秋のヘッドホン祭 2010【ゼンハイザー/フォーカルなど】
-新HD500シリーズやT p 5、Atomic FloydのBA型など
会場は「スタジアムプレイス青山」 |
「秋のヘッドホン祭 2010」が10月30日の土曜日、東京 青山の「スタジアムプレイス青山」で開催された。入場料は無料。
東京・中野にあるAV機器の専門店フジヤエービックが開催するヘッドフォン関連機器のイベント。各社の新製品が体験できるイベントとして開催されており、今回は青山の新会場に移転し、より広いスペースで、普段あまり聞くことのできない国内外の高級ヘッドフォンやヘッドフォンアンプなどを多数試聴できるイベントとなった。
■ ゼンハイザー
RS 180 |
ゼンハイザーは、Kleer採用のワイヤレスヘッドフォン「RS 180」、「RS 170」、「RS 160」や、オープンエアー型の「HD 500」シリーズ新モデル「HD 598」、「HD 558」、「HD 518」を発表した。
詳細は既報の通りだが、RS180はオープン型ヘッドフォンを使った上位モデル。RS170/RS160は、密閉型のヘッドフォンを採用。いずれもトランスミッタとヘッドフォンから構成され、16bit/44.1kHzの音声をそのまま伝送できるKleer技術を採用している点が特徴。電源ON/OFFやボリューム操作がヘッドフォンから行なえる。
RS 170はデジタルサラウンド機能を採用。RS 160はポータブル型で、単4乾電池×2本で電池駆動も可能となっている。店頭予想価格はRS 180が32,000円前後、RS 170が24,000円前後、RS160が18,000円前後。
RS 180のヘッドフォン部 | RS 170のヘッドフォン部 | RS 160のヘッドフォン部 |
「HD 598」、「HD 558」、「HD 518」は既報の通り、オープンエアー型の定番「HD 500シリーズ」の新モデル。トップモデルのHD 598はクリーム色のカラーリングや革製のヘッドバンドなどが特徴。再生周波数帯域は12Hz~38.5kHz。店頭予想価格は24,000円前後。
HD558はシリーズ中位モデル。再生周波数帯域は15Hz~28kHz、重量は約224g。店頭予想価格は18,000円前後。HD 518はエントリーモデルで、再生周波数帯域は14Hz~26kHz。重量は約240g。店頭予想価格は13,000円前後。
3モデルとも着脱可能なケーブル機構を採用。いずれもケーブル長は3mで、プラグは標準ジャック。ステレオミニ変換アダプタも付属する。
HD 598 | HD 558 | HD 518 |
また、アディダスとコラボレーションでデザインしたポータブルヘッドフォン「HD 25-1 II」のアディダスオリジナルモデルも展示。ブルーのカラーやアディダスの3本線のブランドCIを生かしたデザインが特長。発売時期は未定だが、「スポーツショップなどでも展開したい」とのこと。価格もHD 25-IIと同等となる見込みという。
HD 25-1 IIアディダスモデル | 3本線のアディダスのロゴ | ヘッドバンド部 |
■ ティアック
T p 5 |
ティアックは、29日に発表したbeyerdynamicのポータブルヘッドフォン最上位モデル「T p 5」を出展。試聴ブースも設け、人気を集めていた。2009年11月発売のフラッグシップ機「T 1」と同様に、強力な磁束密度を特徴とするテスラテクノロジーを搭載した密閉/ポータブル型のヘッドフォン。12月発売で、店頭予想価格は13万円前後。
また、KOSSの新製品として、密閉型のDJヘッドフォン「PRO-DJ100」を参考展示。価格や発売時期は未定。カールコードを採用する。
耳掛け型イヤフォンの新モデルとして「CLIPPER」も参考展示。11月発売予定で、店頭予想価格は2,000円前後。豊富なカラーバリエーションと耳掛け型のインナーイヤーというが特徴で、女性をターゲットに展開予定という。
PRO-DJ100 | CLIPPER。耳掛け型のインナーイヤフォンで、ボリュームも装備 | 豊富なカラーバリエーションを用意する |
