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キヤノン、報道やブライダル向けにAF強化のCINEMA EOS「C100 MKII」、4K対応1,500mmレンズも

 キヤノンは、CINEMA EOS SYSTEMの新製品として、AF機能を充実させたカメラボディ「EOS C100 Mark II」を12月下旬に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は55万円前後。「EF24-105mm F4 L IS USM」が付属するレンズキットも2015年2月上旬発売で、価格はオープン。店頭予想価格は62万円前後。

EOS C100 Mark II

 さらに、既に発売中であり、有料でAF機能の追加サービスを実施している「EOS C300」に、AF機能を最初から搭載したバージョン「EOS C300(AFモデル)」も発売。発売時期は10月下旬で、価格はオープンプライス。実売は既存モデルと同じ。

 また、4K撮影にも対応しながら、光学20倍ズームを実現したレンズも2015年4月下旬に発売する。EFマウント用の「CN20X50 IAS H/E1」と、PLマウント用「CN20X50 IAS H/P1」を用意。価格はどちらも810万円。

CN20X50 IAS H

EOS C100 Mark II

「EF24-105mm F4 L IS USM」が付属するレンズキットも用意

 フルHD撮影が可能なC100は、映画やテレビCM/ドラマなど、クリエイティブ市場に向けたカメラだが、結婚式やニュース、ドキュメンタリーなどの取材、企業紹介ビデオなどで使うユーザーも増加。そうしたユーザーからの声も反映しながら、業務用カメラ市場もターゲットとしたのが「EOS C100 Mark II」となる。既存のC100向けには、有料アップデートによるAF対応サービスが実施されているが、ワンマンオペレーションで撮影するシーンを想定したC100 Mark IIでは、最初からAF機能を搭載するなど、ユーザーを補助する機能を強化している。

 1画素から2つの画像信号を検出し、位相差AFを行なうことで高速なピント合わせができるという「デュアルピクセルCMOSセンサー」を採用。AF枠は中央の縦20%、横25%の範囲となる。センサーサイズはスーパー35mm、画素数は約829万画素、最高ISO 102400での撮影が可能。C500の2K RGB出力で使っているディベイヤーアルゴリズムを新たに採用する事で、モアレの発生を抑え、ノイズの粒状性が向上するという。

 顔検出AF機能も搭載。STMレンズ(リードスクリュータイプ)を装着した場合に利用でき、インタビュー撮影など、中央以外の人物にAFを合わせて撮影するニーズに対応できる。顔が無かった場合に画面中央にAFする「顔優先AF」と、顔が無かった場合にAFを停止する「顔限定AF」が選べ、意図しないAF動作を防いでいる。

 映像処理プラットフォームは、DIGIC DV3からDV4へと進化。ノイズを抑圧しながら高周波の周波数特性を向上する回路を新たに採用。高ISOのノイズも大幅に低減し、細部のディテールも克明に描写できるとする。

 撮影フォーマットは従来のAVCHDに加え、MP4も新たに追加。AVCHDは最大28Mbps、MP4は35Mbpsでの撮影が可能になった(従来はAVCHD 24Mbpsが最大)。60p記録にも新たに対応した。

 3.5型のモニタ部も進化。従来は液晶の92万画素だったが、Mark IIでは有機ELの123万画素となり、バリアングルにも対応。ローアングル、ハイアングルでの撮影に対応するほか、270度開いてカメラの側面にディスプレイを表示させ、現場の関係者などが複数で映像をチェックする時などに活用できるという。

モニタが有機ELになり、バリアングル仕様に
270度開いてカメラの側面にディスプレイを表示させる事で、複数人で映像をチェックする時に活用できる

 さらに、8bitのCanon Logにも対応。Canon Logは広ダイナミックレンジ撮影ができるが、素の状態では素材感を活かした素っ気ない映像になる。そこで、HDMI出力する映像に、LUTを当て、見た目に近い映像で出力する機能も搭載。撮影スタッフやクライアントなどと、撮影現場で映像をモニター確認しながら撮影するときに利用できる。

ステレオマイク内蔵のハンドルユニットを装着したところ

 本体のみで音声収録が可能なモノラルマイクも新たに追加。別にメイン録音した音声データと同期する際に、同期用のサブデータとして使うこともできる。また、ステレオマイク内蔵のハンドルユニットも用意。装着時は、内蔵ステレオマイク、または音声入力端子からの信号をチャンネルごとに自由に選択して設定できる。

 ネットワーク機能も装備。スマートフォンやタブレットのWebブラウザから、カメラを遠隔操作したり、ブラウザからカメラ内の映像を再生する事も可能(AVCHDは非対応)。撮影したデータをFTPサーバーへ転送するモードも備えている。

 ビューファインダも大型化。C100の0.24型から、0.45型となり、C300と同等の広い視野角28.2度を実現している。アイカップもC300と同形状のものが付属する。

 その他の機能は従来モデルから踏襲。白トビを抑え、高輝度部もなめらかな階調で記録でき、ブライダル撮影などで活用できる「ワイドDR」機能も利用可能。業務用リモコン「RC-V100」もサポートしている。

 記録メディアは、SDカードスロットを2基搭載。新たにカードカバーを透明化する事で、カバーを開閉しなくても装着状況を把握できるようになった。記録は、撮り逃しを防止する常時記録モードを用意。開始から終了までの全ての映像を記録すると共に、カメラ本体で録画開始・終了操作をすると、それがON点、OUT点のメタデータとして記録される。2枚のカードに同時に記録するバックアップモードも利用可能。

 AVCHDやMP4の動画を、MP4 640×360ドット/3Mbpsの軽い動画に変換、Webアップロードや配布用に活用できるダウンコンバート機能も用意する。外形寸法は約147×174×169mm(幅×奥行き×高さ)、重量は1,142g。

4K撮影対応、光学20倍ズームレンズ

 4K撮影を行なう制作現場が増えるにつれ、スポーツや自然科学の撮影において、超望遠、超高倍率なレンズが欲しいというニーズが増加。それに応える形で開発されたのが「CN20X50 IAS H」となる。

 焦点距離は50mm〜1,000mmの光学20倍。さらに、1.5倍のエクステンダーも内蔵しており、これを使う事で1,500mmまでの撮影を可能にしている。絞りはT7.5〜13.35。

 4K解像度での撮影に対応できる光学性能も追求。大口径非球面レンズ、最適な光学硝材、最先端加工技術、ガラスの最適配置、光学シミュレーションなどを駆使し、4Kカメラの画質を最大限引き出すレンズとして開発したという。各収差も「極限まで補正した」とする。

ドライブユニットを外したところ
後ろから見たところ

 超望遠レンズだが、重量は6.6kg、長さはPLマウント版で405.2mmに収めている。これにより、自然でのドキュメンタリーで、被写体との距離を保ちながら、躍動感のある撮影ができるとする。

 フォーカス/ズーム/アイリスの全てで、従来の放送用レンズのサーボ操作感覚を実現。ズームに180秒をかける低速駆動モードも備えている。

 ドライブユニットには高分解能のエンコーダを採用。消費電力をピーク時700mAに抑えている。ユニットは着脱可能だが、取り外し後、再装着時にフォーカス/ズーム/アイリスのギアの位置合わせは不要。ただし、動作保証するため、同一のシリアルナンバーで組み合わせて使う必要がある。ドライブユニットを取り外す事で、シネマ用レンズとして使う事もできる。

 外形寸法は、EFマウント用が175×170.6×413.2mm(幅×高さ×全長)、PLマウント用が175×170.6×405.2mm(同)。重量はどちらも6.6kg。

(山崎健太郎)