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シャープ、4K対応の最上位AQUOS UD1。実売65万円〜

60型と70型。4Kモスアイパネルで大画面/高精細を加速

LC-70UD1

 シャープは21日、解像度3,840×2,160ドット/4Kモスアイパネルを採用した液晶テレビ「AQUOS UD1シリーズ」2機種を6月15日より順次発売する。70型の「LC-70UD1」は6月15日、60型の「LC-60UD1」は8月10日に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は70型が85万円前後、60型が65万円前後。

 AQUOSブランドで初の4K対応モデルで、独自のモスアイパネルを4K対応として、映り込みを抑えた高画質な映像表示を可能としたほか、新開発の映像エンジンにより高品位に4Kにアップコンバート。AQOUS UD1の名称は、高精細を表す「UD(ultra Definition)」由来で、ブランド名でも高精細をアピールしている。

 同社では2月にアイキューブド研究所と共同で開発した、60型/解像度3,840×2,160ドットのICC 4K 液晶テレビ「ICC PURIOS(ピュリオス)」を発表。受注生産で262万5,000円で発売しているが、今回発表したAQUOS UD1シリーズは、「(PURIOSは)ホームシアター向けのプレミアムブランド。AQUOS UD1シリーズは、より多くの人に楽しんでいただけるリビング向けの製品。“AQUOSブランド”の最上位機種として展開する」(デジタル情報家電事業本部 液晶デジタルシステム第一事業部 戸祭事業部長)という。

AQUOS UD1
シリーズ
ICC PURIOS
サイズ 60型
70型
60型
モスアイ -
ICC技術 -
3D
メガネ別売
-
価格 実売65万円(60型)
実売85万円(70型)
262万5,000円
LC-70UD1
THX 4Kディスプレイ規格も取得
AQUOS UD1シリーズ

4Kモスアイパネルで大画面/高精細の魅力を訴求

4Kモスアイパネルを採用

 解像度3,840×2,160ドットの4Kモスアイパネルを採用した液晶テレビ。バックライトはエッジ型のLEDで、テレビコントラストは1,000万:1、視野角は上下176度、左右176度。120Hzの倍速駆動パネルとなっている。なお、シャープ独自の4原色クアトロンパネルではなく、3原色のパネルを採用。パネルの製造は堺工場。

 液晶パネルは、外光や照明などの反射を大幅に抑えるモスアイパネルを採用。モスアイ技術は、'12年発売の「AQUOS XL9シリーズ」で初採用していたが、新たに4K解像度に対応。映り込みを抑えることで、高精細な4Kコンテンツの微妙な明暗までをくっきりと再現できるとする。また、輝度ムラを抑える光学制御技術を搭載し、画面の明るさを均一に保ち、忠実な階調表現や臨場感の向上を実現する。

4Kモスアイパネルにより映り込みを低減
モスアイ(左)と通常のパネル(右)の映り込み比較

 コントラストを上げるためのバックライトエリア駆動技術は搭載していない。同社のテレビの画作りをICC PURIOSの開発を契機に変更し、コントラストの値を追うのではなく、画面の均一な明るさやムラの無さにこだわっているという。

2Kでは画面に近づくと画素が粗く見えてしまう
4Kでは斜め線などもキレイに確認できる
THX 4Kディスプレイ規格に準拠

 米THXによる「THX 4Kディスプレイ規格」も70型の「LC-70UD1」で取得。エッジ型のLEDバックライトでは取得が難しいとされていたが、400を超えるTHXのテスト項目をクリアしたという。60型についても、今後THX 4Kディスプレイ申請予定としている。THXに準ずる画質モードは「THX映画」という名称で用意される。

 映像エンジンも新開発し、入力されたフルHD信号を4Kにアップコンバートする「AQUOS 4K-Master Engine PRO」を搭載。PURIOSのようなICC技術は搭載しないものの、シャープの持つアップスケーリング技術やLSIの機能を活用。入力信号をリアルタイムに分析し、映像のディテールを適切に復元し、地デジやBlu-rayの映像も4Kの臨場感ある映像で表示するという。

 3Dにも対応。フレームシーケンシャル方式の3D対応で、アクティブシャッター方式の3Dメガネ「AN-3DG20-B」は別売。

THX 4Kディスプレイの認定証
THX 4Kディスプレイの概要
画質モード(AVポジション)

4Kは30Hzまで。フォトフレームを訴求

 なお、外部入力としてHDMI×4を装備。4K(3,840×2,160ドット)映像は、24/25/30Hzまで対応するが、60Hzの4K映像には対応しない。これは採用しているHDMI(バージョン1.4)の制限によるもので、「次世代HDMIについては規格が固まっていないので、次期モデルなどでの対応を見込んでいる」とした。AQUOS UDシリーズでのアップグレード対応なども予定していないという。