■ フォーカルポイント
MiniDarts |
Atomic Floyd製品を展開するフォーカルポイントは、同ブランド初となるバランスドアーマチュアドライバ採用のカナル型(耳栓型)イヤフォン「MiniDarts」を参考出展。11月の早い段階での発売を目指している。
MiniDartsのほか、ケーブル中程にメダル型のマイク/リモコンを装備した「MiniDarts + Microphone」も用意。店頭予想価格はMiniDartsが23,800円前後、+ Microphoneが25,800円前後。
シングルユニットのアーマチュア型だが、低域の量感もあり、アーマチュア型ならではの情報量も確保。ファブリックケーブルの採用により、擦れによる音への影響も排除したという。デュアルインジェクション整形のイヤーチップで、外部ノイズを排除。S/M/Lの3種類のイヤーチップが付属する。
+ Microphoneでは、iPhoneの通話やリモコン操作に対応。レザーポーチや、標準ラグアダプタ、飛行機用アダプタなどが付属する。
MiniDarts(左)とMiniDarts + Microphone(右) | 同社初のアーマチュア型で、独自のイヤーチップを採用 | + Microphoneのマイク/リモコン部 |
■ イメーション
TDKブランドのiPodスピーカー「Xa Lunchboxシリーズ」 |
TDK Life on recordブランドの製品を展開するイメーションでは、26日に発表したiPhone/iPodスピーカー「Xa Lunchboxシリーズ」シリーズを展示している。
ヘッドフォンの新製品としては、EQコントローラ付きのヘッドフォン「TH-ST800」を参考展示した。イコライザを装備し、音質調整が可能な点が特徴。ケーブル中程に6バンドのイコライザを備えており、低音と高音の調整が可能。音楽再生時にはグラフィックイコライザとして動作する。ボリュームは右ハウジングのダイヤルに割り当てられている。電源は単4電池×2本。
プレミアムヘッドフォンとして提案予定で、2011年のなるべく早い段階で発売予定としている。想定価格は2万円~25,000円前後。
TH-ST800 | 分厚いエンクロージャを採用し、高い低域再生能力も特徴 |
リモコン部に備えたイコライザで、低域と高域を調整 |
未発表のカナル型イヤフォン新モデルも展示。聴きたい音楽ジャンルやタイプに合わせて「TH-EC40」(VOCAL)、「TH-EC41」(LIVE)、「TH-EC42」(MEGABASS)の3種類を用意。価格は2,980円前後。それぞれに3色のカラーバリエーションを用意する。
TH-EC40 | VOCAL、LIVE、MEGA BASSの3タイプのイヤフォンを用意 | 3製品の概要 |
■ ムジカアコスティックス
ムジカアコスティックスのブース |
ムジカアコスティックスは同社が取り扱い予定のEARSONIC製品とFISCHER AUDIO製品を出展している。いずれも近日の発売を予定しており、一部製品はフジヤエービックで先行販売しており、会場でも特別価格で販売していた。ただし、FISHER AUDIOのヘッドフォン最上位機「FA-001」のみ発売未定とのこと。
FISHER AUDIO「FA-002」はオープン型、「FA-003」は密閉型のヘッドフォン。方式以外の主な仕様は共通で、再生周波数帯域は10Hz~26.5kHz、感度は105dB、インピーダンスは64Ω。価格はともに17,800円。
FISHER AUDIO「FA-001」 | FA-002 | FA-003 |
FISHER AUDIO「FA-004」 | FA-005 |
FA-004はレトロデザインが特徴のヘッドフォンで、再生周波数帯域は20Hz~20kHz、感度は104dB、インピーダンスは32Ω。ブラックとブラウンの2色を用意し、価格は7,200円。
