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任天堂、「Wii U」を日米欧豪の年末商戦に投入

−ネットワーク戦略本格化。3DSは逆ざや解消へ


「Wii U」のコントローラー

 任天堂は27日、経営方針と第3四半期決算の説明会を開催。その中で、2012年の発売を予定している新しいゲームプラットフォーム「Wii U」について、日米欧豪で2012年の年末商戦に投入する計画を発表した。




■Wii Uを年末商戦に投入

 「Wii U」は6.2型液晶を搭載したコントローラと本体部から構成されるゲーム機で、コントローラは従来のゲーム用操作ボタンに加え、タッチスクリーン操作にも対応。加速度計やジャイロセンサー、振動機能、カメラ、マイク、スピーカーを備え、タッチペンも付属。テレビとコントローラ側、2つの画面を利用したゲームプレイや、Wiiリモコンと新コントローラの組み合わせによるゲームなど、新しい利用方法が提案されている。

 発売に先駆け、6月にアメリカ・ロサンゼルスで開催される「E3」において、「Wii U」の最終形と、詳細仕様を発表予定。「ハード発売のタイミングにおいて、年末商戦を外さないのは定石ですが、同時に、しっかりとシステムを仕上げて、対応ソフトをそろえ、万全の体制で発売を迎えたい。これは、ニンテンドー3DSにおける苦い経験の反省を活かすということでもある」(岩田聡社長)という。

「Wii U」の本体部分

 さらに「Wii U」の新しい情報として、近距離無線通信(Near Field Communication)に対応する事も発表。FeliCa規格や、MIFARE規格と互換性のある非接触の近距離無線通信の規格で、「電子的にデータが読み書きできるカードやフィギュアの実現が可能になり、ゲームにおいて新しい遊びの拡張ができるようになる。システムの対応によって、小額課金の決済手段としても活用できる」(岩田社長)としている。

 さらに、岩田社長はネットワークサービスへの取り組みも説明。ニンテンドー3DS用ゲームソフト「マリオカート7」の中で使われている「ニンテンドーネットワーク」というプラットフォームが、同ゲームに限定したものではなく、「ネットワーク経由のさまざまなサービスをニンテンドーネットワークによって結びつけ、一体のものとして提案していくプラットフォームとすることを目指している」という。このニンテンドーネットワークは3DSだけでなく、Wii Uも対応する。

 ゲームの対戦やユーザー同士の交流だけでなく、将来的にはコンテンツ販売もニンテンドーネットワークで実施。ゲームの追加コンテンツだけでなく、パッケージソフトのダウンロード販売も視野に入れており、そのために個人アカウントシステムも導入予定。スタート時期については「流通との関係に配慮する必要性や、お客様にどのような形で受け入れていただけるのか、そして、SDカードの空き容量など、市場の環境も見極める必要があると」とし、具体的な時期は未定だという。




■3DSの“逆ざや”は来期前半に解消へ

ニンテンドー3DS

 26日に発表された、同社の2012年3月期第3四半期の業績は、売上高が前年同期比31.2%減の5,561億円、営業損失が164億円、経常損失が660億円、純損失が483億円となった。これに伴い、通期の連結業績予想も下方修正。売上高は昨年10月時の7,900億円から、6,600億円に、営業利益は同10億円から450億円のマイナス、経常損失は300億円から950億円、純損失も200億円から650億円と拡大している。

 2011年8月に25,000円から15,000円に値下げした「ニンテンドー3DS」は、ホリデーシーズンに向けて有力タイトルを複数発売した事も手伝い、販売数量が増加。しかし、「Wii」と「ニンテンドーDS」ハードウェア/ソフトウェアの販売数量が減少。為替の影響などもあり、売上高が減少した。

 岩田社長は「3DSの発売後の推移が当初のシナリオ通りにならずに、あるべき普及の軌道に戻すために大幅な値下げをしたこと、今期の前半に有力タイトルがタイムリーに発売できなかったことなどが重なって、ゲームビジネスを始めて以来、最も厳しい業績となる見込み」と説明。

 その中でも、利益を出すための1つの要素として、「今期収益の最大の問題であった3DSハードの採算性について、来期の前半には、ハードの逆ざやを解消するメドは立った」という。また、昨年の年末商戦で普及ペースは世界中で伸びており、その勢いを維持するために、定番タイトルの活性維持と、有力タイトルを定期的に継続投入することもアピールした。



(2012年 1月 27日)

[ AV Watch編集部 山崎健太郎]