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タイムロード、555台限定で49万3,500円のハイエンドヘッドフォン「Edition 5」

Edition 5

 タイムロードは26日、同日開幕した「秋のヘッドフォン祭 2013」の中で発表会を開催。ULTRASONEのeditionシリーズ最新・最上位モデル「Edition 5」を発表した。12月中旬発売予定で、価格は49万3,500円。世界で555個の限定販売となる。

 今から10年前にULTRASONEはハイエンドヘッドフォン「edition7」を999台限定で発売。当時、同社の知名度はそれほど高くなかったが、生産が終了する頃には音質面で高い評価を獲得し、完売。特に日本で支持され、最終ロットはほぼ全て日本向けに出荷されたという。その後、再販の要望が高まり、日本からの声で「edition9」が誕生。それからも製品を拡充、そして10年の節目に、アニバーサリーモデルとして「Edition 5」が発売される。

 大きな特徴はハウジングに木材を使っている事。「開発に2年ほどかかったモデルで、木のハウジングのヘッドフォンを作りたいという想いから生まれたモデル」(COO Michael M. Zirkel氏)だという。ハウジングに使われているのはオーク(樫)だが、通常のオークではなく、沼地などに倒れ、650年~8500年が経過した“埋れ木”を使用している。これを乾かす事で、極めて軽量で、剛性の高いハウジングの素材になると言う。

ハウジングにはオークの埋れ木を使っている

 そのため、見た目は重厚だが、Edition 5の重量は280g(ケーブル含まず)と、これまでのEditionシリーズで最も軽量になっている。ただし、埋れ木の数が少なく、見つけるのも容易ではないため、数が作れず、限定生産となる。

 イヤカップ・リングはブラッククローム蒸着仕様。ヘッドバンドはフルメタル製。イヤーパッドにはエチオピアン・シープスキン・レザーを使っている。

 技術面では、ユニットを耳に対して平行に取り付けるのではなく、耳の前の方から音が来るように角度を設けて取り付ける新技術「S-Logic EX」を採用。ヘッドフォンながら、三次元的な広がりのあるサウンドが楽しめるという。

右チャンネル・バッフル部分のパーツ。左はedition8、右がEdition 5のもの。ユニットを取り付ける角度や位置が、耳の前方寄りになるよう工夫されているのがわかる
装着イメージ

 ユニットの口径は40mmで、チタンプレイテッド・マイラーを採用。このユニットも、従来モデルより進化している。インピーダンスは32Ω、再生周波数帯域は5Hz~46kHz。出力音圧レベルは96dB。

 従来シリーズと同様に、ULE(Ultra Low Emission/低域電磁波低減)技術も採用。ケーブルには銀メッキ銅編込み構造を採用した高品位ケーブルを使っている。着脱可能で、MMCX端子を採用。標準入力プラグを備えた4mのケーブルと、ステレオミニで1.5mの2種類のケーブルを同梱。キャリングバッグやステンレススチール製のスタンド、特製ケース、クリーニングクロスなどを同梱する。

イヤーパッドにはエチオピアン・シープスキン・レザー
ケーブルは着脱可能でMMCX端子を採用

日本のユーザーの声を取り入れて進化

 来日したULTRASONEのCOO Michael M. Zirkel氏は、この10年を振り返り「日本のユーザーさんからのフィードバックが無ければ、この(Edition 5)レベルには到達できなかった。本当に感謝したい」と、ユーザーの声を取り入れて改良をしてきたこれまでの歩みを強調。

 CEOのMichael Willberg氏も「本当に大切な日本市場からの意見を吸収し、製品に反映する事ができました。木を使ったヘッドフォンを作る事をコンセプトとしたEdition 5では、開発時に様々な木材で試作を繰り返し、オークの“埋れ木”に辿り着きました。音質だけでなく、軽さ、装着感の良さも最高のものに仕上がっています」と、自信を語った。

左からCEOのMichael Willberg氏、COOのMichael M. Zirkel氏
発表会の司会はオノ・セイゲン氏が担当した

 なお、「Edition 5」の“5”という数字の由来については、古代ギリシアの哲学者・アリストテレスが、火、空気、水、土の4元素に加えて提唱していた“第5元素”にちなんだという。

10周年にあたり、従来のeditionシリーズも展示・紹介された

(山崎健太郎)