パイオニア、BDのジッタフリー音声対応7.1ch AVアンプ
-iPodデジタル接続対応。前面HDMI装備
パイオニア株式会社は、AVアンプ新製品として、マルチチャンネル・リニアPCMのジッタフリー音声に対応した「VSA-LX52」を7月上旬に発売する。価格は15万円。
最大出力190W×7ch(6Ω)のAVアンプ。特徴は、HDMI接続によるリニアPCMマルチチャンネル音声のジッタフリー伝送「PQLSマルチサラウンド」に対応したこと。上位モデルSC-LX81/71に搭載されているPQLS機能はCD音声(リニアPCM 2ch)のみ対応していたが、BD/DVDビデオの音声に対しても、HDMI接続で対応。BD/DVDの音声をプレーヤーでリニアPCMに変換/伝送する際にジッタを最小化することで、サラウンド音声の高純度な伝送が可能になるという。
なお、プレーヤー側でリニアPCMにデコードしてから伝送する必要があるため、PQLS使用時はAVアンプのデコーダは使用しない。同社BDプレーヤー「BDP-LX52」(5月発売)では既にこの機能に対応しており、同製品からマルチチャンネル・リニアPCMジッタフリーの信号を受けられる最初のAVアンプとなる。
ジッタ低減回路も備え、上級機モデルSC-LX81/71に搭載されたものを改良。従来はHDMI入力直後に配置されていたが、LX52ではDAC直前部に配置したことで、全てのデジタル入力に対して効果を持つという。また、回路自体も対応周波数をマスタークロック帯域に絞り込むなどのチューニングを施し、音質向上を図っている。
HDMIは入力が5系統/出力が2系統で、Deep Colorやx.v.Colorに対応。入力のうち1系統は前面に備える。HDMI CEC機能の「KURO LINK」もサポートする。480i映像に対し、コンテンツの状態に応じたI/P変換を行なう「PureCinema I/P変換機能」と「動き適応型I/P変換機能」も搭載。1080pまでのアップスケーリング機能も備える。入力されたアナログビデオ信号を、コンポーネント/HDMI信号に変換して出力することも可能。
USB端子を搭載し、接続したiPod/iPhoneの音声をデジタルのまま伝送可能。LX52のデジタル処理とDACを使用することで高音質で再生できるとしている。また、付属ケーブルにより、iPod/iPhone内の動画を、テレビなどに出力することもできる。そのほか、WMA/MP3/WAVやJPEGを収めたUSBメモリやポータブルオーディオプレーヤーをUSB端子に接続することで再生できる。なお、DRM付きファイルには非対応。
同社のアンプ設計「ダイレクトエナジーデザイン」思想を継承。LX52ではデジタル信号の配線パターンを大幅に見直し、信号のロスとノイズの極小化を徹底している。デコーダはドルビーTrueHDやDTS-HD Master Audioなどに加え、WMA 9 Proにも対応する。THX Select2 Plusの認定も取得している。
そのほか、圧縮音源の補正技術「アドバンスド・サウンドレトリバー」や、音量出力レベルを整える「オートレベルコントロール」、マルチチャンネル再生時の低音のズレを解消する「フェイズコントロール」も搭載する。
3次元自動音場補正システム「Advanced MCACC」では、測定用付属マイクをリファインするとともに、スピーカーの極性判定機能も新たに追加。詳細な表示が可能な専用PCソフトもバージョンアップしている。DACはWolfson製「ΔΣ型192kHz/24ビットDAコンバーター」。サラウンドバック用アンプを利用したフロントバイアンプ接続にも対応する。
上位モデルで採用されたGUIを搭載しており、「Advanced MCACC」などの設定や、iPod/iPhoneの操作画面をテレビなどに出力可能。日本語タイトル表示やジャケット写真も表示できる。
型番 | VSA-LX52 |
定格出力 | 110W×7ch (8Ω時) |
最大出力 | 190W×7ch (6Ω時) |
HDMI出力 | 2系統 |
HDMI入力 | 5系統(うち前面1系統) |
音声入力 | 同軸デジタル×2 光デジタル×3 アナログ音声×6 5.1chアナログ音声×1 |
映像入力 | コンポーネント×2 D4×2 コンポジット×5(うち前面1:iPod/iPhone用) S映像×4 |
音声出力 | 7.1chプリアウト 光デジタル×1 アナログ音声×2 |
映像出力 | D4×1 コンポーネント×1 コンポジット×2 S映像×2 |
その他の端子 | iPod/iPhone/USB ×1 |
消費電力 | 330W (待機時0.4W/KURO LINKオフ時) |
外形寸法 (幅×奥行き×高さ) | 420×433×173mm |
重量 | 13.5kg |
(2009年 6月 3日)
[AV Watch編集部 中林暁]