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VUZIX、Android搭載ヘッドマウントディスプレイ
499ドルで販売予定。1080pカメラや無線LAN内蔵
(2013/2/20 14:41)
VUZIXは20日、Android OSを採用したヘッドマウントディスプレイ(HMD)「M100 スマートグラス」を発表した。HMD単体での具体的な発売時期や価格は未定だが、米国では499ドル程度での販売を予定。国内では現在、この製品を活用するためのアプリ開発者や企業向けに、SDK(ソフトウェア開発キット)の先行提供を開始している。詳細は後述する。
WQVGA(428×240ドット)の液晶パネルを採用した単眼タイプのヘッドマウントディスプレイ。約35cm先に4型相当のディスプレイが表示されるイメージで、ユーザーの視界を全て覆うのではなく、外の景色を見ながら、時折ディスプレイの表示を確認するといった用途に向いた製品となる。アスペクト比は16:9、視野角は16度。輝度は2,000nits以下。左右どちらの目でも使用できる。
最大の特徴は、HMD自体にCPUのOMAP 4とグラフィックエンジン、4GBメモリ、microSDカードスロット(最大8GBまで対応)、バッテリを搭載。OSにAndroid 4.01を採用し、HMDのみでAndroidの画面を表示できる事。
さらに、パネルを搭載した先端部分の外側に、1080pの動画/静止画撮影対応のカメラも搭載。ヘッドトラッキングや電子コンパス、GPSといったセンサー、Bluetooth、無線LAN(IEEE 802.11b/g/n)、イヤフォンとマイクも内蔵している。
これらの機能を使い、例えばショップの店員が装着して、製品のバーコードをカメラで認識。その製品の在庫情報を店舗のデータベースにアクセスして確認。店舗の裏に戻らず、その場でお客さんに在庫状況を伝えるといった事が可能になる。
コンシューマ的な使い方としては、Twitterのタイムラインを表示したり、マイクも内蔵しているため、Skypeなどの音声通話アプリで利用したり、ネット中継に利用するといった活用も想定されている。
HMD自体に搭載したボタンで、イヤフォンの音量増減とメニュー選択、決定は可能だが、カメラで自分の手の動きを使ったジェスチャーコマンドを認識させたり、音声認識機能を使い、HMD自体に触れずに、手を横に振る動作で表示情報を切り替えるといったアプリも実現できるという。
また、内蔵したBluetoothや無線LANを使い、スマートフォンやタブレットとも連携可能。スマートフォンで再生した映像を無線LAN経由でHMDに送って表示したり、無線LAN対応カメラでとらえている映像を、離れた場所のHMDから確認しつつ、シャッターを切る操作もHMDから行なうといった事も技術的には可能。
なお、こうしたアプリが標準で用意されているわけではなく、現在ではアプリ開発者や、アプリとHMDをセットにして新しいサービスの提供を予定している企業などに向け、SDKとのセット販売を開始している段階。表示解像度が428×240ドットであるため、通常のスマートフォンやタブレット向けアプリがそのままでは上手く動作しない場合が多く、SDKにはM100用のエミュレータなども含まれているという。
M100自体は開発中であり、SDKセット購入者には先行してSDKを提供。後日試作機が届けられる予定で、量産試作が梅雨頃、量産サンプルが夏頃の予定。そのため、VUZIX自身がコンシューマ向けにHMDを単体販売する予定もあるが、メーカーから独自のカスタマイズなどを行なったHDMとして、サービスなどと絡めて販売される可能性もある。米国でのHMD単体での価格は499ドルが予定されている。
なお、SDKセットでの販売価格はSilver Packageが99,800円、Gold Packageが735,000円(世界100台限定)。提供されるハードウェアやサービスは以下の様な違いがある。
内容 | Silver | Gold |
M100用開発者キット | ○ | ○ |
カスタムプロトタイプユニットM100 | - | 1台 |
量産試作ユニットM100 | 1台 | 1台 |
SDKのアップデートリリース | ○ | ○ |
SDKのアップデートリリース(β版) | - | ○ |
開発者フォーラムでのテクニカルサポート(英語) | ○ | ○ |
優先的に電子メールでのテクニカルサポート | - | ○ |
量産サンプルユニットM100 | - | 2台 |
量産商品の事前受注 | ○ | ○ |
M100開発登録者有効期間 | 1年 | 1年 |