新作アニメ、Blu-ray情報満載のTBSアニメフェスタ2009
-「けいおん!」生ライヴなど熱狂の6時間
| 8月22日開催
|
TBSやBS-TBSにて放送中のアニメ番組や、今後放送予定の新番組、それに関連したBlu-rayやDVDなどの情報を紹介するイベント「TBSアニメフェスタ 2009」が8月22日、東京・文京区の文京シビックホールで開催された。
司会は今年も、大のアニメ好きとして知られるTBSの向井政生アナウンサーが担当 |
サプライズの新作情報も発表されたほか、最後には大人気作「けいおん!」の出演声優達が、アニメのキャラクターさながらの熱いライヴステージも披露。午後2時からスタートし、終了は午後8時を過ぎる長丁場だが、非常に密度と満足感の高いイベントとなった。
■ Blu-ray化情報が続々
KanonのBD-BOX化が発表された (C)VisualArt's/Key/百花屋 |
京都アニメーションが「AIR」に引き続き、Keyの名作ゲーム「Kanon」をアニメ化したもので、楽曲/映像/演出/ストーリーのいずれも極めてクオリティが高く、現在に至るも多くのファンがいる名作。BD-BOX化がビデオ上映で発表されたが、多くの観客が感嘆の声で歓迎していたようだ。
まほろまてぃっく 特別編 ただいま◆おかえり (C)中山・ぢたま/ワニブックス・まほろ特別編製作委員会 |
「まほろまてぃっく」は、原作・中山文十郎、作画・ぢたま(某){(某)の正確な表記は○の中に某です}による同名コミックを原作としたテレビアニメとして、第1期が2001年10月から、第2期の「まほろまてぃっく ~もっと美しいもの~」が2002年9月からオンエアされた。
新作として作られる特別編は、「“~もっと美しいもの~”が終わって少しした頃のお話」(川澄さん)だという。会場には特別に、前編のAパートが上映。まほろさん名ゼリフ「エッチなのはいけないと思います」も飛び出す、懐かしく、そして楽しい内容。こうした穏やかな日常描写だけでなく、「まほろ」のもう1つの魅力でもあるダイナミックな戦闘シーンも盛り込まれるとのことで、完成が楽しみな作品となりそうだ。
ステージには川澄綾子さんと、清水愛さんが登場 |
また、同日にはテレビシリーズの第1期、第2期のBD-BOX化も行なわれるという。今年のクリスマスは再び「まほろ」一色になりそうな予感だ。
川澄さんはまほろというキャラクターについて「少し大人になった今から振り返ると、改めて、本当に可愛らしいキャラだったんだなと思いました。母性的なものもあって、沢山の魅力がある」と振り返る。清水さんもそんなまほろを「萌えのカタマリです(笑)」と表現した。
7年のブランクに対する不安について、川澄さんは「演じる前は心配していましたが、演じてみたら“先週までやっていたんじゃないか”と思えるくらい違和感なくできました。周囲の誰にも“7年前はこうだったよね”と言われませんでした」という。司会の向井アナが「時空を越えましたね」と聞くと、「本当にそんな心境でした」と振り返った。
■ 放送中作品のイベント
うみものがたり ~あなたがいてくれたコト~ (C)SANYO BUSSAN CO.,LTD. /うみものがたり製作委員会 |
ステージにはマリン役の阿澄佳奈さん、宮守夏音役の寿美菜子さんが登場。阿澄さんは演じるマリンについて、「色々な感情が芽生えてきて、印象も最初とダイブ違ってきたと思います。これからにも期待してください」とコメント。寿さんは「夏音は無愛想で人を寄せ付けない、黒い性格の黒夏音でしたが、白夏音に変わりつつあります。マリンちゃんを支えられるようになるよう、頑張りたいです」と語った。
