【CEATEC 2010】アイ・オー、3D動画作成/編集ソフト

-3D/23型液晶も。マイコンソフトは1080pアップスケーラ


■ アイ・オー、3D/フルHD液晶や、3D動画/静止画変換ソフトを年内発売

アイ・オーのブース

 アイ・オー・データ機器のブースでは、2011年7月の地上デジタル完全移行に向けて、さまざまなケースに応じた地デジ化のソリューションを提案。アナログテレビに追加するチューナや、デジタルテレビ向けの録画対応USB HDDなどをアピールしている。

 未発表の製品では、3D関連の参考展示が充実。3D対応の23型フルHD液晶ディスプレイや、7型の裸眼3D液晶ディスプレイが設置されている。さらに、3D動画/静止画再生や、2D動画/静止画を3Dに変換できるPCソフトのデモも行なっていた。

 3D対応液晶ディスプレイ「LCD-3D231XBR」は、1,920×1,080ドット/120Hz駆動の23型パネルを搭載。NVIDIAの3D Visionメガネ/トランスミッタを追加することで、3D視聴が可能になる。映像入力はDual Link対応のDVIや、HDMIなどを備える。年内発売予定で、価格は未定。3Dメガネ/トランスミッタは別売となる。

 7型の裸眼3Dディスプレイは参考展示のみで、発売については未定。パララックスバリア方式で、1視点の3D表示に対応し、パーソナルな用途を想定している。入力はUSB。

23型フルHDの3D対応ディスプレイ「LCD-3D231XBR」発売未定の7型裸眼3Dディスプレイ

 これらの製品と合わせて紹介されていたのは3D動画/静止画の再生や編集が可能なソフト。フレームシーケンシャル/偏光/アナグリフなど多様な3D方式の3D動画再生ソフトと、3D静止画再生ソフトに加え、2D-3D変換が可能な動画編集/静止画編集ソフトもセットにしたスイート形式で、年内に発売。1万円を切る価格を目指すという。現時点では編集と再生ソフトの個別販売は予定していない。

 3D動画編集ソフトでは、3D撮影対応の富士フイルム製「FinePix REAL 3D W31や、パナソニック製AVCHDビデオカメラ「TM750」(3D撮影には別売レンズが必要)で撮影した映像を編集可能。さらに、ツインカメラプレートなどを使って2台横並びで撮影した2Dビデオカメラの映像2本から、1本の3D映像を作成することや、1本の2D動画を元にした3D映像化もできる。

 カット/結合などのほか、視差の調整も可能。上記カメラのフォーマットに対応するほか、出力形式としてアイ・オー独自の「IOM」ファイルも用意。この形式は、異なるフォーマットの3D映像を1つのファイルとしてまとめた統合型ファイルで、ディスプレイなどの対応方式に応じた3D表示が1ファイルで行なえることが特徴となっている。

 3D動画再生ソフトは、Windowsのエクスプローラから再生する「プレーヤー」と、サムネイルから選んで再生できる「ビューワー」の2種類を用意する。

動画/静止画それぞれの再生/編集ソフトをセットで発売3Dカメラの動画、2本の2D動画、1本の2D動画、など様々な入力ファイルに対応左右視点の動画をタイムライン状にサムネイル表示
左右フレームの同期調整IOMファイルで出力可能IOMで保存したファイルは、視聴時に3D表示の方法が選べる

 静止画の3D化ソフトでは、2D写真内の人物や背景を、明るさを元に多層化することで奥行き感を生み出す。自動設定での3D化だけでなく、範囲指定などでオブジェクトごとに奥行きをマニュアル調整できる。フォーマットはMPOなどに対応するほか、独自の統合型ファイル「IOS」でも出力可能。

静止画の3D編集ソフト。2D写真から、明るさを元に自動で飛び出し/奥行きが設定され、マニュアルで細かな調整が可能様々な3D方式に対応可能アナグリフ方式(赤青メガネ)での3D静止画作成例

 