FA-005は、DJ用のプロフェッショナルモニターで、回転式のイヤーカップを採用。ケーブルも着脱式となっている。再生周波数帯域は10Hz~22kHz、感度は96dB、インピーダンスは32Ω。価格は15,800円。
OLDSKOOLは'70年代風デザインが特徴の軽量ヘッドフォン。広がりある音場が特徴で、再生周波数帯域は20Hz~20kHz、感度は112dB、インピーダンスは32Ω。価格は7,200円。
DBA-02は、FISHER AUDIOのフラッグシップイヤフォンで、2ウェイのバランスアーマチュアドライバを搭載したカナル型。タッチノイズを抑えた撚り線のケーブルも特徴。再生周波数帯域は20Hz~20kHz、感度は108dB、インピーダンスは43Ω。価格は23,800円。
SBA-01は、シングルのバランスドアーマチュアドライバを搭載したカナル型イヤフォン。周波数帯域は30Hz~18kHz、感度は109dB、インピーダンスは30Ω。価格は8,000円。
OLDSKOOL | DBA-02 | SBA-01 |
EARSONICの製品としては、カナル型のカスタムモニター「EM3-PRO」と「SM3」、「SM2」などを展示。価格はEM3-PROが126,000円、SM3が44,800円、SM2が35,800円。
EM3-PROは、低域用×2、高域用×1のトリプルバランスドアーマチュアユニットを採用したカナル型イヤフォンで、EARSONICモニターの最上位機となる。能率は124dB/mW、再生周波数帯域は20Hz~18kHz、インピーダンスは46Ω。
SM3は3ウェイのバランスドアーマチュアユニットを搭載。能率は122dB/mW、再生周波数帯域は20Hz~18kHz、インピーダンスは34Ω。SM2は2ウェイのアーマチュアユニットを搭載。能率は119dB/mW、再生周波数帯域は20Hz~18kHz、インピーダンスは32Ω。
EM3-PRO | SM3とSM2 | SM3 |
■ Philps(加賀ハイテック)
SHE9900 |
加賀ハイテックのブースでは、Philipsのイヤフォン/ヘッドフォンラインナップの展示と販売を実施。参考展示モデルとしては、カナル型イヤフォンの最上位モデル「SHE9900」を出展している。
SHE990は、バランスドアーマチュア型のイヤフォンで、ユニット部が稼動することで最適な装着感を得られるという。11月に発売予定で、価格は21,800円を予定している。
また、マリンスポーツブランドの「オニール(O'NEILL)」とのコラボレーションヘッドフォンも2シリーズ参考展示。SHO9560は、密閉型のヘッドフォンで、2色のカラーバリエーションを用意。価格は1万円前後。SHO8800は折りたたみ可能なポータブルタイプで、4色のカラーバリエーションを用意する。価格は8,000円前後。
両モデルとも、ヘッドバンド部やイヤーパッドにマリンウェアと同じ素材を採用。また、カラフルなデザインもアウトドアユースを想定したものとなっている。
SHO9560は2色のバリエーションを用意 | SHO8800 | SH08800は折りたたみに対応する |
■ ラディウス
HP-TWF21 |
ラディウスは、独自の「DDM」方式を採用したカナル型イヤフォン最上位モデル「HP-TWF21」を展示している。2011年1月に発売予定で、価格は2万円前後の見込み。
独自の同軸ユニットDDM(Dual Diaphram Martix)方式を採用した同社ヘッドフォン「ドブルベ」の上位モデル。春のヘッドフォン祭りでも展示していたが、「ほぼ最終版」となり、従来モデルの「HP-TWF11」から、ハウジングの形状見直しなどにより、低域のスピード感などを改善した点が特徴。
ユニットは15mmウーファと7mmツィータによる同軸方式で、再生周波数帯域は10Hz~20kHz、出力音圧レベルは107dB/mW、インピーダンスは24Ω、重量は7.3g。
HP-TWF21 | 主な仕様 |
■ ゼネラル通商
JAYSの新イヤフォンを多数展示 |