ゲームコーナーでは「トド(海へんに毛)」など、海にまつわる難しい漢字を読む問題にチャレンジ。「ヒゲのあるナマズ!」、「毛が漢字に入っているのでクラゲ!」などの珍回答の連続。「鮟鱇(アンコウ)」という問題では寿さんが、人面魚のような謎の魚のイラストで回答。絵の下に鍋が描かれていたので“アンコウ”鍋とわかり正解になり、拍手を浴びていた。
大正野球娘。 ※ジャケットとは異なります (C)神楽坂淳/徳間書店・東邦星華桜花会 |
そんな作品からは、桜花会のナインが総登場。鈴川小梅役の伊藤かな恵さん、小笠原晶子役の中原麻衣さん、川島乃枝役の植田佳奈さん、宗谷雪役の能登麻美子さん、月映巴役の甲斐田裕子さん、月映静役の喜多村英梨さん、石垣環役の広橋涼さん、桜見鏡子役の牧野由依さん、菊坂胡蝶役の後藤沙緒里さんが登場。
クイズコーナーでは「この作品に出る前、野球の知識があった?」という質問が。「9人でやる事も知らなかった」という喜多村さんをはじめ、4人が野球知識が全く無かった事が判明。能登さんに至っては「一塁に出たら何か良いことがあるんですか?」という状態だったとのことで、ある意味、大正時代に見よう見まねで野球にチャレンジするアニメと同じ状況だったようだ。
クイズ後はエンディングテーマ「ユメ・ミル・ココロ」を伊藤かな恵さんが熱唱。その後、サプライズとして、アニメの1話冒頭で歌われ、話題となった「パイのパイのパイ」(東京節/大正時代の流行歌)も披露。これにはファンも大喜びで、会場一体の大合唱となった。
桜花会のナインが総登場 | キャラクター達の性格にちなんで、「お願いされると断れない性格の人」などの質問が出された |
コーナーの最後は、劇中でおなじみ「おじゃんでございます」 | 伊藤かな恵さんはエンディングテーマに加え、「パイのパイのパイ」(東京節)も披露 |
□関連記事
【7月6日】新作アニメ「大正野球娘。」、10月からBlu-ray/DVD化
-BDは初回限定で特典DVD付。1巻2話収録で6,825円
http://av.watch.impress.co.jp/docs/news/20090706_300295.html
PandoraHearts (C)望月淳/スクウェアエニックス・Pandora Project |
謎多き物語が魅力の「PandoraHearts」からは、オズ=ベザリウス役の皆川純子さん、アリス役の川澄綾子さん、ギルバート=ナイトレイ役の鳥海浩輔さん、シャロン=レインズワース役の花澤香菜さん、ザークシーズ=ブレイク役の石田彰さんが登場。8月25日に発売となったDVD Retrace:IIの映像特典「シャロンの胸キュンドキドキ大作戦」をもとにしたコーナー「劇中に登場するキャラクターと胸キュンになるためには?」で盛り上がった。
「食いしん坊なアリスと胸キュンな関係になるには?」のお題では、川澄さんが「大田原牛160g、21万円を食べてもらう」と非常に具体的な回答。肉を焼かせたら業界でもトップクラスという鳥海さんは、見事な炭火焼肉のイラストを披露した。なお、コーナーの司会を担当することになった花澤さんは、開口一番「花澤クリスタルとして頑張ります(クリステルと言いたい?)」と、勢いのある自己紹介。
そんな花澤さんによれば「鳥海さんの焼く肉は凄いんですよ、ミシュランに載るんですよ」とのこと。よくわからない解説に観客含め「?」マークに包まれたところ、先輩の川澄さんから「勢いだけで言っちゃだめよ」と素晴らしいフォローがあり、場内は爆笑につつまれた。
続く「胸キュンな関係」では、陰で糸を引く危険な男・ヴィンセント=ナイトレイがお題に。「あまり仲良くしたくない」と出演者が回答に困っているところ、「いやぁー、本当に皆僕の事が大好きなんだねぇ」とヴィンセントの声が。サプライズゲストとしてヴィンセント役の福山潤さんが登場すると、場内から黄色い声援が沸き上がった。
