クリプトン、ノートPC用のオーディオボード「AB-HR3」

-独自素材採用。ダイレクト受け型インシュレータも


オーディオボード「AB-HR3」

 クリプトンは、ハイビット・ハイサンプリングデータを再生するオーディオ環境での利用を想定したオーディオ用アクセサリ「クリプトンHR(High Resolution)」シリーズの新製品として、ノートPCを上に乗せる事も想定したオーディオボード「AB-HR3」を9月上旬に発売する。価格は55,650円。

 さらに、プレーヤーなど、AV機器のシャーシを直接受ける「ダイレクト受けタイプ」のインシュレータ「IS-HR50」を9月上旬に発売する。価格は4個セットで39,900円。




■HRオーディオボード

ネオフェード カーボンマトリックス3層材の断面

 2011年から発売している「AB-HR5」(73,500円)の姉妹機で、仕様は同等だが、サイズが小さく、PCオーディオで使っている15インチ程度のノートPCを乗せるにも適したサイズになっている。

 最大の特徴は、三菱ガス化学の「ネオフェード」という素材をベースに、クリプトンと三菱ガス化学がオーディオ用素材として共同開発した「ネオフェード カーボンマトリックス3層材」を使っている事。

 ネオフェードは構造体の共振を抑え、振動エネルギーを効率良く吸収して熱エネルギーに変える効果がある。これを、2枚のCFRP(カーボン繊維強化プラスチック)の板で上下から挟んで3層構造としたもの。振動を素早く減衰させるだけでなく、あくまで自然に減衰させられるという。


オーディオボード「AB-HR3」PCをボードに乗せたところ

 オーディオボードは、この「ネオフェード カーボンマトリックス3層材」を使ったボードと、MDFを組み合わせて構成。3層材の表面にあるカーボン素材により、振動の音速を早め、表面波(横波)を高速に伝播し、そのエネルギーをネオフェードで熱交換し、振動を吸収させる。

 また、振動対策だけでなく、表面のカーボンクロス・マトリックス材には電磁シールド効果もあるため、パソコンなどのデジタルノイズの大きい機器を乗せる事で、電磁アース効果により、ノイズを低減できるという。

 ボード本体部分には、安定した強度を持つ針葉樹系のMDFを採用。額縁部分には本木のホワイトアッシュ材を使っており、適度な硬さと重さ、耐久性を持っているという。ホワイトアッシュは黒色ポリウレタン塗装で仕上げ、ネオフェードのカーボンマトリックスボードとのデザインマッチを追求している。

 外形寸法は394×274×27mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は約2kg。耐荷重は100kg。



■HRインシュレータ

 インシュレータは、オーディオ機器に標準に備わっている足の下に入れるものが多いが、「IS-HR50」は標準足からズラして、シャーシを直接支えるように作られたインシュレータ。そのため、通常のインシュレータよりも高さのある形状になっている。

 特徴は、前述のオーディオボードと同じ「ネオフェード カーボンマトリックス3層材」をインシュレータにも使っている事。オーディオボードと同様に、カーボン素材により振動の音速を速め、表面波として高速に伝播し、そのエネルギーをネオフェードで熱交換し、吸収させる。

 さらに、インシュレータの上下に特殊シリコンゴム素材をOリング形状で埋め込んでおり、滑り止め効果を持たせている。本体はステンレス製。

インシュレータ「IS-HR50」通常のインシュレータよりも背が高い黒い部分がネオフェード カーボンマトリックス3層材
右が実際にインシュレータを使ったところ
既発売の平型タイプ「IS-HR5」も、型番や価格はそのままに仕様が若干変更。裏側にスパイク受けが設けられる

 同じ仕様を持った、平型のインシュレータ「IS-HR5」(29,400円)のバリエーションモデルと位置付けられており、「ダイレクト受けタイプ」を求めるユーザーの要望に応えて開発された。サイズは37×30mm(直径×高さ)、重量は230g。

 なお、既発売の平型タイプ「IS-HR5」も、型番や価格はそのままだが、今後の出荷分で仕様変更され、裏面にスパイク受け用の穴が設けられるようになる。



(2012年 8月 22日)

[AV Watch編集部 山崎健太郎]