マランツ、ネットワーク再生対応のAVプリ「AV7005」
-5ch「MM7055」/2ch「MM7025」パワーとバランス接続
マランツ コンシューマー マーケティングは、ネットワークオーディオ機能を備えたAVプリアンプ「AV7005」と、同モデルとの組み合わせを想定した5chパワーアンプ「MM7055」、2chパワーアンプ「MM7025」を10月下旬に発売する。価格はAVプリが199,500円、5chアンプが136,500円、2chアンプが84,000円。カラーはいずれもブラックのみ。
2008年に発売された、AVプリ「AV8003」と8chパワーアンプ「MM8003」の組み合わせに続く、セパレートAVアンプの第2弾。
■ AVプリアンプ「AV7005」
ドルビーTrueHDやDTS-HD Master AudioなどのHDオーディオのデコードに対応し、処理は32bit DSPで行なう。HDMIはVer1.4aに対応し、3D映像の伝送や、ARC(Audio Return Channel)にも対応。HDMI CECを使った他機種との連動動作もサポートする。さらに、スタンバイ時のHDMI信号のパススルーにも対応する。
AVプリアンプ「AV7005」 | 1960年発売の銘機「Model9」のパワーメーターを彷彿とさせる円形ディスプレイを採用。周囲にブルーイルミネーションを配している | フロントドア内部にサブディスプレイを備え、詳細情報はこちらで確認できる |
バランスのプリアウトも備えている |
DLNA1.5に準拠したネットワークオーディオ機能も備えているのが特徴で、DLNAサーバー機能を持つPCや、ネットワークHDD内に保存したMP3/WMA/AAC/WAV/FLACファイルの再生ができる。対応ファイルはMP3(32~320kbps、32/44.1/48kHz)、WMA(48~192kbps、32/44.1/48kHz)、AAC(16~320kbps、32/44.1/48kHz)、WAV(1,024~1,536kbps、32/44.1/48kHz、16bit)。FLACは最高で24bit/96kHzまで対応しており、具体的には16/24bit、32/44.1/48/88.2/96kHzをサポートする。
DLNAのデジタルメディアプレーヤー(DMP)、デジタルメディアレンダラー(DMR)として動作し、デジタルメディアコントローラー(DMC)から制御も可能。Compatible with windows 7も取得し、Windows 7のWindows Media Player 12からのリモート再生も可能。インターネットラジオ聴取機能や、DLNAサーバー内のJPEG静止画表示機能、写真共有サービスFlickrの閲覧もできる。
iPod touch/iPhoneで制御するための専用アプリ「Wizz App」が無償公開されており、ボリューム、入力切替、サラウンドモードの選択などがiPod touch/iPhoneから行なえる。前述のDLNA DMC機能も備えたソフトで、DLNAサーバー内のコンテンツ選択やネットラジオの選局などもこのアプリから行なえる。
iPod touch/iPhone用の専用アプリ「Wizz App」が無償公開されている。アイコンなどは英語表示だが、楽曲名などは日本語表示が可能 |
Webブラウザからの操作にも対応。PCだけでなく、iPhoneのSafariからも操作が可能。Windows 7搭載PCの場合は、LLTD(Link Layer Topology Discovery)機能を用い、PCがSR7005を自動認識するため、IPアドレスの入力は不要という。
iPod/iPhoneとのデジタル接続にも対応。フロントのUSB端子を使い、iPod/iPhone内に保存した楽曲を、AVアンプの内蔵DACを使ってアナログ変換し、出力できる。USBメモリに保存した楽曲も再生可能。接続したiPodを直接操作するダイレクトモードに加え、AVアンプ側からiPodを操作し、ステータスをテレビ画面で確認できるリモートモードも利用可能。iPodの充電も可能。再生対応ファイルはネットワークオーディオ機能のファイルと同じで、24bit/96kHzのFLACもサポート。iPodのリモートモード時にテレビ画面上に、アーティスト名や曲名などを日本語で表示できる。
Bluetoothレシーバ「RX101」も付属。レシーバを専用のM-XPort(Marantz-eXtension Port)に接続することで、Bluetooth対応のiPhoneや携帯電話、ポータブルプレーヤーからの送信を受信、出力できる。対応プロファイルはA2DP。RX101はAVアンプの赤外線受光部としても活用でき、本体を扉付きのラックなどに収納した場合でも、RX101を外に出しておけば、本体のリモコン操作が可能になる。