PandoraHeartsのステージ | ヴィンセントのお題が出ると、突如サプライズゲストの福山潤さんが登場 |
savage genius、savage genius feat.近江知永、FictionJunctionによるライヴステージも展開された |
■ 注目作ぞろいの新作情報
けんぷファー (C)築地俊彦・メディアファクトリー/臓物アニマルカンパニー |
主人公の男子高校生・瀬能ナツルは、ある朝目覚めると、なぜか女になっていた。部屋に置いてあったぬいぐるみの“ハラキリトラ”が突然喋りだし、それによれば、ナツルは戦うための存在「ケンプファー」に選ばれたらしい。その日を境に、次々と襲い掛かかるケンプファーの美少女達。事情が飲み込めないまま、ナツルは戦いの渦に巻き込まれるのだが……。
会場では1話が上映。ミニスカ&ニーソックスで繰り広げられる、魔法と銃器の派手なアクションが爽快で魅力的。また、ケンプファーを導く、なぜか臓物がハミ出したぬいぐるみ「臓物アニマル」シリーズのキャラクターが強烈。ハラキリトラを野村道子さん、セップククロウサギを田村ゆかりさん、カンデンヤマネコを水樹奈々さん、チッソクノライヌを能登麻美子さんと、声を大物&大人気声優さんが担当しているのも特徴。臓物をハミ出したまま、可愛い声でまくしたてるぬいぐるみは“キモ可愛い”の一言だ。
また、アニメ本編のセリフでは「セップクククロウサギさんは口が悪くて、田村ゆかりさんみたいな声なんです」、「田村ゆかり?」、「知らないんですか? 声優さんです」などのぶっちゃけ会話もあり、場内は笑いの渦に。ギャグの面でもアニメファンのツボを付いた作品になりそうだ。
ナツルがある朝目覚めると、何故か女になっていた | 学校のトイレも一苦労 | 魔法と銃器の派手なアクションが見どころ |
(C)築地俊彦・メディアファクトリー/臓物アニマルカンパニー | ||
ミニスカ&ニーソックスのアクションも見どころ | キモ可愛い、臓物アニマルシリーズ。ハラキリトラ | セップククロウサギ。声は田村ゆかりさん |
(C)築地俊彦・メディアファクトリー/臓物アニマルカンパニー |
ステージにはナツル役の井上麻里奈さん、三郷雫役の名塚佳織さん、沙倉楓役の中島愛さん、近堂水琴役の阿澄佳奈さんが登場。井上さんは男の時と、女の時、2つのナツルの声を演じるわけだが「原作では女性化しても声は男性声のままという設定があったので、オーディションの時は(男性時の声は)男性がやるんだろうなと思っていた」という。
しかしその後、男性時も井上さんが演じることに決定。「今まで小中学生くらいの男の子はやった事がありましたが、男子高校生をやることになるとは思っていなくて、不安も大きかったです。でも監督や音響監督さんと話し合い、絵とも合わせてみて、女性ベースの声のまま男の時も演じることになった」という。同じ声をベースにしながら、男女間でどのように演技が変化し、ナツルの心境変化が描写されるか、そんな所も「けんぷファー」の注目ポイントになりそうだ。
ステージにはナツル役の井上麻里奈さん、三郷雫役の名塚佳織さん、沙倉楓役の中島愛さん、近堂水琴役の阿澄佳奈さんが登場 | 全員「臓物アニマル」のぬいぐるみを手に登場。阿澄さんは臓物を“持ち手”に!? |
にゃんこい! (C)藤原里・フレックスコミックス/にゃんこい! 製作委員会 |
TBSにて10月1日深夜1時59分より放送予定。MBS・CBCにて10月から、BS-TBSにて10月31日深夜1時からの放送が予定されている。なお、原作は無料のWebコミック「FlexComix」で連載されているため、テレビ放送前にWebの原作を予習しておくというのもアリだろう。
