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船井、フィリップスからオーディオ/ビデオ事業を取得

新会社設立。PHILIPSブランドは継続

 船井電機は29日、オランダ・Royal Philips Electronics(フィリップス)から、オーディオ/ビデオ機器などを手掛ける「ライフスタイル・エンターテイメント事業」を取得すると発表した。なお、PHILIPSブランドは継続するという。

 同事業を承継する会社の全株式を、船井電機がフィリップスから取得することに合意。取得価額は180億8,000万円で、内訳は新設会社の株式が172億5,000万円、アドバイザリー費用等が8億3,000万円。株式引渡期日は2013年中を予定している。

 ライフスタイル・エンターテイメント事業は、ヘッドフォンやメディアプレーヤーといったオーディオ/ビデオ製品や、電話機、電池などのホームコミュニケーション製品、電池/ケーブルなどのアクセサリ製品について開発・設計、販売と一部製造を行なっている。なお、ライフスタイル・エンターテイメント事業のうち、汎用リモート・コントロール機器に関する事業は取得の対象となっていない。また、対象事業のうちビデオ関連機器については、2017年の承継を予定している。該当製品の詳細は後述する。

 船井電機は2008年9月に、米国/カナダにおけるPHILIPSブランドの民生用テレビ供給、配送、マーケティング、販売活動を担うブランドライセンス契約を締結。2012年7月にはフィリップスが設計/開発した対象事業の製品を米国、カナダ、メキシコにて販売する契約を締結している。

 船井電機は、「既存事業の拡大・強化」、「新規市場への展開」、「新規事業分野への展開」を成長戦略の3つの柱と位置付けており、企業提携やM&Aについても模索してきたという。フィリップスから事業を承継することで、取扱製品群の拡充と、欧州先進国だけでなくアジアや南米などの新興国を含めた販売地域の拡大を見込む。

 フィリップスは、2013年度上半期に対象事業を承継・統括させる法人として新会社を設立(資本金や代表者、所在地などは未定)すると同時に、その傘下に各地域において対象事業を行なう現地法人などの拠点を設立。その拠点が、現在フィリップス傘下で行なっている対象事業の機能を承継する。船井電機は、前述の株式引渡期日に新設会社の株式を取得することによって、対象事業を傘下に収める予定。

 船井電機とフィリップスは、新設会社においてPHILIPSブランドを継続的に使用することを目的とし、契約期間を5年半とする商標使用に関するライセンス契約を締結する予定。これに基づき、船井電機はフィリップスに対して一定料率のライセンス料を支払う。

船井電機が承継する事業/製品

製品ジャンル主な製品
オーディオ/ビデオ/マルチメディア製品ホームオーディオ機器、ヘッドフォン、スピーカー、車載オーディオ、ビデオ関連機器、
ポータブルオーディオ、ポータブルビデオプレーヤー、ホームメディアプレーヤーなど
ホームコミュニケーション製品DECT方式コードレス電話機
アクセサリー製品電池、ケーブル類、メディア・ストレージ、OA タップ、
携帯電話向けポータブル充電器、テレビアンテナなど

(中林暁)