第1四半期の世界液晶TV出荷台数は、初の前年割れ

-3%減の4,300万台。DisplaySearch調査


 NPD DisplaySearchは20日(米国時間)、全世界のテレビ2012年第1四半期出荷台数を発表。このうち液晶テレビは前年比3%減の4,313万1,000台となり、初めて前年を下回った。

 テレビ全体の出荷台数は前年比8%減の5,122万2,000台で、'09年第2四半期以来の急激な下落となった。減少の大きな要因は液晶テレビの不振で、NPD DisplaySearchは「需要の低迷と、多くのテレビのサプライチェーンに対する慎重な見方がこの下落につながった」と分析。加えて「液晶パネルなど主要部品の価格下落は大きくならないと見込まれる。また、多くのブランドは収益改善に集中して取り組んでいる。この2つのトレンドが、台数減少の要因」との見方を示している。

 液晶テレビの出荷台数は、新興国の需要'11年第4四半期より緩やかに下落を続けているが、テレビの種類別台数シェアでは、前年に比べ4ポイント上昇の84.2%となった。プラズマテレビの急激な下落に伴い、40型以上では液晶テレビの割合が高まっている。プラズマテレビの出荷台数は前年比18%減の298万2,000台で、台数シェアは5.8%。

 大画面への需要は高まる傾向にあり、40型以上の割合は昨年の31%から、37%以上まで上昇。台数ベースでも40型以上は前年比12%増となった。40~44型液晶テレビの平均価格は600ドルで、50型液晶は1,000ドル以下。50型以下のプラズマは、700ドル以下となっている。

 3D対応モデルの割合も、緩やかに増加を続けており、全体の14%以上、薄型テレビの16%に達した。3Dの需要は先進国に比べ新興国の方がやや高く、薄型テレビ全体の16%(先進国は15%)となった。

 ブランド別ではSamsungが首位を維持しており、薄型テレビのシェアは26%。2位はLG Electronicsで、14.6%。3位はソニー(9.4%)、4位はシャープ(6.5%)、5位はパナソニック(6.5%)。

 地域別で最も多いのは中国で、全体の20%を占めている。2番目はインドや韓国、オーストラリアを含むアジア太平洋地域。



(2012年 6月 22日)

[AV Watch編集部 中林暁]