ニュース
【CP+2013】モニタ付き低価格アクションカメラなど
電動ガンにカメラを設置。“エヴァ”コラボカメラも
(2013/1/31 21:02)
国内最大級の写真映像関連イベント「CP+2013」がパシフィコ横浜で開幕した。会期は1月31日~2月3日まで。入場料は1,000円、Web事前登録者、障害者手帳持参者、小学生以下は無料。ここでは、スポーツの様子を撮影できるアクションカメラ関連の新製品や、フルHD動画撮影対応デジタルカメラの注目モデルをレポートする。
ソニー、アクションカメラ用の新マウントを参考展示
昨年「HDR-AS15」を投入し、アクションカメラ市場に参入したソニー。既に、自転車のハンドルに取り付けるマウントや、頭部に取り付けるマウントなど、各スポーツに合わせたマウントを周辺機器として販売しているが、新たなマウントバリエーションを参考展示している。いずれも発売時期や価格は未定。
「ドッグハーネス」は、犬の背中にカメラを固定するためのもの。 前足から装着して、背中にカメラを取り付ける形になる。「ロールバーマウント」は、クルマや自転車のフレームなど、様々な棒状の部分に取り付けるためのもの。他にも、「サーフボードマウント」、腕に取り付けてスノーボードなどをする「リストマウントストラップ」なども参考展示された。
また、「HDR-AS15」は標準で防水ケースが付属し、そのケースに三脚穴がついているため、三脚などに固定する際には、濡れる心配がない環境でも必ず防水ケースに入れる必要があった。それを回避するための周辺機器として、「スケルトンフレーム」も試作中。レンズ部分を覆わないケースのようになっており、側面や底面に三脚穴を備えているのが特徴。
さらにマウントとは異なるが「フロート」も展示。これはカメラに取り付けておくことで、万が一、海や川などでカメラが外れてしまった際でも、カメラが水面に浮き上がるようにする“浮き輪”のような役割を果たすという。
ケンコー・トキナーもアクションカメラを投入
ケンコー・トキナーブースには、2月~3月に発売を予定しているというアクションカメラ「MagiCam SD19」を参考展示した。1/2.5型、有効503万画素のCMOSを搭載し、約130度の単焦点レンズを搭載。MPEG-4 AVC/H.264のMOV形式で、1,920×1,080/30p、1,280×960/30p、1,280×720/60p、1,280×720/30p、848×480/60pの撮影モードを用意。音声はWAV収録。300万画素、500万画素の静止画撮影も可能。
カメラ本体と、水深60mまで対応できる防水ケース、遠隔操作が可能なリモコン、カメラの背面に接続できる1.5型の液晶モニタ、リチウムイオン充電池、アングルを変更できるスタンド、各種アタッチメントを全てセットにした「スタンダードパッケージ」を用意し、価格はオープンプライスで、店頭予想価格は26,000円前後。液晶モニタなどをセットにしつつも、価格を抑えているのが特徴となる。
このセットに、バイク用のマウントや、サーフィン用マウント、ヘルメット用マウントなどを追加したパッケージもそれぞれ用意。スタンダードパッケージと比べ、それぞれ1,000円程度アップする見込み。
液晶モニタはアングルの確認だけでなく、撮影した動画の表示も可能。リモコンは約15m離れた場所からでもカメラの制御ができる。なお、他社のアクションカメラに多い、スマートフォンなどとワイヤレス連携する機能は備えていない。
内蔵メモリは40MB、microSD/SDHCカードスロットを備え、32GBまでのカードが利用可能。USB端子やHDMI出力にも対応する。外形寸法は約59×48×42mm。重量は、カメラのみで約73g、モニタや充電池、メモリーカードを追加すると約119g。
多彩な取り付けをサポートするマウントパーツメーカー
アンデックス・ユウは、直販サイトやAmazonなどを通じて、アクションカメラ用の各種マウントを販売しているメーカー。ヘルメットや自転車の各部など、取り付け部分や、組み合わせるカメラに合わせ、膨大な量のマウントをラインナップしている。
