭載。超低域でも歪や濁りが無く、S/Nの良い増幅を追求した。
内部回路は右対が独立し、左右対称のレイアウトとなるツインモノラル構造を採用。信号の相互干渉を防ぐほか、回路間の電気的干渉を遮断する「アイソレーテッド電源ブロック」も投入。各ブロックの信号経路を最短化する「ダイレクトコンストラクション」により、入力からスピーカー出力までの信号経路を最短化し、伝送による歪も抑えている。
A9MK2にはそのほかにも、シャーシ剛性を向上させるリジッドアンダーベースや、メタルインシュレータなどを採用。スピーカーターミナルも大型のものになる。また、両モデルともフォノイコライザを搭載するが、A9MK2がMM/MCに対応する一方、A6MK2はMMのみとなっている。
全高調波歪率は0.05%(25W/8Ω/1kHz)、S/N比は103dBで共通。アナログ音声入力はA9MK2が6系統、A6MK2が5系統装備する。消費電力と外形寸法、重量は、A9MK2が200W、420×369×113mm(幅×奥行き×高さ)、11.5kg。A6MK2が170W、420×359×100mm(同)で、10.5kg。
■ SACDプレーヤー
PD-D9MK2 |
DACは24bit/192kHz対応のものを、各チャンネルに1基、合計2個搭載し、並列動作させている。D9MK2には、Wolfson製DACの最上位モデル「WM8741」を、D6MK2には、TI製バーブラウンのDACを使用。
どちらも、CD再生時には独自機能の「レガートリンクコンバージョンPRO」で16bit信号をを24bitに変換して処理。さらにD9MK2では、CDの44.1KHzデータを176.4KHzへアップサンプリングしてから処理している。
マスタークロック回路には水晶発振器を使用。前述のアップサンプリング時にも使用しており、ジッタの低減を図っている。
電源構成は、デジタル部とアナログ部で完全分離。D9MK2は電源トランスから独立構成になっている。トランスは、D9MK2が、デジタル、アナログ専用にRコアトランスを計2基採用。D6MK2ではトランスの漏洩磁束の低減に効果がある「ラップ積EIコアトランス」を使用している。
D9MK2ではさらに、シャーシの剛性を向上させるリジッドアンダーベースや、アルミニウムトッププレート&サイドプレートを採用する。インシュレータは2機種ともTAOC製。
SACD再生時のS/N比は両モデルとも110dB。ダイナミックレンジはD9MK2が110dB、D6MK2が108dB。チャンネルセパレーションは105dBで共通。出力端子は光デジタル、同軸デジタル、アナログ音声(RCA)を各1系統装備。デジタル入力は備えていない。消費電力と外形寸法、重量は、D9MK2が19W、420×340×113mm(幅×奥行き×高さ)、11kg。D6MK2は、15W、420×340×100mm(同)で、5.5kg。
■ チューナ
F-F3MK2 |
電波が弱く、ステレオ放送として受信しにくい場合、ボタンひとつでモノラル受信に切替、ノイズを低減させる「MPXモード」も装備。放送局は100局まで自動で登録可能。FM/AM放送局名を最大8文字(アルファベット/記号/数字)で登録することもできる。
受信感度はFMが14.2dBf、AMが350μV/m。消費電力は8W。外形寸法は420×344×78mm(幅×奥行き×)。重量は5kg。
(2009年 5月 14日)
[AV Watch編集部 山崎健太郎]