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HDMI 1.4aの説明会が開催。放送用3Dや車載規格など

−'12年からはバージョンを省き機能名での製品表示に


4月22日開催


 「HDMI」の規格ライセンスなどを行なうHDMI Licensingは22日、HDMIの最新規格「HDMI version 1.4a(HDMI 1.4a)」に関するマスコミ向け説明会を開催した。

HDMI LicensingのSteve Venutiプレジデント

 この説明会は、4月23日にHDMI採用企業(Adopter)と一般向けに秋葉原UDXで開催されるHDMIテクノロジーセミナー(参加受付は終了済み)に先駆けて行なわれたもの。HDMI 1.4aで放送向け3Dフォーマットが決まったことや、HDMIを取り巻く市場動向などについて、HDMI LicensingのSteve Venutiプレジデントから説明が行なわれた。

 HDMIのAdopter数(採用社数)は、'07年第2四半期の653社から、2010年の2月時点で940社まで増加。また、HDMI搭載機器の出荷数については、'09年の4億582万台から'10年には4億7,447億台、2013年には8億1,707万台に達するとの予測(出典:In-Stat)を紹介。特に、テレビやDVD機器だけでなくゲーム機やポータブル機器などへと製品カテゴリの幅が広がっていることを最近の傾向としてアピールした。

 「HDMI 1.4」の仕様は'09年5月に発表され、HDMI Ethernetチャンネル(HEC)や、オーディオリターンチャンネル(ARC)、3D Over HDMI、4K×2K解像度、コンテンツタイプ対応などが規格化。既にテレビやBlu-rayプレーヤー、AVアンプなどの一部製品で対応モデルが市場に投入されている。


HDMI Adopterの推移 HDMI搭載機器の出荷数の成長と今後の予測(出典:In-Stat) HDMI搭載機器は、インストールベースで見ると'09年で累計10億台に達している


Ver.1.4と1.4aにおける主要機能の一つである3D

 3月に発表された「HDMI 1.4a」では、新たに放送コンテンツの3Dフォーマットについて規定。3Dにトップアンドボトム(Top-and-Bottom)方式が加えられた。その結果、動画/ゲーム/放送それぞれにおいて3Dのマンダトリ(必須)フォーマットが決定。動画においてはフレームパッキング(1080p@23.98/24Hz)が、ゲームではフレームパッキング(720p@50または59.94/60Hz)が、放送においてはサイドバイサイド(1080i@50または59.94/60Hz)とトップアンドボトム(720p@50または59.94/60Hzと、1080p@23.98/24Hz)の両方式が必須となった。

 なお、3Dでは参考(Informative)フォーマット4種類も仕様書に記載(Appendix H)。定義されたのは、「Field Alternative」、「Line Alternative」、「L + Depth」、「L + Depth + Graphics + Graphics depth」で、メーカーは、ニーズに応じて3D方式とビデオフォーマットを独自に組み合わせることができる。ただし、これらのフォーマットは今後追加されたり、削除されることもあり、テスト仕様書は提供されない。


Ver.1.4における3Dのフォーマット 動画/ゲーム/放送それぞれの必須3D仕様が1.4aで規定 3Dの参考(Informative)3Dフォーマット

 これらのHDMI 1.4a仕様書は、Adopterとファウンダー企業のみ入手可能だが、3Dに関する部分については、抜粋版を一般公開し、ダウンロード可能となっている。Venuti氏は「3Dについては業界で共通化していくことをHDMI Licensingも望んでいる」と述べた。

 そのほか、HDMI 1.4から規定された車載機器向け規格については、既報の通り、端子部のロック機構や振動に耐える接続仕様などが採用されている。なお、HECはサポートされないことも明らかにしており、Venuti氏はその理由について「メーカーから要望が無かったため。市場からの要求があれば、将来的には採用するだろう」としている。

そのほかのHDMI新機能。HDMI Ethernetチャンネル(HEC)や、オーディオリターンチャンネル(ARC)、デジタルカメラ向け色空間のサポートなどが説明された
コネクタでは、通常サイズのタイプAとミニ(タイプC)のほか、マイクロ(タイプD)も規格化 コンテンツタイプ対応により、ソースに応じたディスプレイ設定が自動で行なわれるように 車載向けでは、ロック対応の「タイプE」端子などが規定されている


■ 2012年からHDMIのバージョンは非表示に

 HDMI Licensingでは、HDMIの多機能化に伴い、搭載製品の表示方法について新たな規定を運用することも決定している。'09年11月に出したガイドラインでは、2012年の1月1日からは、メーカーはパッケージや製品サイトなどに「1.4」などHDMIのバージョンナンバーを表示できないようになり、代わりに「HDMI HEC対応」や「HDMI 3D対応」など、機能名での訴求のみ可能となる。

 これは、例えば「HDMI 1.4対応製品」と謳っても、「3Dのみ対応」や「コンテンツタイプのみ対応」といった様々な製品が存在することから、コンシューマの混乱を防ぐために決めたもの。なお、2011年12月31日までは、バージョンナンバーのみではなく、バージョンとサポートする機能を合わせて「HDMI 1.4 3D」や「HDMI 1.4 HEC」といった表示は可能となっている。なお、チップやコネクタなど部品については例外とされ、バージョンを継続して利用できる。また、既存のHDMI 1.3以前の製品については、2010年11月18日まで販売可能となる。

 こうしたバージョン表記の省略は、手持ちの製品がどの機能に対応しているか分からなくなるという問題も招きかねないが、これに対してVenuti氏は、「規格の中で、『この表示はどういった機能をサポートするか』を明確化するとともに、コンシューマへの認知を広めていかなければならない」との認識を示した。

 また、ケーブル用のガイドラインとしては、従来のStandard/High Speedの区別に加え、バージョン1.4でHECをサポートするか否かを明記しなければならない。そのため、パッケージ掲載用に、各方式にあったロゴも規定されている。なお、前述の通りHECに対応しない車載用ケーブルについては、ロゴに車載専用の「HDMI STANDARD Automotive」と記される。

HDMI対応製品におけるバージョン表記についての変更内容 HDMIケーブルの表記についても、1年間の猶予期間を経て、明確な表記が求められるようになる
HDMIケーブルのパッケージなどにつけられるロゴ。四角形と丸型のバリエーションが用意される


(2010年 4月 22日)

[ AV Watch編集部 中林暁]