ステージにはキャストが勢揃い。潤平役の浅沼晋太郎さん、水野楓役の井口裕香さん、潤平の幼馴染・住吉加奈子役の白石涼子さん、一ノ瀬凪役の小林ゆうさん、潤平の飼い猫・ニャムサス役の田中敦子さん、タマ役の福山潤さんが登壇。作品にちなみ、なんと全員ネコ耳で登場し、会場は喝采に包まれた。なお、潤平役の浅沼さんのみ、猫アレルギーという設定なので犬耳を装着。大人の女性役でお馴染み、田中敦子さんの猫耳姿というのも非常にレアである。
会場では第1話も上映。基本は呪いを解くため、猫のお願いを聞いて奔走する潤平の物語だが、彼を行動をいさめる「姐さん」こと、高坂家の飼い猫・ニャムサスの存在感が、田中敦子さんの演技も相まって大きい。また、ヒロインの楓は恋愛にまったく興味が無い様子で、呪いからの開放も恋愛も、潤平の今後は波乱万丈の予感である。
出演声優陣が猫耳、犬耳を付けて登場 | トークショーはハイテンションな小林ゆうさんの暴走トークで大爆笑に |
榊原ゆいさんによるオープニング「にゃんだふる!」、今井麻美さんによるエンディング「Strawberry ~甘く切ない涙~」も披露された |
新作情報、最後のサプライズは「ひだまりスケッチ×365」特別編の上映。会場にはゆの役の阿澄佳奈さん、宮子役の水橋かおりさん、ヒロ役の後藤邑子さん、沙英役の新谷良子さんが登場。オープニングテーマを熱唱し、会場のテンションは一気にマックスへ。
特別編はBS-TBSにて、前編が10月17日、後編が10月24日の深夜0時30分から放送予定。さらに、10月28日にはDVD発売が決定している。会場では前編のAパートも上映。「ひだまり」らしい、ゆるくて可愛い、ほんわかした雰囲気は健在。「もっと見たい」という会場のムードが高まる中、トークショーの最後には真のサプライズとして「第3期の製作決定」が発表。場内は悲鳴にも似た歓声に包まれた。タイトルは「ひだまりスケッチ×☆☆☆(ほしみっつ)」。こちらの今後にも要注目だ。
ひだまりスケッチ×365のステージでは、特別編の前編Aパートの上映、第3期製作決定と、サプライズが連続。ライヴステージと共に、歓声の絶えない時間となった |
けいおん! (C)かきふらい・芳文社/桜高軽音部 |
司会の向井さんも「完成度の高さが凄い」と唸る“けいおん!”。豊崎さんも「こんな素敵な作品に関われて、光栄です」と感慨深げだ。トークゾーンでは、部活中に紬が持ち込むお菓子の描写に話が。アフレコ中は紬役の寿さんが、偶然お菓子を差し入れに持って来る事が多く「リアル紬だね」と言われていたという。
向井さんが気になるポイントとして挙げたのは、ヴォーカルの練習が過ぎて唯が声を枯らしてしまう場面。「(本当に声を枯らせて)演技するのは辛かったんじゃない?」と聞くと、豊崎さんはその場で「ごーやっでー」と、枯れた声を披露。自在に“あの声”が出せる事が判明した。
オープニングテーマ「Cagayake!GIRLS」でライヴはスタート。観客は総立ちで迎えた |
トーク部分ではアフレコの裏話や楽器の練習エピソードなどが語られた |
さらに、素晴らしいライヴステージの熱気が覚めやらぬ中、12月にライヴイベントが開催されることが発表され、場内は再び大歓声に包まれた。
そんな「けいおん!」だが、既報の通り、2010年1月に発売される最終巻、7巻のBD/DVDに、新作番外編が収録される予定。ステージでは一足早く、その予告編が上映された。サブタイトルは「ライブハウス!」とのことで、ライヴイベントと共に、こちらの発売も今から楽しみだ。
トークショー後は、エンディングテーマ「Don't say "lazy"」をライヴで披露。終わらないアンコールの嵐に応え、再び「Cagayake!GIRLS」を熱唱。6時間を超えるイベントは大歓声の中、幕を閉じた。
(2009年 9月 10日)
[AV Watch編集部 山崎健太郎]