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ソニーの元・耳型職人が仕掛けるハイブリッド型カスタムイヤフォン「Just ear」

 ソニーエンジニアリングは、東京・中野サンプラザで10月25日〜26日に開催されている「秋のヘッドフォン祭 2014」において、新たにカスタムイヤフォンのブランド「Just ear」を立ち上げることを発表した。ソニーのヘッドフォン設計で5代目「耳型職人」を務めたことでも知られる松尾伴大氏が音響設計などを行なっている。'14年度内に第1弾モデルを受注開始予定で、製品名や価格などの詳細は、改めて正式発表される。

ソニーエンジニアリングの「Just ear」ブースに展示されたカスタムイヤフォン
製品を手掛けているソニーエンジニアリングの松尾伴大氏

 松尾氏は、これまでもソニーのヘッドフォン/イヤフォンの音響設計を担当し、評価の高いモデルであるMDR-EX800STや、MDR-EX1000、MDR-1Rといった製品を手掛けてきた。松尾氏が所属するソニーエンジニアリングは、自社製品としてダンス練習に最適なDVDプレーヤー「ダンスステーション」などのユニークな製品を開発しているが、自社でのイヤフォンは今回が初となる。

 Just earブランドでは、「テイラーメイドヘッドフォン」と呼ぶカスタムインイヤモニターを展開。イヤフォンなどの音質を左右する「装着感」を向上させるため、製品開発のためこれまで数多くの人の「耳型」を採取してきた松尾氏が、多くの人にとって同じような条件で装着できるための形として、カスタムイヤフォンに行きついたという。

 最初の製品となるのは、ライブなど音楽の現場での要望も高いインナーイヤー型。製品名はまだ明らかにしていないが、ユニットはバランスド・アーマチュア(BA)とダイナミックが各1基のハイブリッド型。中高域をBA型、低域をダイナミック型が受け持ち、それぞれの特性を活かした広帯域な再生を実現している。ケーブルは着脱式で、MMCX準拠の端子を使っている。

 ハウジングは樹脂製で、内部が見えるクリアなシェルを採用。装着性へのこだわりの1つとして、ハウジングの耳に当たる部分には、体温で柔らかくなり、外耳道の形状の変化に追従する素材を使用。長時間でも快適に装着できるという。また、デザインのポイントとしては、ハウジングの外側に円形の金属パーツを配し、ダイナミック型ユニットを使ってハイブリッド化していることを象徴している。

装着イメージ
ハウジングの外側シェル部分。耳穴に入る部分にやわらかな素材を使用

 今回のヘッドフォン祭では、試聴機として「リスニング」、「モニター」、「クラブ」という3種類の音質にカスタマイズしたモデルを用意。試聴のために、ユニバーサルイヤフォンのようにイヤーピースを装着する形で展示している。3つの筐体構造など基本は同じだが、細かな音質調整を行なっており、利用シーンに合わせた音質に仕上げている。

 ターゲット層については、カスタムイヤフォンがアーティストなどのプロ以外にも広まっていることから、プロ・アマチュアを問わず幅広く設定し「音楽が好きで、いい音で聴きたい人に」(松尾氏)としている。

 さらに興味深いポイントとして、希望するユーザーには松尾氏自身がその人に合わせた音質のカスタマイズも受け付けるという。その場合は別料金が必要となる見込みだが、自分に合ったイヤフォンの究極形を作るための手段として、面白い試みだ。

 耳型の採取は、提携する専門店などで行なう予定。受注から受け取りまでの期間は約1〜2カ月の見込み。販売方法や店舗などについても改めて発表される。

3種類の音質に仕上げた試聴機を用意。ポータブルアンプなどを使って音質を体験できる。ヘッドフォン祭の開催より前に松尾氏がTwitterでカスタムイヤフォンについて示唆していたこともあり、会場オープン後からすぐに試聴のための列ができていた

(中林暁)