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ボーズ、Wi-Fiで無線再生する新オーディオ「SoundTouch」。アプリから操作。AirPlayも

中央が「SoundTouch 30 Wi-Fi music system」。左が「SoundTouch 20」、右が「SoundTouch Portable」

 ボーズは25日、無線LANを用いてスマートフォンやPCなどからワイヤレス再生が可能な新オーディオシステム「SoundTouch Wi-Fi music systems」を発表した。発売日は3月14日で、価格は「SoundTouch 30 Wi-Fi music system」が77,700円、「SoundTouch 20 Wi-Fi music system」が46,200円、「SoundTouch Portable Wi-Fi music system」が46,200円。

 これらよりも早く、2月28日に一体型システム「Wave SoundTouch music system」が74,550円で発売される。このモデルは直営店、および直販サイト限定販売となる。

「SoundTouch 30 Wi-Fi music system」
「SoundTouch Portable Wi-Fi music system」
一体型システム「Wave SoundTouch music system」

SoundTouchシリーズの特徴

 SoundTouchシリーズは、いずれのモデルもIEEE 802.11b/gの無線LAN機能を搭載。同一LAN内にあるPCに保存した音楽ライブラリをワイヤレスで再生できるほか、インターネットラジオの再生も可能。タブレットやPC向けに、無料の制御用アプリ「SoundTouch app」も提供し、これらの機器からSoundTouchシリーズで再生する楽曲の操作や、設定が行なえる。

 ネットワークオーディオ機器でありながら、手軽に使える事も特徴としており、SoundTouch側に6つのプリセットボタンを用意。それぞれのボタンに、ネットラジオ局や、音楽ライブラリの曲、アルバムなどをユーザーが登録できる。これにより、アプリを使わなくても、SoundTouchの電源を入れ、任意のボタンを押せば、好きな曲やネットラジオがすぐに楽しめる。

「SoundTouch 30 Wi-Fi music system」の前面。ステータスが有機ELディスプレイに表示される
「SoundTouch 30」の天面。6つのプリセットボタンが見える
「SoundTouch 30」の背面

 また、複数台の連携にも対応。SoundTouchシリーズを追加していく事で、複数の部屋に設置したSoundTouchから同じ音楽を流したり、個々の部屋で別の楽曲を流す事も可能。タブレットなどのアプリから、これら複数台のSoundTouchを一括して制御できる。

 SoundTouchがアクセスできるライブラリは、DLNAをベースにしているが、SoundTouchシリーズで閉じたものだという。現時点でサポートされているのは、専用アプリ「SoundTouch app」をインストールしたPC。共有したい音楽ライブラリをアプリに登録し、SoundTouchから再生できる。

 このため、音楽ファイルを再生するためにはPCが起動している必要があるが、β版のソフトウェアではNAS(ネットワークHDD)にアクセスできるようになっているとのことで、今後、アクセスできる機器はPC以外にも増加していく見込み。

 また、SoundTouchシリーズはAirPlayにも対応しているため、対応するiOS機器や、iTunes 10.2.2以降をインストールしたWindows/Macから、AirPlay対応スピーカーとしてワイヤレス再生する事もできる。

 ネットワークプレーヤーとしてサポートする音楽フォーマットはMP3/WMA/AAC/Apple Lossless。「ハイレゾファイルに再生するかどうかは未定だが、FLAC形式には対応する予定」だという。

6つのプリセットボタンと複数台制御

 Wi-Fiで利用する場合は、アプリからユーザーアカウントを作成。そのアカウントに紐付けるSoundTouchシリーズを選択する。他のアカウントと紐付いているSoundTouchは利用できない。

 例えば、お父さんのアカウントでリビングと書斎のSoundTouchを登録、子供のアカウントでは子供部屋のSoundTouchを登録。お父さんはリビングと書斎、2台のSoundTouchを制御できるが、子供部屋のSoundTouchから音楽を流す事はできない。一方で、家族が同じアカウントを共用し、そのアカウントに全てのSoundTouchを紐付けていれば、スマートフォンのSoundTouch appから、好きな音楽を、好きな部屋で流す事ができる。

 なお、通信速度の問題で、無線LAN接続を利用している場合、同時に利用できるSoundTouchは3台までとなる。「SoundTouch 30」と「SoundTouch 20」には有線LAN端子があり、有線接続した場合は3台以上利用できるという。

 SoundTouchシリーズの天面には6つのプリセットボタンを用意。SoundTouch appから、これらのボタンに割り当てるコンテンツを設定できる。コンテンツは音楽ファイル、アルバム、インターネットラジオ局などで、アプリから登録したいコンテンツをタップし、プリセットボタンの番号までドラッグ&ドロップすれば登録完了。以降はアプリを使わず、SoundTouchを起動し、プリセットボタンを押すだけで登録した楽曲やアルバムの再生がスタートする。

「SoundTouch app」をタブレットで起動したところ。左側にある1から6の数字が、本体のプリセットボタンに対応
この数字に向かって、楽曲やネットラジオなどを登録できる