HVL-AVRシリーズ
 2.5インチ/500GBのリムーバブルHDD「REC-IN」を使った、スカパー! HD録画対応のLAN HDD「HVL-AVRシリーズ」も参考展示。1TBの内蔵HDDと、iVDRと同形状のREC-INカートリッジを組み合わせた製品で、500GBカートリッジ1枚に、スカパー! HD番組を約120時間録画できる。

 11月下旬の発売を予定しており、価格は「現在発売している『RECBOX』プラス3,000円程度」とのこと。さらに、2011年春以降を目処にアップデートにより、iVDR-Sの著作権保護機能「SAFIA」に対応予定という。

 発売当初は、HVL-AVRのHDDにダビングした番組などをREC-INカートリッジにムーブできるだけだが、SAFIA対応により、日立のWoooで録画したiVDR-Sカートリッジの再生に加え、iVDR-Sの録画番組を「HVL-AVR」にダビング可能となる。

内蔵1TB HDDとiVDRに録画できるスカパー! HDD録画対応のLAN HDDが参考展示スカパー! HDチューナの展示とiVDRレコーダを並べて訴求しているそのほかの製品として、液晶テレビAQUOSやCELL REGZAなどと、録画向けHDD製品を組み合わせてアピール


■ マイコンソフト、ゲーム機向けの低遅延1080pアップスケーラなど

 電波新聞社のブースでは、マイコンソフトの発売中/発売予定製品が展示されている。

 「XRGB-mini FLAME MEISTER G2」は、D端子、S映像、コンポジットからの映像を、HDMIで最大1080pにアップスケーリングしてHDMI出力できる製品。SD解像度のゲーム機などでの利用を想定している。2011年2月をめどに製品化をめざしており、価格は未定だが、3万円以下で発売される見込み。

 低遅延を意識して設計されたという米Marvellの高画質スケーラICを採用し、映像処理による遅延を抑えたSD→フルHD変換が特徴。なお、超解像処理ではなく、元の映像の素材感を活かし、遅延を抑えて高解像度化できるとしている。HDMI入力も備え、PlayStation 3やXbox 360などからHDMI入力した場合は、パススルーで出力される。

XRGB-mini FLAME MEISTER G2の紹介。会場には実機の展示は無かった

 SD映像信号を2次元IP変換し、高速スケーリングするゲームモードを搭載。テレビに出力する前に映像処理を行なうことで、テレビ側の映像処理による遅延の影響を受けにくいという。このゲームモードと、入出力信号のシンクロ機能を併用することで、フレーム遅延(内部の映像処理の遅延)を「ほぼ0」にすることも可能だという。

 また、3次元動き適応型IP変換にも対応し、動きの少ないゲームなどの場合はより高画質で表示することも選べるようになっている。ゲーム機だけでなく、AV機器の映像も鮮明にアップスケーリングできるとしている。

 そのほかにも参考出品として、7型/800×480ドットのパネルを搭載した液晶ディスプレイを展示。店頭のサイネージとしての利用や、ゲーム開発、サブモニターなど様々な用途を想定している。

 D端子やアナログRGB(D-Sub 15ピン)、S映像、コンポジットなどの入力端子を備え、HDMI端子の採用についても検討中。入力最大解像度は1,920×1,080ドットで、800×480ドットを超える解像度は自動でダウンスケールして表示する。

7型多用途ディスプレイの展示端子などはまだ検討段階とのこと発売中のXRGB製品なども展示されている
そのほかの展示。TDKは、5月のODS(Optical Data Strage) 2010で発表した、超多層記録型光ディスクを展示。片面で16層/512GB、両面で1TBを実現できる追記型ディスクで、主に放送業務やデータアーカイブ用を想定しているが、ハイエンドのAV用途も視野に入れているとのこと。HDDやテープという、他のアーカイブ方法と比較し、優位性をアピールしていた
太陽誘電のブースでは、同社がスタート・ラボや、ビクターアドバンスドメディアから委託を受けて生産しているLTHタイプの6倍速BD-Rメディアを参考展示。いずれも近日発売予定としている


(2010年 10月 7日)

[AV Watch編集部 中林暁]