例えば自転車の場合、ハンドル部分に前向きにカメラを取り付けるだけでなく、運転している自分の顔を撮影するためのマウントや、流れる地面を撮影するために地面に向けて固定するマウント、ペダルを回す自分のサイクリングフォームが確認できるように後部に取り付けるカメラ用マウント、サドルの下部に後ろ向きに設置して、後続の自転車仲間を撮影するマウントなど、アイデアに富んだマウントが用意されている。価格は2,000円~5,000円程度が多く、詳細は同社の直販サイトを参照のこと。
販売が開始されたばかりの、オススメモデルとしてアピールしていたのが、ロードバイクのユーザーに人気があるGARMINのサイクルコンピューター「Edge」シリーズを、ハンドルバーに取り付けるマウント。このマウントの下部に、さらにマウントを組み合わせることで、GoProのカメラを取り付けられるようになっている。これにより、ハンドルバーのスペースを圧迫せずに2つのデバイスを装着できる。カメラではなく、ライト(前照灯)を取り付ける事もできるという。
一風変わったマウントとしては、電動ガンなどにカメラを取り付けるためのマウントパーツ試作機も展示。3,000円程度での販売が予定されている。電動ガンには、実銃のそれと同じように、スコープやレーザーサイトなど、その任務に必要な装備を選択して取り付けるためのマウントが備わっているモデルがある。そのマウントに対応したもので、サバイバルゲームなどで戦う自分の視点を、アクション映画やFPS(ファーストパーソン・シューティング)ゲームのような映像として収録できる。
ペンタックスリコーイメージング
ペンタックスリコーのブースで一際注目を集めているのは、4月に各1,500セット限定で発売される「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」とのコラボデジカメ。「PENTAX Q10 エヴァンゲリオンモデル」で、価格はオープンプライス。店頭予想価格は59,800円前後。
昨年10月に発売されたデジタル一眼カメラ「PENTAX Q10」をベースに、エヴァンゲリオンの主要キャラクターをイメージしたオリジナルのカラーリングが施されている。ブースでは、アスカとレイのフィギュアも登場。彼女たちが、それぞれをイメージしたカメラを下げているほか、映画の予告篇も楽しめるようになっている。
参考出品は、2013 International CESで発表され、海外で2月頃の発売を予定しているレンズ一体型デジタルカメラ「MX-1」。海外では499.95ドルで発売予定だが、日本での発売は決定していない。
主なスペックとして、有効1,200万画素の1/1.7型裏面照射型CMOSセンサーを搭載。35mm換算で28~112mm相当のF1.8~2.5レンズを装備。チルト式の3型92万画素液晶モニタを備え、フルHDの動画撮影も可能にしている。
クラシカルな雰囲気のデザインを最大の特徴としており、ロゴも時代を感じさせるフォントを採用。また、筐体の上下カバーには真鍮を採用。手にすると適度な重さを感じ、高級感のあるカメラに仕上がっている。
会場展示では、使い込んだ状態のイメージとして、角の塗装がすり減り、地金が見えている状態のモデルも展示。新機種が投入されるサイクルがめまぐるしいデジタルカメラでありながら、使い込むほど味が出て、長く付き合える風格を持たせる事をテーマに開発されたという。ただし、日本での発売は未定で、イベント来場者からの意見も集めて、今後の展開を検討するという。
参考展示では、360度の撮影が可能で、スマートフォンなどと連携できる試作機が登場。撮影後に、スマートフォンで画像を表示。ピンチイン/アウトなどで、好きな場所にズームしたり、引いていって全体を見るといった使い方が可能。画素数やカメラの価格は未定。
アプリ関係。スマートフォンやタブレットと連携も
