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エプソン、約60%軽量化/モーションセンサー搭載「MOVERIO BT-200」
シースルーHMDが第2世代に進化。活動量計も開発
(2014/1/8 09:56)
エプソンは、「2014 International CES」のプレスデイにメディア向けカンファレンスを開催。モバイルビューワー「MOVERIO(モベリオ)」の第2世代となる「BT-200」を発表した。ヘッドマウントディスプレイ的な前モデルに対し、新モデルはスマートグラスの側面を強めた製品になっている。米国市場向けに、3月に699ドルで発売予定。
前モデル「BT-100」と表示解像度は同一で、解像度960×540ドットのシースルータイプの液晶を採用。光学系を新設計するなど、小型化と軽量化を進め、従来比で約60%の軽量化を実現した。グラス部分の重量は90g弱。加えて、新たにカメラやモーションセンサーを導入することで、ARアプリケーションなどでの活用を狙う。モーションセンサーはディスプレイ部分とコントローラユニットの双方に搭載。同時利用はできないが、アプリケーション側から任意のモーションセンサーを利用できる。
製品はディスプレイ部とコントローラユニットで構成される。有線で接続されるコントローラーユニットにはタッチパッドが加わり、操作性が向上している。OSはAndroid 4.0(ICS)をカスタマイズしたもので、Webページへのアクセスやオンラインのマルチメディアも利用可能。
コントローラ部分の無線機能は、IEEE 802.11b/g/nとBluetooth 3.0をサポート。なお、カスタマイズされたAndroidなので、Google Playのサービスには非対応。専用のアプリマーケットを用意して、アプリケーションを提供する。サードパーティ向けにはSDKの提供を行ない、対応アプリケーションの開発を呼びかけていく。
マルチメディア機能としては、前述の無線機能のほか、microSDカードスロットを搭載。カード内のコンテンツを再生することができる。コントローラとの接続ケーブルの中程にコントロールボックスがあり、ここにステレオミニの端子が付いている。音声はこの端子からイヤホンなどで聴く。ドルビーデジタルプラスに対応し、7.1chのバーチャルサラウンド機能などが利用可能。サイドバイサイド方式であれば、3D映像の再生もできる。対応する動画/音声フォーマットは、MPEG-4 AVC/H.264、AAC/MP3。
Miracastもサポートした。対応するBDプレーヤーやAndroid端末などを入力ソースにして、BT-200で再生できる。アクセサリとしてMiracastのHDMIドングルを用意しており、BDレコーダーに取り付けて入力ソースにできるほか、ディスプレイパネル側に取り付けることで、BT-200の出力を外部ディスプレイに表示する事もできる。。
米国市場向けに、3月に前モデルと同じ699ドルで出荷を開始。製品はワールドワイドに出荷され、日本にも米国市場とは大きく変わらないタイミングで投入する見通し。米国市場以外での価格や発売時期などは公表されていない。ウェアラブルデバイスとして注目を集めているGoogle Glassのデベロッパ向け価格が1,500ドルであることにも触れ、単眼、両眼といったコンセプトの違いもあるが、価格競争力を持つ製品であると説明した。
ウェアラブルはDNA。心拍センサー付きのリストバンド型活動量計を発表
カンファレンスでは、合わせてリストバンドタイプのウェアラブルデバイスの製品発表も行なわれた。文字盤のある腕時計タイプの「PS-500」、文字盤が無いリストバンドタイプの「PS-100」の2モデル。いずれも活動量計のほか、同社が開発したセンサーを使った心拍モジュールを搭載している。カンファレンスでは、こうしたセンサーパーツの開発についても触れられており、前述のBT-200の新光学系なども含め、基幹部品の開発と、コンシューマ向け製品の設計、開発が一体となって製品の完成度を向上させたとアピール。
製品ブランドとしては「Pulsense」となり、活動量計、心拍センサー、スリープトラッカー機能などを搭載する。ディスプレイ部分以外のセンサー仕様などは共通で、2モデル間の違いはデバイスにおけるディスプレイ表示の有無。「PS-500」が199ドル、「PS-100」は129ドルで今夏に米国市場向けに出荷される。BT-200同様に、製品は日本市場を含めたワールドワイドでの出荷になるとしているが、国内向け製品の発売時期や価格などは明言されていない。
デバイスの内側には心拍センサーが設置され、手首から連続的に心拍数の検出を行なう。スリープトラッカーは、特にモードなどの変更をすることなく、睡眠状態を認識する。睡眠パターンを検出し、眠りの浅くなったタイミングで起こすといった機能が搭載されている。身長や体重などを規準に活動量に応じた消費カロリーなどを算出。本体のメモリーに記録して、必要に応じてスマートフォンなどにBluetooth接続でデータを転送する。連携アプリケーションはiOSデバイス向け、Android向けに提供され、OS間で機能の違いなどはない。一部のAPIを公開することでサードパーティのアプリケーションからもデータが利用できるようにする。
カンファレンス内では言及されなかったが、これらの製品と同時にスマートフォン向けのポータブルラベルライターの製品発表も同社より行なわれている。