エソテリック、一体型SACDハイエンドモデル「K-01」

-147万円。USB入力にも対応。84万円の「K-03」も


 エソテリックは、一体型SACDプレーヤーのフラッグシップモデル「K-01」を10月1日に発売する。価格は147万円。同日には下位モデル「K-03」も84万円で発売する。



■ K-01

K-01

 セパレートの「P-01/D-01」などで培った最新技術を投入したという、一体型のSACDプレーヤー。ドライブには、独自の「VRDS-NEO」を採用。SACD/CDトランスポート「P-03」に採用されたシステムをベースに、駆動回路設計をリファインしたVRDS-NEOの「VMK-3.5-20S」を搭載。

 スピンドルの軸受けにセラミックボールベアリングをペアで採用しているほか、ミクロン精度のジュラルミン・ターンテーブル、20mm厚スチール製ターンテーブルブリッジを採用。これらの総質量は5.2kgになるという。ネオジウムマグネット駆動のコアレス3相ブラシレス・スピンドル・モーター、P-0の思想を発展させたスレッド送り制御、レーザー光が常にディスクに垂直に照射される軸摺動型ピックアップなど、従来のVRDS-NEOの特長も継承している。

 スピンドルサーボ・ドライバー回路に、新設計のディスクリート・アンプ回路「VS-DD=VRDS Spindle Discrete Driver」を採用。モーターへの電力供給を最適化し、より滑らかなスピンドル駆動を実現したという。また、電力消費の大きいスピンドルモーター用に別電源も用意し、オーディオ回路への影響を排除。「セパレート型トランスポートに迫るパフォーマンスを獲得した」としている。

 DAC部は、「D-01」の思想を踏襲し、2台のモノラル用DACを1つの筐体に搭載するような“デュアル・モノDAC”構成を採用。電源回路、電源トランスまで、全てのコンポーネントは左右に独立、同一レイアウトで配置している。DACのデバイスは旭化成エレクトロニクスの32bit最上位モデル「AK4399」で、チャンネルあたり8回路を組み合わせて使ったパラレル(並列)/ディファレンシャル(差動)出力を採用する。

 USB、同軸、光のデジタル入力も備え、最高24bit/192kHzに対応した単体DACとしても使用可能。PCとUSB接続する際は、新規に開発された同社オリジナルドライバをホームページからダウンロードして使用でき、高品位なアシンクロナス伝送、24bit/192kHzまでのソース入力に対応。さらに、USBの電源/信号ラインをK-01からアイソレートし、PC本体などからの外部ノイズ混入を防ぐUSBアイソレータも装備している。

 アナログオーディオ出力には、D-01のテクノロジーを踏襲したという±22Vの高電圧電源を採用した、ディスクリート・バッファ出力回路を採用。XLR出力には、この回路をホット/コールドそれぞれの信号ラインごとにシンメトリ配置した、フルバランス構成を採用。アンバランス(RCA)出力時は、バッファアンプをパラレル構成に切り替える「パラレルバッファ出力構成」とし、どちらの出力も最高のクオリティを追求したという。

 DDコンバート機能も備え、DSD、PCMをアナログ信号へ変換するモードのほか、2倍(64/88.2/96kHz)、4倍(128/176.4/192kHz)のPCMアップコンバート機能、PCMをDSDにコンバートする機能も装備。PCMの信号処理用には4種類のデジタルフィルタを備え、FIR型デジタルフィルタ2種類に加え、インパルス波形に含まれるプリエコーを除去し、音の立ち上がりをよりナチュラルに聴かせるショートディレイ型デジタルフィルタも2種類搭載。デジタルフィルタを経由しないモードも用意し、好みに応じて選択できる。

 クロック回路は新設計で、大型水晶を内蔵した高精度±0.5ppmのVCXO(電圧制御型水晶発振器)を採用。専用の安定化電源回路を用いて安定度を高めている。外部からのWORDクロックを使用しない場合は、VCXOで生成したクロックはPLL回路を経由せず、ストレートにD/Aコンバーターに供給。信号伝送時のジッタを大幅に低減するという。ワードシンク機能も備え、入力可能周波数は44.1/88.2/176.4kHzのほか、新たに10MHzにも対応。入力できるクロック周波数精度を±15ppm以内に限定することで、ワードシンク機能をさらに高精度化している。

 各回路ブロックはセパレート化されており、VRDS-NEOトランスポート・メカニズムをセンターに配置。5mm厚のスチール製ボトムシャーシにダイレクトに固定し、独自のピンポイントフットで 3点支持している。シャーシ内部は、5分割のダブルデッキ(2階建て)構造で、各回路ブロックを専用のコンパートメントに収納し、相互干渉を抑えている。電源ケーブルは、アクロジャパンと共同開発した、6N銅「6N-PC6000」採用モデルを付属する。

 出力端子はRCA×1、XLR×1、同軸デジタル×1。入力は同軸デジタル×1、光デジタル×1、USB×1、ワードシンク入力(BNC)×1。消費電力は33W。外形寸法は445×438×162mm(幅×奥行き×高さ)。重量は約31kg。リモコンなどが付属する。



■ K-03

K-03

 K-01の思想を踏襲した、一体型SACDプレーヤーの下位モデル。

 ドライブメカはVRDS-NEO 「VMK-3.5-10」。X-03SEに採用されたメカニズムをベースに、駆動回路設計をリファインしたもので、「SACD、CDに特化した全く新しい駆動回路で、滑らかで高精度なサーボ制御を可能にする」という。ミクロン精度のジュラルミン・ターンテーブル、10mm厚スチール製ターンテーブルブリッジなどで構成。総質量は4.4kg。

 DAC部は“デュアル・モノDAC”構成で、デバイスは旭化成エレクトロニクスの32bit「AK4399」を採用。チャンネルあたり4回路で処理を行なう(K-01は8回路)。

 USB、同軸、光のデジタル入力も備え、最高24bit/192kHzに対応した単体DACとしても使用可能。PCとUSB接続する際は、同社オリジナルドライバをホームページからダウンロードして使用することで、アシンクロナス伝送、24bit/192kHzまでのソース入力に対応。USBの電源/信号ラインをK-03からアイソレートし、外部ノイズ混入を防ぐUSBアイソレータも装備する。

 DDコンバート機能も用意し、DSD、PCMを2倍(64/88.2/96kHz)、4倍(128/176.4/192kHz)のPCMにアップコンバートしたり、PCMをDSDにコンバートする機能も用意。PCMの信号処理用には4種類のデジタルフィルタと、デジタルフィルタを経由しないモードが選べ、音の違いを楽しめる。

 クロックは大型水晶を内蔵した高精度±0.5ppmのVCXOを採用。専用の安定化電源回路も備えている。ワードシンク入力も用意する。そのほか、主な機能はK-01と同じ。フロント、側版、天板とフロントコーナー部に肉厚アルミ材を採用し、ビスを排除した天板とコーナー部のラウンドフォルムがデザイン的な特徴となっている。

 出力端子はRCA×1、XLR×1、同軸デジタル×1。入力は同軸デジタル×1、光デジタル×1、USB×1、ワードシンク入力(BNC)×1。消費電力は27W。外形寸法は445×438×162mm(幅×奥行き×高さ)。重量は約28kg。リモコンなどが付属する。


(2010年 9月 9日)

[AV Watch編集部 山崎健太郎]