ソニーブースでは、ミラーレス一眼カメラ「NEX-6」と「NEX-5R」向けに展開している、アプリ形式でカメラの撮影機能を追加ダウンロードできる「PlayMemories Camera Apps」を紹介。その中で、新たに「モーションショット」と「ライトシャフト」の2アプリを、今春に投入すると予告している。価格は有料になる見込み。
「モーションショット」は多重露光を簡単に行なうもので、ジャンプした人間の空中での軌跡など、被写体の動きを1枚の画像に記録できるもの。「ライトシャフト」は、木漏れ日など、光が差し込んでいるような写真に適用し、光源と範囲を指定する事で、思い通りの光線を表現できるという。
キヤノンブースで多くの人が集まっているのは「PowerShot N」。TwitterやFacebookなどとの連携に特化した、新しいコンセプトのデジタルカメラ。筐体の特徴として、グリップ部分が無いスクエア形状となっており、シャッターボタンも無い。レンズの根元に、ズームリングと共に、シャッター用のリングを備え、リングを上下に動かす事で撮影できる。90度に開くモニタと組み合わせ、自由なアングルでの撮影を可能にしている。
また、シャッターを押すと、カメラが自動で色や光を調整、さらに構図も決めて切り出しを行ない、異なるテイストの5枚の写真を別に保存してくれる「クリエイティブショット」機能も用意。SNSで注目されやすい、オシャレで個性的な写真を手軽に撮影できる事をアピールしている。
また、撮影した画像をスマートフォンに伝送するために、無線LAN機能も搭載。「ワンタッチスマホボタン」を押せば、事前に設定しスマホなどの接続先と連携。アプリ「CameraWindow」(iOS版は2月下旬公開予定/Android版はリリース済み)を起動するだけの2ステップで、カメラとスマホが接続。撮影画像(一度に50枚まで)や動画(合計2分まで)を無線転送でき、SNSでシェアできる。
その他
オリンパスブースでは、「OLYMPUS PEN E-P3」の後継モデルを、2013年内に発売予定と発表された。カメラも展示されたが、ショーケース内で青い布に隠された状態で、詳細は不明。
ソニーブースでは、今年のCESでも参考展示された、フルHD動画撮影対応の双眼鏡を参考展示。2D動画だけでなく、2基のCMOSセンサー搭載を活かし、3D動画撮影にも対応。新機種では防水/防滴になり、約30%の小型化、軽量化を実現。ビューファインダも有機ELになっている。
富士フイルムブースのメインは、2月16日発売のコンパクトデジタルカメラ2機種。APS-Cサイズのセンサーを搭載した「X100S」と、2/3型センサー搭載で、光学ズームファインダーを備えた「X20」を用意。価格はどちらもオープンプライス。店頭予想価格は「X100S」が13万円前後、「X20」が7万円前後となる。
「X100S」は、2011年3月に発売された「X100」の後継モデル。新開発のセンサーやプロセッサを搭載するほか、ハイブリッドビューファインダーも進化させている。レンズは開放F値がF2、35mm換算で約35mm相当の単焦点。「X20」は、2/3型「X-Trans CMOSII」センサーを搭載したコンパクトデジカメで、「X10」の後継機種。
ハッセルブラッドのブースでは、「ルナ(Lunar)」と名付けられた、Eマウント採用のミラーレス一眼を参考展示。APS-Cサイズ、約2,430万画素のセンサーを備え、有機ELビューファインダーを採用。フルHDで60p/24pの撮影もできる。
ソニーブースでは、業務用のビデオカメラも展示。4Kスーパー35㎜のCMOSセンサーを搭載したCineAlta 4Kカメラ「PMW-F55」や、Eマウントを採用したレンズ交換式の「NEX-FS700J」と、同モデルで4K記録を行なうためのインターフェイスユニット「HXR-IFR5」を展示。
さらに、ソニーが新たに開発し、4KからHDまでの記録に対応できる「XAVC」フォーマットに対応した民生用ビデオカメラも参考展示。年内の発売が予定されている。