ハーマン、AKGの密閉型ヘッドフォン「K550」12月発売

-実売約29,000円。新開発50mmドライバ採用


AKGの密閉型ヘッドフォン「K550」。カラーはブラックのみ

 ハーマンインターナショナルは、AKGの密閉型ヘッドフォン「K550」を12月上旬に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は29,000円前後。

 密閉型ハウジングを採用したヘッドフォン。最大の特徴は、新開発の50mm口径ドライバーを採用した事。「各帯域の情報量を一切スポイルしないよう、厚みや重量を最適化した」というマイラー素材を使った振動板を採用。さらに、軽量アルミボイスコイルも使っている。

 さらに、ドライバー本体や内部ハウジングの空気の流れを調整するポートを備え、振動板の振幅時に発生する背圧を最適化する「ベンチレーション・システム」を採用。ハウジング内に内部ハウジングを設け、バスレフ・エンクロージャの役割を持つというバス・ポートを用意し、ベンチレーション・システムと併せて、振動板のよりスムーズな振幅を実現するという。

 ハウジングは独自の2D-Axis機構を採用し、平らに折りたたむ事が可能。ヘッドバンドには、ラチェット式調整システムを採用した新設計のアジャスターを採用。ハウジング・ハンガーに金属素材を使い、高級感と耐久性を高めたという。ヘッドパッドとイヤーパッドにはレザー調素材を採用している。


ラチェット式調整システムを採用した新設計のアジャスターを採用2D-Axis機構で、ハウジングを平らに折りたためるハウジング・ハンガーには金属素材を使っている

 ケーブルは高純度OFC(無酸素銅)を採用。入力はステレオミニで、金メッキ仕上げ。標準プラグへの変換コネクタも付属する。

  周波数特性は12Hz~28kHz。感度は94dB/mW。インピーダンスは32Ω。ケーブルを除いた重量は305g。

入力はステレオミニで、金メッキ仕上げ。標準プラグへの変換コネクタも付属する



■試聴してみる

 50mmという大口径ユニットを搭載したヘッドフォンだが、ハウジングも薄く、デザインもシンプルであるため、実際に手にすると、“軽くて薄い”という印象が強い。装着感も良好で、カチカチと各段階でしっかりホールドされるヘッドアーム部のアジャスターで、最適な位置を保持できる。

ハウジングは平らにできるヘッドアーム部のアジャスター
ハウジングは薄いネット部分に左右チャンネルが表記されている

 短時間ではあるが、試聴できたので音質の印象をお伝えしよう。「藤田恵美/camomile Best Audio」から「Best OF My Love」を再生すると、薄いハウジングとは思えないヌケの良い高音と、付帯音が少ない、スッキリとした中音が耳に入る。密閉型だが音の広がる範囲は広く、開放型のような見通しの良さだ。

 中域は不必要に膨らまず、アコースティックギターの細かな弦の音が良く見える。ヴォーカルもリアルで、若干硬質だが、トランジェントが良く、全体的にメリハリのある聴きとりやすいサウンドだ。こうした中域のサッパリした感じや、高域の抜けの良さ、解像度の高さなどは、まさにAKGらしいサウンドで、密閉型でも確固たるポリシーを感じさせる。

 興味深いのが低域。中域と同様に、低域も誇張の少ない、不必要に膨らまないバランスだが、最低音の沈み込むような低域はシッカリ出ている。「Best OF My Love」のアコースティックベースは、「ヴォン」と下まで伸び、適度に締まりがあり、ベースの弦の震えも聴きとりやすい。

 全体のバランスとしては高域寄りで、聴き始めは「低域が弱い」と感じるが、注意深く聴くと、大事なところはシッカリ出ているという印象だ。なお、試聴したモデルは200時間程度のエージングを終えたものだ。

 試聴はプレーヤーにiPhone 4S、アンプにいつものiBasso Audio「D12 Hj」に加え、フォステクスの「HP-P1」も使っている。アンプの傾向としては、「D12 Hj」は低域を量感豊かにドライブするが、「HP-P1」は解像度が高い半面、低域の盛り上がりは少なめで、中高域の解像度の高さを楽しむモデルだ。

左がフォステクスの「HP-P1」iBasso Audio「D12 Hj」

 「K550」との組み合わせでは、中低域に厚みがある「D12 Hj」と相性が良い。逆に「HP-P1」と合わせると、中高域の鮮度の良い微細な描写と、薄めの低域のバランスが悪くなり、中高域にばかり意識が向くハイ上がりなバランスになる。低域に馬力があるアンプやプレーヤーと組み合わせたり、プレーヤーのイコライザで低域をちょっと持ち上げても良いだろう。

 音のクリアさや抜けの良さ、解像度の高さなど、AKGが得意とするサウンドを維持しつつ、低域の深さなど、密閉型の良さも感じさせるモデルだ。デザイン性も高く、軽くて薄いので屋外でも使用できるだろう。


(2011年 12月 1日)

[AV Watch編集部 山崎健太郎]