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シャープ、鴻海からの出資見送りを発表。「他の資金調達も視野に」

 シャープは26日、鴻海グループからの出資が見送られることを発表した。シャープでは関係当局の許認可が得られなかったことなどを理由に挙げている。

 同社は2012年3月に鴻海グループとの資本業務提携を発表。鴻海精密工業ら鴻海グループ4社を割当先とした約665億円規模の第三者割当増資により、鴻海グループがシャープ株式の約9.9%を取得予定だった。関係当局の許可が得られなかったことが理由としているが、シャープ幹部は、シャープ株価の低迷による条件再交渉などがあったことも認めている。

 この増資で調達する資金の使途とされていた「モバイル関連の液晶製造設備増強、合理化、液晶ディスプレイの新技術導入に係る投資」については、払込が行なわれなかったことから、投資規模や時期などを見なおすとともに、「他の資金調達も視野に入れつつ、引き続き実施していく」としている。

 なお、払込が行なわれなかったものの、「(鴻海との)資本業務提携には影響を及ぼさない」としており、主に堺ディスプレイプロダクト(SDP)を両社の共同運営として、SDPが生産する液晶パネルを両社で引き取ることで、「操業の安定化とコスト競争力を高めているなど、提携は一定の成果を上げている」と説明している。

(臼田勤哉)