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2015 International CESが6日開幕、4K/次世代スマートテレビやウェアラブルなど

 世界最大規模のコンシューマエレクトロニクス展示会「2015 International CES」が米国ラスベガスで1月6日(現地時間)より開幕する。会期は9日までで、会場はLas Vegas Convention Center(LVCC)、The Venetian、LVHとMandalay Bay Resort & Casino。

CES会場のLas Vegas Convention Center(昨年の模様)。昨年は4日間で16万498人(前年比5%増)が参加した

 開幕の前々日となる4日は、会場となるLVCCで出展各社がブースの準備を進めているほか、市内のホテル・Mandalay Bayにおいて事前イベント「Unveiled」が開催。また、開幕前日の5日から、ソニーやパナソニック、シャープ、Samsung、LGなどのメーカーがプレスカンファレンスを行ない、2015年の新製品やサービス、今後の戦略などについて説明を行なう。5日から順次行なわれる基調講演は、Samsung ElectronicsのBoo-Keun Yoon社長兼CEOや、Mercedes-Benz CarsのDieter Zetsche会長、Ford MotorのMark Fields社長兼CEO、IntelのBrian Krzanich CEO、GoPro創業者兼CEOのNicholas Woodman氏らが務める。

 パナソニックは、最新家電に加え、BtoBソリューションや、車載・航空機器デバイスの最新製品などを展示。開幕前日の5日にプレスカンファレンスを行ない、ジョゼフ・テーラー常務役員らが登壇する。展示の様子や業界関係者からのコメントなどを、ソーシャルネットワークサービスを活用して発信するPanasonic Live@CES 2015も実施する。

 ソニーも同じく5日にプレスカンファレンスを開催し、'15年の新製品やサービスなどが明らかになる見込み。Ustreamでこの会見のライブ配信も実施する。既報の通り、メガネなどに装着できる有機EL採用の片眼用ディスプレイモジュールを開発しており、そのコンセプトモデルをブース内で参考展示。超小型光学ユニットと、スマートフォン相当という演算処理能力の小型制御基板を備え、メガネやゴーグル、サングラスなどに装着できる小型/軽量化を実現。視界を妨げないサブウィンドウとして様々な日常の情報などを確認できるほか、スポーツや、業務での作業支援など幅広い用途を想定。CES会場では、スポーツに向けたアイウェアにおける活用例を提案する。

ソニーの有機ELディスプレイモジュールを装着したアイウェアの例

 東芝は、裸眼3Dディスプレイ向けに開発した、15型4K液晶パネル対応の新しい低クロストーク高精細液晶GRINレンズ(Gradient-Indexレンズ)技術について展示。明るく高精細なHD精細度の3D表示と4K精細度の2D表示の切り替えが可能な小型ディスプレイを実現可能にするもので、従来の3D表示では5%以上あったクロストークを2%まで改善。15型4K液晶パネルと組み合わせることで、3D精細度が従来比5倍以上(2011年発売のDynabook Qosmio T851比)に向上し、高画質な3D表示を実現できる点などが特徴。

 そのほかにも、メガネ型ウェアラブル端末「東芝グラス」のプロトタイプや、人間らしい容姿で腕や手が自然な動きをするコミュニケーションロボットを参考展示。また、リチウムイオン二次電池の「SCiB」や、NFC Tagを搭載したBluetooth Smart対応製品、コンテンツ保護技術「SeeQVault」対応製品の最新ラインナップなども紹介する。

 Samsungは、2015年のSamsung Smart TVの全てにTizen OSを採用する計画を発表しており、こうしたテレビに関する発表がCESにおいて行なわれる見込み。Tizenにより、直感的かつシンプルな操作性を実現し、コンテンツへのアクセス性の向上や、おすすめ機能、Wi-Fi Directによるモバイルデバイスとの連携、Bluetooth Low Energy(BLE)によるSamsungモバイルデバイスとの接続などを可能にする。

 また、プレイステーションのゲームを、クラウドを使ってゲーム機以外でもプレイできる「プレイステーション ナウ」(PS Now)を、米国とカナダ向けのSamsung製スマートTVで利用できるようにするサービスを2015年上半期中に開始することも発表しており、Samsungブースにおいてその内容が展示される。そのほかにも、液晶ディスプレイの新製品として、アスペクト比21:9の湾曲(Curved)モデルなどを展示するほか、360度方向に音が広がるスピーカーなどのオーディオ製品も用意する。

 LGは、量子ドット技術により色再現性や視野角などを向上させた4K対応テレビを2015年に投入することを発表しており、同技術を採用したモデルをCESで披露する予定。'15年発売の液晶テレビや有機ELテレビに順次対応を拡大していく。また、最新のWebOS 2.0を同社のスマートテレビに採用することも発表しており、WebOS 2.0のスマートテレビ向けプラットフォームを搭載した新モデルを展示。シンプルで直感的な操作や利便性を追求しており、起動時間も従来に比べ短縮。また、WebOSからAmazonやNetflixが運営する4K映像コンテンツ配信サービスも利用できる。そのほかの展示として、77型で画面カーブの角度が調整できる「フレキシブル4K曲面有機ELテレビ」などの最新製品や、ヒートポンプ技術を活用したLG EcoHybrid衣類乾燥機などの白物家電も展示する。

量子ドット技術を採用したLGの4K対応テレビ

 AV Watchでは、CESの模様を順次レポートする。

(中林暁)