「SR7005」はBluetoothレシーバ「RX101」が付属。AVアンプの赤外線受光部としても活用できる |
「ドルビープロロジック IIz」に対応し、フロントL/Rスピーカーの上方にフロントハイトスピーカーを追加することで、5.1chサラウンドの水平方向の音場に、垂直方向の表現力を加えられる。フロントワイド、もしくはハイトチャンネルを加えることで空間再現能力
を拡張する「Audyssey DSX」にも対応し、フロントワイド、フロントハイトのいずれかを選択して使用することになる。
デジタル処理される全ての音声信号のジッタを低減する「クロック・ジッター・リダクション」や、圧縮音楽ファイルを補間再生する「M-DAX 2」機能、付属マイクを使ったオートセットアップ機能「Audyssey MultEQ XT」なども使用可能。「Audyssey Dynamic Volume」、「Audyssey Dynamic EQ」も備えている。
映像面では、コンポーネント入力やコンポジット入力からのアナログ映像信号をデジタル信号に変換し、HDMIから出力するビデオコンバート機能を用意。アンカー・ベイ・テクノロジーのビデオプロセッサにより、全ての映像入力信号に対して高精度なI/P変換とアップスケーリング処理も可能。1080/60pや1080/24pの信号として、HDMIから出力できる。
高速アンプモジュールHDAMを採用した電流帰還型プリアンプ回路を搭載。大電力を消費するパワーアンプとセパレート化されたことで、より安定し、空間表現力やディテールの描写に磨きがかかったという。電源部にはシールドケース付き大型EIコアトランスを採用している。
デジタル音声回路や映像回路からの高周波ノイズの影響を避けるために、アナログオーディオ回路は基板を独立。電源もアナログ回路、デジタル回路用で独立しており、相互干渉を防いでいる。
GUIはオーバーレイ表示タイプで、再生中の映像に重ねて表示できる。FM/AMチューナも内蔵。マルチゾーン機能も備えている。フロントパネル中央には同社を代表する1960年発売のモノラルパワーアンプ「Model9」のパワーメーターを彷彿とさせる円形ディスプレイを採用。周囲にブルーイルミネーションを配している。フロントドア内部にサブディスプレイを備え、詳細情報はこちらで確認できる。
付属リモコンは液晶ディスプレイ付きで、マクロ機能や学習機能に対応。プリセットコードを用いて他社のAV機器を制御できるほか、約160個のリモコンコードを学習/記憶することも可能。マクロは最大10ステップの操作を1つのボタンに割り当てられる。バックライトも装備する。
■ パワーアンプ2モデル
段からAVプリ「AV7005」、5chパワーの「MM7055」、2chパワーの「MM7025」 |
両モデルとも、AVプリ「AV7005」と同様に、フロントパネル中央に円形ディスプレイを採用。周囲にブルーイルミネーションを配している。
全チャンネルに同一クオリティのフルディスクリート電流帰還型パワーアンプを搭載。スルーレートが高く、ハイスピードで広帯域に渡って情報量の多い再生が行なえるという。1chあたりの出力は両機種共通で、最大出力は210W(6Ω)、定格出力は170W(6Ω)。
剛性が高く共振の少ないチムニー(煙突)型の大型アルミヒートシンクにパワーアンプブロックをマウントし、アルマイト加工によって放熱効率を向上。チャンネル間のばらつきを抑え、音のつながりや空間再現能力を向上させたという。
電源部には大型EIコアトランスと、オリジナルの大容量ブロックコンデンサー(MM7055:33,000μF×2、MM7025:15,000μF×2)を搭載。高い瞬時電流供給能力を実現し、大型スピーカーもハイスピードにドライブできるという。
入力端子は全チャンネルにアンバランス(RCA)とバランス(XLR)の2種類を用意。スピーカーターミナルはスクリュータイプで、バナナプラグにも対応。金メッキ加工を施している。
アナログ入力以外の端子は、IRフラッシャー入力、DCトリガー入出力、マランツ リモートバス(RC-5)を各1系統装備。周波数特性は8Hz~100kHz(±3dB)。SN比は105dBで共通。消費電力はMM7055が660W、MM7025が330W。外形寸法と重量は、MM7055が440×384×183mm(幅×奥行き×高さ)で15.7kg、MM7025が440×352×126mm(同)で、10.8kg。
5chパワーアンプ「MM7055」 | 2chパワーアンプの「MM7025」 | 背面。上が「「MM7055」、下が「MM7025」 |
(2010年 9月 7日)
[AV Watch編集部 山崎健太郎]