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BS11、4月からの新番組編成を発表。アニメも強化

−パナソニックとの3D番組制作など“独自路線”


BS11の目時剛社長(右)、二木啓孝編成局長(左)

 BS11(ビーエスイレブン/ch211)は10日、4月からの新しい番組編成に関する記者発表会を開催した。

 目時剛社長は、会見で「BS11のアイデンティティ」とする2つの方向性を説明。一つは、「報道のBS11」という柱を強固にしていくというもの。BSで唯一という報道局を持ち、'07年の開局当初から放送している報道番組「INsideOUT」は現在22時からの放送だが、4月からは他局の多くもニュースを編成している21時に変更する。

 もう一つは、「独自路線」。開局当初から続けている3D番組は制作能力が評価され、パナソニックらから番組制作を受注した。また、4月中旬には東北新幹線「はやぶさ」の運転席からの3D映像を放送。Blu-rayをリリースするポニーキャニオンとの協力で制作にあたっているなど、今後も独自の番組制作を続けていくことを示した。



■ 3D制作に手応え。映画「グスコーブドリの伝記」参加や、アニメ強化も

取締役編成局長の二木啓孝氏

 4月からの編成の具体的な内容は、取締役編成局長の二木啓孝氏が説明。各時間帯に想定視聴者層を設け、18時台は60〜70代男女に時代劇などの娯楽系を、19時台は40〜70代女性に韓国ドラマなどを、20時台は40〜70代の幅広い男女に紀行/ドキュメンタリー/落語などを、21時台は60〜70代男性向けに報道を、22時台は40〜60代男女にエンターテインメント番組を、23〜24時台は20〜40代男女にバラエティ/趣味/情報系の番組を編成している。

 同社は、2011年秋からマーケティング部を新設。全国の家庭の大まかな生活サイクルで、どのようにテレビが観られているかを調査した。その結果から「生活時間に合わせた『ゾーン編成』の必要性を感じている」と説明。そのうえで、同社の独自性を打ち出すという方針を新しい編成に反映した。

 18時台は、ドラマの名作劇場として、萩原健一が「傷だらけの天使」の柏原寛司の脚本で主演した「豆腐屋直次郎の裏の顔」や、「銭形平次」などを放送。「地上波とは全く違う編成。80〜90年代に面白かったものをもう一回観よう、というもの」(二木氏)だという。

 21時台は報道番組で、他局も同時間帯に報道を編成しているが「ここに敢えて挑戦する」としている。その背景には、特に地方では高齢者にとって22時台は就寝時間に近いことがある。また、「他局がやっているから避ける、というのを脱却する。番組が似てしまってはダメだが、バッティングするなかで、(BS11に)留まってもらえるようにしたい」とした。

 3D番組については、「編集時間がかかり、体力的にも厳しい」としながらも、年にいくつか制作受注があり、開局当初からの取り組みが実を結びつつあることを説明。

 3月11日には、パナソニックの協力で、“世界で一番優雅な列車”とされるインドの「マハラジャエクスプレス」の鉄道旅行にカメラが密着した「Panasonic presents 悠久のインド宮殿列車の旅/マハラジャエクスプレス」を放送。2D版は20〜21時、3D紀行特別版は21〜21時30分。3D版には業務用カメラの「AG-3DA1」と、民生用の「HDC-Z10000」を使用している。ナレーターは森本レオ。

 なお、3月11日までの1週間は毎日、前述の「INsideOUT」において東日本大震災の関連特集を組む予定。当日も6時から特集番組を予定している。

3月11日放送の「Panasonic presents 悠久のインド宮殿列車の旅/マハラジャエクスプレス」

(c)Hajime Ishikawa


7月公開のアニメ映画「グスコーブドリの伝記」

(c)2012「グスコーブドリの伝記」製作委員会/ますむらひろし

 そのほか、新たな取り組みとして7月7日劇場公開のアニメ映画「グスコーブドリの伝記」のメイキングなどで構成する特別番組を4月から全5回に分けて放送。この作品は、宮澤賢治原作で、28年前の「銀河鉄道の夜」と同じ杉井ギサブロー監督と原画・ますむらひろしのタッグで制作。BS11は製作委員会に参加しており、目時社長は「手塚プロに話をいただいたとき、多くの人に見てもらいという考えで参加することにした。今後も、身の丈に合ったレベルから、放送以外にも取り組みたい」と述べた。

 開局時より「ANIME+」枠などで注力しているテレビアニメについても、目時社長は今まで以上にコンテンツを強化していく方針を示している。二木編成局長も「調査を見ても、地上波はテレビを“つけておく”人が多いのに対し、“観に来る人”が多いのがBS。そういった人にとって、アニメは強力なコンテンツ」と重要性を強調した。具体的な放送作品については提供元と調整中だが、今後明らかになる見込み。

 一方、プロ野球については2012年シーズンは放送しないことを決定。これは、前述した想定視聴者層に対して明確な編成を行なうためで、「プロ野球は有力なコンテンツだが、プロ野球の視聴者層は、他の曜日には観にこない。どちらかというと、ゾーニングで視聴者が定着することを優先する」としている。

 また、2011年7月の放送法改正を受けて、他社と同様に通販番組を減らす方針にも言及。「抵抗感を持たれないというレベルの30%に向けて、ステップを踏みながら近づけたい」とした。



■ 目時社長「ようやく芽が出始めている」

目時社長

 BS11は、ビックカメラの子会社である日本BS放送が2007年12月より開局し、今年で4年目を迎えている。

 目時社長は開局当時の3D放送を振り返り「そのころは対応テレビがほとんど無かったが、アメリカでは3D映画が大きく展開し始めていたので、今後BD/DVDが広まると考え、早いうちに制作能力を高めようという想いで始めた。それが花開いたのが、2010年5月の浅草三社祭の17時間生放送で、生の3D放送も行なった。無料の3D放送では初めてといわれたが、それがうまくいった。パナソニックさんの3D対応VIERAが登場したのがほんの1カ月前だったが、親会社のビックカメラの店頭で、かなりの数のVIERAで観ていただいた。けっこう反響もあり、これで3Dコンテンツの製作に自信ができた」と述べた。

 また、手ごたえについて「独立系でBSに参入して、存在感を持つのは大変なことだが、他社の相似形で小さなものにならず、独自路線にウエイトを置いて、何とか芽が出はじめていると感じている。『坂の上の雲』ではないが、“まことに小さなテレビ局が、今、開花の時を迎えている”というのが我々の気持ち。ようやくスタートラインに立てたので、その坂をきっちり上っていきたい」と語った。

 2011年10月からのBSのチャンネル拡大について目時社長は、直接の効果かは分からないとしながらも、「視聴者からの声が増えている。番組内でQRコードを表示して得られる視聴者の反応も、以前に比べて増えた。これは推測だが、完全地デジ化と合わせて、これまで観ていなかった人がチャンネルを合わせていて、プラスの効果があったのではと感じている」と述べた。



(2012年 2月 10日)

[ AV Watch編集部 中林暁]