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YouTube、従来のFlashに代わってHTML5をデフォルトに
再生待ち時間改善や、VP9対応による4K映像の広がりも
(2015/1/28 19:07)
米Googleは27日(現地時間)、動画サービスのYouTubeにおいて、ブラウザのChromeやInternet Explorer 11、Safari 8、Firefoxのベータ版でアクセスした場合、これまでのFlashではなく、HTML5で動画が再生されるよう、デフォルトに設定したことを明らかにした。従来のFlashから変更したことで、様々なメリットがあると説明している。
これまでHTML5の課題として、回線速度に応じて画質を変更することで再生までの待ち時間を減らせるアダプティブビットレート(ABR)への対応が進んでいなかったため、YouTubeでは約4年前からブラウザのベンダーに対応を働きかけており、解決したことで今回の設定に至ったという。
YouTubeでは、HTML5をデフォルトとするメリットを大きく5つ挙げている。1つ目はMediaSource ExtensionsというAPIを使ったABRのストリーミング配信への対応で、回線の状況に応じて適した解像度やビットレートで配信できることにより、全体で50%以上、特に回線が混雑している場合は80%以上のバッファリング時間を削減できるとしている。また、対応デバイスとして、HDMIスティックのChromecast以外にも、XboxやPlayStation 4(PS4)などゲーム機もライブストリーミングに利用できるとしている。
2つめはVP9コーデックへの対応で、従来比で通信帯域を35%抑えながら高画質なビデオを配信可能としている。ファイルサイズが小さくなることで、より多くの人が4KやHDの60fps映像も配信しやすくなり、再生までの時間もこれまでに比べ15~80%早くなるという。現在、既に数十億のVP9映像が配信されているという。
3つ目は暗号化関連で、FlashやSilverlightなど従来のプラットフォームでは、それぞれ異なる暗号化技術と紐づいた形になっているのに対し、HTML5では、1つの対応プレーヤーで様々なプラットフォームや暗号化技術に対応したことで、スムーズに再生できるとしている。
4つ目はWebRTC(Web Real-Time Communication)への対応。Google Hangoutを使ったビデオチャットが、別途プラグインなどを必要とせずブラウザ内で行なえる。
5つ目は全画面表示。HTML5の新しいフルスクリーンAPIにより、標準のHTML UI上で、4Kビデオにもフル対応した全画面表示が行なえるという。
なお、HTML5のvideoタグをデフォルトにすることにより、従来のobjectタグを使った埋め込みやFlash APIは“old style”として非推奨となる。埋め込みには、iframe APIを使うことを推奨している。