秋のヘッドホン祭 2010【STAX/オルトフォン他編】
-STAXの超ハイエンドヘッドフォン。カナル型も多数
10月30日に外苑前の「スタジアムプレイス青山」で開催された「秋のヘッドホン祭 2010」。ここではスタックスやオルトフォンなどのブースを紹介する。
■ スタックス
イベントのポスターにも使われている、2011年前半発売予定のハイエンド・コンデンサヘッドフォンを参考展示した。開放型の円形ハウジングを採用し、振動膜に新しいスーパーエンジニアリングプラスチックを採用しているのが特徴。挟みこむ電極も新開発のもので、薄く、なおかつ剛性があり、繊細な描写が行なえるという。
価格は決定しておらず、30万円~50万円程度を想定。既存のアンプでも十分ドライブできるが、将来的にはこのハイエンドヘッドフォンと組み合わせるハイエンドアンプも予定しているという。
スタックスのハイエンド・コンデンサヘッドフォン。名称や型番は未定 | 開放型の円形ハウジングを採用している |
■ イーフロンティア
イーフロンティアのブースでは、取り扱っているKlipsch製品の新モデルを参考展示した。「Image S5i Rugged」は、珍しいウインタースポーツでの使用を想定したカナル型イヤフォンで、「Image S4i」をベースに開発。
最大の特徴はイヤフォンやリモコンをラバーコーティングし、スキーやスノーボードで手袋をしたままでも操作しやすくなっている事。そのため、リモコンもあえて大型のものを採用しているほか、収納ケースにはライトも装備している。発売時期などの詳細は11月に発表予定。
ラバーコーティングされた「Image S5i Rugged」 | ボタンが大きなリモコン。こちらもラバーで被われる予定だ | パッケージの背面。上に描かれているのが収納ケースで、ライトも装備している |
さらにエントリーモデル「Image S3」も参考展示。レッド、グリーン、ピンク、グレイの4色のカラーバリエーションを用意し、11月に発売予定。価格は6,000円前後の予定だ。
また、残念ながら会場展示には間に合わなかったが、Klipsch初というオーバーヘッド型のヘッドフォン「Image ONE」も年内を目処に発売予定だという。海外での価格は149ドルで、日本での価格もそれに準じたものになる予定。40mm径のドライバを搭載し、マイクと3ボタンのリモコンも装備するという。
エントリーモデル「Image S3」も参考展示 | Klipsch初というオーバーヘッド型のヘッドフォン「Image ONE」のイラストと仕様表 |
さらに、3月に設立したばかりというナインウェーブの第1弾製品「NW-STUDIO」もイーフロンティアが取り扱い、11月の下旬から12月の中旬あたりに発売を開始する予定。価格は15,000円前後になるという。
インナーイヤー型のイヤフォンで、最大の特徴はM.I.Labsが開発した特許技術「Pro Control」と、「DUAL Anti-Standing Wave System.」を採用した事。通常のイヤフォンは振動板の前に設置したバッフルに微細孔を設けて、そこから音が鼓膜へと放出されるが、鼓膜からの反射波が戻り、反復し、外耳道内で定在波が発生する。「NW-STUDIO」ではその微細孔を下部のみに開けることで、鼓膜からの反射波の角度を変え、反射波を抑制。定在波を回避している。
さらに、振動板の面積に対して、微細孔の開口面積を約1%に設定することで、強力な空気の機械抵抗で振動板の各種共振も抑制するという。ユニットは13.5mm径。なお、M.I.Labsはソニーの創立者・故井深大氏の意志を継ぎ、健康・医療・福祉の分野に貢献すべく創立されたという会社だという。
ナインウェーブの第1弾製品「NW-STUDIO」 | バッフルの下側にだけ、微細孔が設けられているのがわかる |
■ オルトフォン
オルトフォンのブースでは、発売中のバランスドアーマチュアタイプのカナル型イヤフォン「e-Q7」(29,400円)の下位モデルとなる、「e-Q5」を展示。11月16日発売予定で、価格は20,475円となっている。カラーはシルバー/ブラック/レッドの3色。
より低価格なカナル型イヤフォン「e-Q5」 | シンプルかつ、質感の高いハウジングが特徴 |
シングルユニットのアーマチュアだが、無垢のアルミ材から削り出したアコースティック・チェンバーなどを使い、ワイドレンジで音圧の高い、透明感に優れた音質を実現したという。
パッケージにも特徴があり、円柱型の缶に収納されている。購入後はこの缶をキャリングケースとして使う事も可能。
缶型のケースに収納 | そのままキャリングケースとしても使用できる |
■ ファイナルオーディオデザイン事務所&エフ・アイ・ティ
「heaven s」や「heaven a」などの新モデルを試聴できるファイナルオーディオのブースでは、気になる未発表製品を多数見つける事ができた。
1つは初のポータブルヘッドフォンアンプの試作機。アナログ入力タイプのようで、外観などは今後改良していくという。さらに、購入しやすいエントリーモデルのイヤフォンも見せてもらうことができた。最大の特徴はイヤーピースが“無い”事で、イヤーピース自体が発する不自然な音を排除し、より自然な音が楽しめるモデルだという。
また、同じくシリコンなどのイヤピースを使わない金属ハウジングの新モデルも発見。これらのモデルは今後、順次発表されていきそうだ。
初のポータブルヘッドフォンアンプの試作機 | 試作機であるため、デザインはここから大きく変わっていく模様 | 入力はアナログ |
イヤーピースを使わないイヤフォン | 購入しやすいエントリー価格のモデルになるという | 高級モデルと思われる、金属筐体の試作機も発見した |
(2010年 11月 1日)
[AV Watch編集部 山崎健太郎]