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船井、PhilipsのAV事業売却破棄に対し損害賠償を請求

「契約違反があったのはPhilips」

 船井電機は6日、オランダのKoninklijke Philips(フィリップス)が船井へのAV事業売却を「船井に契約不履行があった」との理由で破棄していた件について、「契約違反があったのはPhilips」として、反対請求(損害賠償)を申し立てたことを明らかにした。

 Philipsは、同社のオーディオ/ビデオ機器などを手掛ける「ライフスタイル・エンターテイメント事業」を、船井電機に売却することで1月に合意、株式引渡期日は2013年中を予定していた。しかし、既報の通り、Philipsは「船井が事業の完全移管に向けて必要なステップを踏まなかった」として、国際仲裁裁判所において、合意の破棄を求め提訴。これに対し、船井は「当社に契約不履行はない」と主張していた。

 船井によれば、「1月29日付の株式売買契約の締結後間もなく、当初予定されていた本件取引の実行日(6月30日)までにライフスタイル・エンターテイメント事業の切り離しが完了できなかった」とし、2度に渡る延期を余儀なくされたという。

 また、「ライフスタイル・エンターテイメント事業は、Philipsが説明した内容と大きくかけ離れ、本年度に入って収益性の悪化が顕著となった。このような状況においてもPhilipsは当社に本件取引の実行を迫った」と説明している。

 こうした中、船井は「直前まで本件取引の実行に向け交渉を続けてきたにもかかわらず、Philipsは10月25日、一方的に交渉を打ち切り、国際仲裁裁判所に仲裁を申し立てた。当社との25年にわたる取引関係に基づく信頼関係を大きく傷つけるもので、極めて遺憾であり、到底許されるものではない」と強く非難している。

 船井は、「契約違反しているのはPhilipsであると確信している。断固としてPhilipsの主張を認めない。仲裁手続において徹底的に防御するとともに、Philipsに対して反対請求を行なう」としている。

(中林暁)