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Philips、船井電機へのAV事業売却を破棄

船井は「契約の内容に従って対処」

 オランダRoyal Philips Electronics(フィリップス)は25日(現地時間)、船井電機との間で1月に合意したオーディオ/ビデオ機器などを手掛ける「ライフスタイル・エンターテイメント事業」の売却について、船井に契約不履行があり、株式譲渡契約を解除すると通知し、船井に対し損害賠償を請求するために法的措置を取ることを発表した。

 契約では、フィリップスのライフスタイル・エンターテイメント事業を承継する会社の全株式を、船井電機がフィリップスから取得することで合意、株式引渡期日は2013年中を予定していた。同事業は、ヘッドフォンやメディアプレーヤーといったオーディオ/ビデオ製品や、電話機、電池などのホームコミュニケーション製品、電池/ケーブルなどのアクセサリ製品について開発・設計、販売と一部製造を行なっている。また、対象事業のうちビデオ関連機器については、2017年の承継を予定していた。

 しかしPhilipsの主張では、第2四半期中に移管の準備を終えていたものの「船井が事業の完全移管に向けて必要なステップを踏まなかった」とする。そのため、国際仲裁裁判所に1月の合意の破棄を求め提訴することとした。

 一方船井電機は、「25日にフィリップスから、当社に契約不履行があり、株式譲渡契約を解除し、当社に対し損害賠償を請求するために国際仲裁裁判所に仲裁を申し立てる旨の通知を受け取っている。しかし、当社に契約不履行はなく、今後とも、当社は当該契約を尊重し、当該契約の内容に従って対処する予定」としている。また、現在船井電機とフィリップスが締結している北米、メキシコにおける既存の契約に影響を与えるものではないとする。

(臼田勤哉)