 アプリからは、アカウントに紐付けられている他のSoundTouchも見え、任意のSoundTouchから個別の音楽を流したり、同じ音楽を複数のSoundTouchから同時再生する事も可能。ボリューム調整もアプリから個別に行なえる。

SoundTouchシリーズ

 「SoundTouch 30」は、シリーズ最高峰モデル。独自の低音再生技術「ウェーブガイド・スピーカー・テクノロジー」と新開発のウーファを搭載。正面上部には、中高域用のドライバを2基搭載している。

 前面のディスプレイは有機ELで、再生中のソースや曲名、インターネットラジオ局を表示。アナログ音声の外部入力、Ethernet端子も備えている。付属の赤外線リモコンからプリセット選択や音量調整、再生・停止・スキップも可能。

 外形寸法は435×181×247mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は9kg。カラーはホワイトとブラックを用意する。

 「SoundTouch 20」はコンパクトなモデルで、新開発の中高域用ドライバを2基搭載。新設計のポートデザインで、パワフルな低音を実現するという。「SoundTouch 30」と同様に、アナログ音声の外部入力も搭載。有機ELディスプレイ、赤外線リモコンも備えている。外形寸法は315×104×188mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は3.2kg。カラーはホワイトとブラック。

SoundTouch 20
SoundTouch 20の天面
SoundTouch 20の背面

 「SoundTouch Portable」は、リチウムイオンバッテリを内蔵し、持ち運びができるポータブルスピーカータイプ。4つの薄型ドライバと、独自の低音再生技術「デュアル・オポージング・パッシブ・ラジエータと、独自のDSP処理を組み合わせ、「どの音量でも迫力のフルレンジ再生が可能」という。外形寸法は249×64×148mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は1.5kg。カラーはホワイトとブラック。

SoundTouch Portable
SoundTouch Portableの天面
SoundTouch Portableを浴室に設置したところ。ただし、防水防滴機能は無い

 また、今後の対応製品として、4月11日にはホームシアター機器の「55”/46”VideoWave III system、Lifestyle 535 Series II/525 Series II/135 Series II systemに接続し、SoundTouch対応にできるアクセサリ「SoundTouch wireless adapter」(24,840円)も発売予定。

シアター機器をSoundTouch対応にできるアクセサリ「SoundTouch wireless adapter」

 今夏には、独自のダイレクト/リフレクティング理論を採用した小型Jewel Cubeスピーカーと、重低音を再生するAcoustimassモジュールを組み合わせた、SoundTouch対応Hi-Fi スピーカー「SoundTouch Stereo JC Wi-Fi music system」(125,280円)や、ボーズ以外のスピーカーもSoundTouch対応に出来る、パワーアンプの「SoundTouch SA-4 amplifier」(58,320円)も発売。

SoundTouch対応Hi-Fi スピーカー「SoundTouch Stereo JC Wi-Fi music system」
パワーアンプの「SoundTouch SA-4 amplifier」
SoundTouchシリーズ向け専用リモコン「Bose SoundTouch controller」

 SoundTouchシリーズをコントロールするための専用リモコン「Bose SoundTouch controller」(12,960円)も発売予定。このリモコンは、前述の「SoundTouch Stereo JC Wi-Fi music system」と「SoundTouch SA-4 amplifier」には付属品として同梱される。

Wave SoundTouch music system

Wave SoundTouch music system

 SoundTouchに対応しつつ、AM/FMラジオチューナ、スロットローディングタイプのCDプレーヤー機能も搭載したオールインワンタイプのコンポ。直営店と直販サイトのみで販売する。カラーはプラチナムホワイト、グラファイトグレー、チタニウムシルバーの3色。

 SoundTouch用の6つの専用プリセットボタンはリモコンに用意。ウェーブガイド・スピーカー・テクノロジーで重低音再生を実現している。

 ステレオミニの外部音声入力と、ヘッドフォン出力も搭載。外形寸法は368×219×143mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は4.5kg。

シンプルな操作で、様々なコンテンツをシームレスに再生

挽野社長
ボーズのサウンドシステムが客室に導入されており、次世代のオーディオライフのデモにも最適とのことで、マンダリンオリエンタル東京 プレジデンシャル・スイートルームで発表会が開催された

 挽野元社長は、アマー・G・ボーズ博士が、人間の耳に届く音の11%が直接音で、残りの89%が間接音である事に着目し、背面に8個、前面に2個のユニットを配置した「901スピーカー」を'68年に生み出した事など、ボーズのこれまでのオーディオ機器への取り組みを紹介。

 そうした流れの先に新たに提案する次世代の本格オーディオとして「SoundTouch」シリーズを紹介した。

 また、プロダクトマーケティング部の大久保淳部長は、「SoundTouch」がBluetoothではなく、Wi-FiとAirPlayに対応している事について、「現代のスタイルにマッチした、Bluetoothスピーカーよりもっと良いものがあるのではないか」と模索した結果だと説明。ワイヤレス再生だけでなく、複数台を個別に制御したり、複数台から同じ音楽を流せるなどの特徴を説明。シンプルな操作で、様々なコンテンツをシームレスに利用できる事を、デモを交えてアピールした。

(山崎健太郎)