4Kの解像度を活かしたフォトフレーム展開を訴求

 30pまでの4K映像の外部入力に対応するほか、写真の対応を強化。4Kの解像度を活かせるコンテンツとしてデジタルカメラ写真をアピールしていく方針。フルHDでは見えなかったディテールが大画面で確認できるため、本体にSDメモリーカードスロットを装備する他、400MBのメモリも内蔵。SDカード内の気に入った写真などをテレビのメモリにコピーして、スライドショーなどを楽しめる。

 また、4K写真を13枚プリインストール。ゲッティイメージズとシャープが共同で選定した写真と絵画データ(3枚)をメモリに内蔵。また、リモコンに「スライドショー」ボタンを装備し、フォトフレーム機能を簡単に開始できるほか、BGM(MP3/AAC/WAV/WMA)同時再生にも対応するなどで、「4Kフォトフレーム」としての利用を訴求している。

かんたん4KフォトフレームとしてAQUOS UD1シリーズを訴求

新スピーカーシステムで音質も強化

AQUOS UD1シリーズのスピーカーシステム

 スピーカーはアンダースピーカー型で、2.1chフロントサラウンド音声システムを搭載。2cm径のツィータと、3×15cmミッドレンジ、4×7cmウーファから構成された10W×2ch+15Wの2.1chシステム。ミッドレンジとツィータは前向きに配置し、聞きやすさに配慮したほか、テレビ本体とは独立したボックス構造を採用。低音は、2つのウーファを向かい合わせに配置することで共振を抑えた「DuoBass」により、パワフルな低音再生を実現する。

スピーカーシステムの概要
DuoBassを背面に搭載

 チューナは地上デジタル×3、BS/110度CSデジタル×2で、別売USB HDDへの2番組同時録画に対応する。USB HDD内のコンテンツを家庭内で配信できるDLNAサーバー機能やIEEE 802.11a/b/g/n対応の無線LANも搭載。スマートフォンと連携して映像コンテンツを楽しめる。操作メニューはテレビとネット情報を一覧表示できる「ビジュアルモーションガイド」。

 SDカードスロット(SDHC対応)のほか、USB×3を装備。SDカードやUSBメモリ内のMP3、WAV、WMA、AAC音楽再生に対応する。HDMI×4のほか、D5入力×1、コンポジット映像入力×1、アナログRGB(D-Sub15ピン)入力×1、アナログ音声入力×1、光デジタル音声出力×1、ヘッドフォン出力×1を装備。

 70型の消費電力は405W(待機時0.18W)、年間消費電力量は310kWh/年。外形寸法は157.8×38.3×99.6cm(幅×奥行き×高さ)、重量は約55kg。60型の消費電力や外形寸法、重量などは未定となっている。

AQUOS UD1+ICC PURIOSで、4Kテレビの2〜3割を狙う

デジタル情報家電事業本部 液晶デジタルシステム第一事業部 戸祭事業部長

 シャープ デジタル情報家電事業本部 液晶デジタルシステム第一事業部の戸祭正信 事業部長は、薄型テレビ市場について、「2012年で底打ちした」と予測。'13年以降は大型、高精細化を軸に堅調な拡大を見込んでいるという。

 戸祭氏は、大画面テレビの普及のための課題として、大画面になるほど目立つ「画素の粗さ」、外光反射などの「映り込み」、「設置スペース」の3つを紹介。それぞれの課題をクリアした製品として、AQUOS UD1シリーズを紹介した。

大画面テレビの構成比は拡大中
大画面テレビ拡大の3要素

 画素の粗さについては、フルHDの4倍となる4K解像度により精細度を向上。近づいても画素が見えず、より臨場感ある映像を楽しめることを訴求。映り込みについては、モスアイパネルの採用により、外光や人の像が画面に反射してしまう問題を抑えている。

 一方、設置スペースについても、新開発のアンダースピーカーの採用で小型化を図ったことで、同社の2005年の57型液晶テレビとほぼ同サイズで、70型を実現できることを紹介。こうしたユーザーの買い替えを促すことで、大画面/高精細テレビの魅力をアピールしていく。

2ブランドで4K展開

 4Kテレビの市場拡大については、2013年を皮切りに'16年まで大幅に拡大するとの予測を紹介。シアター用プレミアムモデル「ICC PURIOS」とともに、AUOQSブランドの最上位として「AQUOS UD1」を展開し、「2つのブランドで、超高精細テレビ新市場を提案する」とした。

 当初月産台数は60型、70型の合計で2,000台。'13年度の4Kテレビの国内販売については、「市場は約5万台と見ている。その中の2〜3割を取って行きたい」と説明。つまり10,000〜15,000台程度の販売を見込んでいる。ICC PURIOSとAQUOS UDの構成比は明らかにしていない。

 戸祭事業部長は、「これからの大画面テレビでは、4Kが中心になってくる。テレビ市場で挽回していくなかで、(AQOUS UD1シリーズは)中心的な役割を担う製品」と意気込みを語った。

(臼田勤哉)