ゼネラル通商は、同社取り扱いのJAYSの新型イヤフォンを多数展示。カナル型イヤフォンの「a-JAYS」と、「t-JAYS」の2シリーズで、それぞれにOne/Two/Threeの3モデルを用意する。
a-JAYSは、8.6mm径のダイナミック型ドライバとフラットケーブルを採用。最上位モデルのa-JAYS Threeはカスタムドライバーを採用し、再生周波数帯域は18Hz~23kHz。a-JAYS Twoは、低音再生能力が特徴で、再生周波数帯域は20Hz~20Hz、エントリー機のa-JAYS Oneは20Hz~18kHz。価格はいずれもオープンプライスで、店頭予想価格はThreeeが8,000円前後、Twoが7,000円前後、Oneが5,000円前後。
a-JAYS Three | a-JAYS Twoのパッケージ |
t-JAYSは、10mm径のドライバを採用。Threeがカスタムドライバ搭載の最上位機、Twoが低音重視、Oneがエントリー機という構成はa-JAYSシリーズと共通。店頭予想価格はThreeが15,000円前後、Twoが13,000円前後。
t-JAYS Three | t-JAYS Two | t-JAYS One |
■ オヤイデ
FiiO E9。大型のボリュームを装備 |
オヤイデは、ヘッドフォンアンプの「FiiO E9」を参考展示。11月15日に発売予定で、価格はオープンプライス。店頭予想価格は18,900円前後。
大型のボリュームコントローラを装備したヘッドフォンアンプで、ステレオミニの音声入力を装備。ゲインスイッチも備えており、ハイインピーダンスなヘッドフォンにも対応可能となっている。前面に標準ジャックとステレオミニのヘッドフォン出力を装備。背面にはアナログ音声出力(ステレオミニ/RCA)を装備する。
USB端子も装備。E9単体ではUSBの活用はできないが、専用ドックに別売のポータブルヘッドフォンアンプ「FiiO E7」を接続することにより、E7のDACを使ったUSB DACとして利用可能になる。これにより、パソコンからUSBで高品位な音声出力が可能となる。同社では「FiiO 7のユーザーがポータブルでも家庭でも高音質に音楽を楽しめるよう企画した製品」としている。
出力は1W(16Ω)/80mW(600Ω)。適応インピーダンスは16Ω~600Ω。SN比は95dB以上。周波数帯域は10Hz~100kHz。電源はACアダプタ。外形寸法は96×149×56mm(幅×奥行き×高さ)、重量は470g。
FiiO E9。ドック上のFiiO E7は別売 | ビビッドなカラーが特徴のケーブル「D+」もDJ向けにRCAケーブルを用意 |
■ その他
クレシンジャパンは、同社ヘッドフォンPHAITONシリーズなどを展示 |
クレシンジャパンは、同社ヘッドフォンラインナップを紹介しているほか、近日発売予定のイヤフォンも展示。「PS 20」はカナル型の新イヤフォンで、ダイナミック型のユニットを採用。11月発売予定で、店頭予想価格は8,800円前後。
PS 20のiPhone/iPod対応リモコン付きモデル「PS 20i」も11月発売予定。価格は11,800円前後。さらに、ノイズキャンセルイヤフォンの「PS 20 NC」も11月に発売。ケーブル中程に電池ボックスを装備し、単4アルカリ電池搭載時で約50時間、マンガン電池利用時で約25時間の利用が可能。価格は12,800円前後。
PS 210i | PS 20 | PS 20 NC |
ラックスマンは96KHz対応のUSB DAC「DA-200」の試聴デモを実施 | ロジクールはUltmate Earsのイヤモニター最上位機「Ultimate Ears In-Ear Reference Monitor」の試聴会を実施。多くのファンが列を成していた |
シネックスブースでは、iPad対応スピーカー「iHome iA100(実売19,800円)」やクロックスピーカー「iHome iP39(実売12,800円)」などを展示 | 同社が国内代理店を務めるWestone製品のイヤフォンも展示 |
(2010年 11月 1日)
[AV Watch編集部 臼田勤哉]