ソニーとサムスン、液晶子会社S-LCDの合弁解消

-S-LCDはサムスン100%子会社に


 ソニーとサムスン電子は26日、液晶パネル事業について新たな提携関係へ移行するための契約を締結。両社の液晶パネル合弁会社「S-LCD」は、ソニーの持株のすべてをサムスンが取得し、サムスンの100%子会社とする。この株式取得の対価として、約1.08兆ウォンがサムスンからソニーに全額現金で支払われる。

 同時に両社は、サムスン電子からソニーへ供給される液晶パネルの取引に係る戦略的な契約を締結。引き続き液晶パネル分野で技術協力を行なっていくという。

 今回の取引により、ソニーはS-LCDにおける保有株式を現金化するとともに、生産工場の運営責任や費用負担をすることなく、液晶パネルをサムスンから市場価格ベースで、柔軟かつ安定的に調達可能になるとしている。一方のサムスン電子はS-LCDを100%子会社化することで、パネル製造と事業の運営について柔軟性を高め、迅速化、効率化を図るとする。

 S-LCDは、2004年4月に設立され、コスト競争力ある液晶パネル製造と両社への継続的なパネル供給を役割を果たしてきた。しかし、現在液晶パネルおよび液晶テレビ市場には大きな変化が起きており、両社はこの厳しい状況に対応し、それぞれの市場競争力を強化するために、今回の提携関係への移行に合意したとする。

 今回の取引に伴い、ソニーは2011年第3四半期において、ソニー保有のS-LCD株式の再評価により、約660億円の現金支出を伴わない減損損失を計上する見込み。


(2011年 12月 26日)

[AV Watch編集部 臼田勤哉]