民放とNHK、地アナ視聴者に“砂嵐”で警告する全国テスト

-史上初、デジタル/アナログで異なる内容のミニ番組


7月4日放送


 日本民間放送連盟(民放連)は27日、NHKと共同で、地デジのPRを行なうミニ番組「全国一斉地デジ化テスト」を全国の地上波民放テレビ全127社とNHKで7月4日に放送すると発表した。

 番組名は「全国一斉地デジ化テスト~アナタの家は地デジ化済んでますか? ~」。全ての地上テレビ放送事業者がアナログ放送とデジタル放送で異なる内容を同時に放送することで、地デジのPRを行なう、テレビ史上初の試みとしている。

 放送時間は7月4日の17時59分~18時の1分間。アナログ放送を観ている視聴者には、放送停波時の“砂嵐”のイメージを映し出すことで警鐘を鳴らし、早めのデジタル対応を呼びかけるという。デジタル放送を観ている視聴者には、「2台目以降のテレビのデジタル対応をお願いする」としている。制作・著作は民放テレビ127社とNHKで、制作幹事社は日本テレビ。

 出演は、地上デジタル放送推進キャラクターの「地デジカ」と、NHK・在京民放テレビ5社の地上デジタル放送推進大使で、NHKは鈴木奈穂子アナウンサー、日本テレビは馬場典子アナウンサー、テレビ朝日は上宮菜々子アナウンサー、TBSは竹内香苗アナウンサー、テレビ東京は森本智子アナウンサー、フジテレビは中村仁美アナウンサー。

 2011年7月24日のアナログ放送終了まで残り約1年となり、直前に地デジに対応しようとしても、アンテナなどの工事が間に合わない可能性があることから、「番組を視聴しているテレビに『2011年7月24日以降の未来』を映し出す『地デジ化テスト』を通じて、それぞれの視聴者にさらなるデジタル対応をお願いする」としている。



■ CATV以外で今後地デジ対応が必要なのは509万世帯

 既報の通り、地デジ対応受信機の世帯普及率は3月に83.8%となった。この結果は、計画目標数値の81.6%を2.2ポイント上回るもので、2,400万のケーブルテレビ経由の視聴世帯と、2,600万の直接受信の視聴世帯の両方が含まれている。

 民放連では、「CATV各社は、2011年7月24日までにデジアナ変換などの必要な受信対策を行ない、すべての契約世帯がテレビを視聴し続けられるよう、環境を整備するものと見込まれている。アナログが終了する時点では、CATV視聴世帯のデジタル対応率は100%に達すると思われる」としている。

 一方、戸建アンテナや集合住宅の共同アンテナなど、CATV以外の受信方法の約2,600万世帯について、民放連が独自に試算したところ、今後デジタル化対応が必要な世帯は509万世帯(全世帯5,000万世帯の10.2%)という結果になった。

 2005年6月14日に発表された総務省調査では、世帯普及率は8.5%だったが、この5年間の間に10倍になったことから、民放連は「今回の調査結果を非常に心強いものとして受け止めている。デジタル未対応の世帯については、引き続き総務省、各自治体、デジサポなど関係者とともに、地デジ完全移行に向けた取り組みを一層積極的に進める」としている。



(2010年 5月 28日)

[AV Watch編集部 中林暁]