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エソテリック、新DACや独自伝送で進化した160万円のSACDプレーヤー「K-01Xs」

 エソテリックは、一体型SACD/CDプレーヤーの「K-01Xs」と「K-03Xs」を3月上旬に発売する。価格はK-01Xsが160万円、K-03Xsが98万円。

K-01Xs

 なお、'14年に発売したK-01X/K-03Xに、新機種で採用されたDAC回路などの一部機能を追加する有料のバージョンアップサービスも実施する。K-01Xは35万円、K-03Xは28万円で適用でき、2月受付開始、4月より順次サービス開始となる。

K-03Xs

K-01Xs

 一体型プレーヤー最高峰モデルとして'10年に発売されたK-01、'14年の第2世代モデルK-01Xに続く第3世代モデル。フラッグシップ機Grandioso K1やN-01に採用された新DACプラットフォームや、最新のデジタル入力部、「ES-LINK Analog」伝送方式などを搭載したのが特徴。Grandioso P1/K1と同じ高精度ターンテーブルシステムVRDS-NEO[VMK-3.5-20S]と、K1用に開発された最新DACプラットフォームを踏襲した差動8回路/ch構成のモノラルDACを2台搭載する。

K-01Xs

 VRDS-NEO[VMK-3.5-20S]は、スピンドルの軸受けに特別に選別された高精度ボールベアリングをペアで採用。ジュラルミン・ターンテーブル、20mm厚スチール製ターンテーブル用ブリッジを搭載し、メカユニット単体で5.2kg(リジッドベース含め12kg)となる。高磁束密度型マグネット駆動のコアレス3相ブラシレス・スピンドルモーター、スピンドルサーボドライバーVS-DD(VRDS Spindle Discrete Driver)などを継承。トレー部には静粛なシャッター機構を装備。

 旭化成エレクトロニクスの32bitプレミアムDACチップのAK4497に高音質オペアンプMUSES 02を組み合わせて使用。チャンネルあたり8回路のパラレル/ディファレンシャル回路構成でリニアリティを高め、低歪み化。DAC電源部の回路パターンを改良し、電源トランスも左右独立。クリーンで安定性の高い電源供給を実現した。デジタル回路/アナログ回路のアイソレーションも従来以上に徹底した。

 32bit DACデバイスを複数個組み合わせて32bitを超える高解像度でPCM信号をアナログ信号へ変換する35bit D/Aプロセッシング・アルゴリズムも採用。デジタル領域において、ハイビットデータの階調を活かし、演算誤差を最小にとどめ、忠実なアナログ変換を可能としている。

 独自の電流伝送強化型出力バッファ回路のESOTERIC-HCLDも搭載。電流出力能力が高く、スルーレート2,000V/μsのハイスピードな素子を採用したバッファ回路をチャンネルあたり2回路備える。XLR出力はディファレンシャル(差動)、RCA出力はパラレル(並列)駆動させ、瞬間的な電流供給能力を高める。

 通常のXLR/RCAライン接続のほか、独自の伝送方式「ES-LINK Analog」を採用。ハイスピードで強力な電流供給能力を持つHCLDバッファ回路を活かした電流伝送方式により、信号経路のインピーダンスの影響を受けにくく、信号をピュアに力強く伝送できるという。なお、接続ケーブルは一般的なバランスケーブル(XLR)だが、独自伝送方式のため、対応機器以外ではこの方式は利用できない。

 PCMの2/4/8/16倍(最大768kHz)のアップコンバートやPCM→DSD変換に対応。DSDは22.5MHzにアップコンバートできる。DSDデジタルフィルタのON/OFFにも対応。デジタル入力はUSB×1、同軸×1、光×1の3系統。同軸/光入力は、192kHz/24bitまでのPCM、DSD 2.8MHz(DoP)入力に対応する。パソコンと接続してUSB DACとしても利用可能。デジタル出力はAES/EBU(XLR)と同軸の2系統を装備。デジタル出力を使用しない場合は回路のOFFも可能。

 クロックはGrandiosoカスタムVCXO(電圧制御型水晶発振器)を搭載。大型の水晶片を内蔵し、位相雑音が少なく、中心精度は±0.5ppm。G-01X/G-02Xなどの高精度マスタークロックジェネレーターとの接続にも対応する。

 ドライバ/再生用ソフト「ESOTERIC HR Audio Player」を無償ダウンロード提供。アイソクロナス伝送方式に加え、新たにBulk Pet伝送方式にも対応している。

 シャーシ構造は、VRDS-NEOメカニズムをセンターに配置して5mm厚のスチール製ボトムシャーシに固定。独自のピンポイントフットで3点支持する。シャーシ内部はダブルデッキ(2階建て)構造で、主にオーディオ基板を上層、電源回路やトランス類を下層に配置。内蔵のDAC 2台、デジタル回路、スピンドルサーボドライバ「VS-DD」専用に合計4つの大容量トロイダルトランスを搭載。各回路ブロックへの理想的な電源供給能力が行なえるという。

 ディスプレイは有機EL。消費電力は35W。外形寸法は445×438×162mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約31kg。付属リモコンは、フロントに肉厚アルミパネルを採用している。

K-03Xs

 上位機のK-01Xsと同様に、Grandioso K1/N-01の新DACプラットフォームや、「ES-LINK Analog」伝送方式などを導入。ドライブ部はK-01Xsと異なり、VRDS-NEO[VMK-3.5-10]を搭載する。

K-03Xs

 DAC部は、AK4497とオペアンプMUSES 8820を組み合わせて使用し、チャンネルあたり4回路のパラレル/ディファレンシャル回路構成。ハイビットD/Aプロセッシングや、ESOTERIC-HCLD回路も搭載する。

 デジタル入力は3系統(USB/同軸/光×各1)。同軸/光入力は192kHz/24bitまでのPCM、DSD 2.8MHz(DoP)入力に対応。パソコンとのUSB接続時は、ESOTERIC HR Audio PlayerでDSD 22.5MHzやPCM 768kHz/32bit再生が可能。デジタル出力はAES/EBU(XLR)と同軸の2系統。GrandiosoカスタムVCXO搭載のクロックも搭載する。

 VRDS-NEOメカニズムはセンター配置で、5mm厚スチール製ボトムシャーシに固定。ピンポイントフットで3点支持する。シャーシ内部はダブルデッキ構造。アナログ回路専用、デジタル/メカニズム駆動回路用に合計2つの大容量トロイダルトランスを搭載する。

 ディスプレイは有機EL。消費電力は29W。外形寸法は445×438×162mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約28kg。肉厚アルミパネルのリモコンが付属。

K-01X、K-03Xからのバージョンアップサービス

 '14年に発売したK-01X、K-03Xのユーザーに対し、Xsエディションで採用された一部機能を追加するバージョンアップサービスを実施。

K-01X

 バージョンアップ内容は、Xsで採用した最新DAC回路への換装と、ES-LINK Analog電流伝送への対応、USB入力部のアップグレード(DSD 22.5MHz、PCM 768kHz/32bit対応)。

 なお、有機ELディスプレイを含む外観の変更は含まれない。また、'10年モデルのK-01/K-03は設計が大幅に異なるため、バージョンアップの対象外となる。