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【CP+】ソニーの4Kアクションカムや変形する4K空撮ヘリ「INSPIRE 1」

 国内最大級の写真映像関連イベント「CP+ 2015」(シーピープラス2015)が12日、パシフィコ横浜で開幕した。期間は15日まで。入場料は当日一般1,500円で、Web事前登録者は無料。ここでは、アクションカメラやドローン関係の展示をレポートする。

会場のパシフィコ横浜

ソニー

 1月の「2015 International CES」で海外発表された、4K撮影可能なアクションカム「FDR-X1000V」と、フルHDモデルで手ブレ補正を強化した「HDR-AS200V」の2機種を参考展示している。日本での発売日や価格は未定。

4K撮影可能なアクションカム「FDR-X1000V」

 これら2機種に共通する進化点は、手ブレ補正を強化している事。高周波振動に対して、より高い補正力を発揮できるようになっており、マルチコプターなどに取り付けて空撮をする際に、ローターから伝わる高周波振動により、映像が波打つような現象を補正できるようになっている(X1000VではHD記録時のみ利用可能)。

 X1000Vではさらに、4K(3,840×2,160ドット)、30p、100Mbpsでの録画に対応。XAVC S形式で記録できる。処理能力の高さを活かし、フルHDでのハイフレームレート撮影も可能にする。

フルHDモデルの新型「HDR-AS200V」
AS200Vの筐体サイズは、現行のAS100Vとほぼ同じだ

 筐体サイズは、「HDR-AS200V」は従来のAS100Vとほぼ同じ。X1000Vはそれよりも奥行きがある。ただし、底部の前方に三脚穴を備えたスタイルはAS200V/X1000Vで共通しており、従来モデルと同様の感覚でマウントに取り付けられるようになっている。

上がX1000V、下がAS200V
右がX1000V、左がAS200V

 また、X1000Vでは録画開始ボタンを天面に搭載。後部の電池蓋は、右半分が外れるようになっており、電池蓋をロックしたままでHDMI端子やmicroSDカードスロット、電源供給を含むマルチ端子にアクセスできるようになっている。底部にはプラグインパワー対応のマイク端子を用意する。

 2機種共通の特徴として、PCでのビデオ編集が苦手な人でも、手軽に撮影映像をコンパクトにまとめる機能も用意。アプリの「PlayMemories Mobile」でアクションカムと接続し、任意のシーンを選ぶと、簡単な操作でショートムービーにしてくれる「ハイライトムービーメーカー」機能を用意。作成した動画をスマホに保存して共有したり、アクションカムに保存する事もできる。

 また、春に提供される「PlayMemories Mobile 5.2」では、複数台のカメラを一括コントロールできるようになり、例えば4台のカメラの映像を、4画面同時表示した上で、シャッターや録画、動画/静止画モードの切り替えといった制御が可能。シングルビューに設定すれば、個別モニタリングや、より細かな、露出補正やホワイトバランスなどの設定変更も行なえる。

春に提供される「PlayMemories Mobile 5.2」では、複数台のカメラを一括コントロールが可能になる
ロードバイクに取り付けたところ
ドローンに取り付けた展示も

DJI

 「Phantom2 Vision+」などの空撮用ドローンで人気のDJIは、大規模なブースを展開。先月から発売を開始したという新モデル、「INSPIRE 1」を紹介している。価格は、送信機1個をセットにした場合、383,400円。最大飛行時間は18分。

空撮用ドローンの新モデル、「INSPIRE 1」

 カメラを最初から本体に搭載している「Phantom2 Vision+」タイプの製品だが、カメラの画質やドローンの性能が大幅に向上。カメラは4,096×2,160/24/25pや、3,840×2,160/24/25/30pでの撮影が可能。1080/60p撮影にも対応している。MPEG-4 AVC/H.264で、MP4/MOV形式で撮影でき、最高ビットレートは60Mbps。

 ソニー製の1/2.3型センサーを搭載している。焦点距離は20mm(35mm換算)。記録メディアはmicroSDで、64GBまでのカードが利用できる。1,200万画素の静止画撮影や、RAW撮影、バースト撮影なども可能。

4K撮影可能なカメラを標準搭載。カメラ部は取り外しも可能で、将来的には、より高性能なカメラなどに取り付け可能になると思われる

 ドローンとして進化した点は「トランスフォーム」機能にある。「Phantom2 Vision+」は4基のローターとは別に、着地するための脚部を備えているが、INSPIRE 1は着地に利用する4本のランディングアームにローターが取り付けられており、離陸後にググッとアームが上に持ち上がって飛行する。着陸時には、アームが下がり、アームで地面と設置。下部のカメラが地面にぶつからないようになっている。

 これにより、着陸用の専用脚が不要になり、軽量化を実現。カメラを360度回転させて撮影するような場合に、脚部が画面に映り込む事もなくなっている。

着陸している際はアームが下になっているが、離陸すると右の写真のようにアームが持ち上がる

 プロポにスマートフォンやタブレットを固定。カメラの映像を720pでリアルタイム受信し、確認しながら操縦ができる。ISO、ホワイトバランス、露出などを飛行しながら変更可能。さらに、プロポにHDMI出力を装備。受信した映像をディスプレイなどに出力する事もできる。

 DJIのドローンには自動離着陸、GPSを使った自動飛行機能など、操縦をサポートする様々な機能が搭載されているが、INSPIRE 1では2台のプロポと連携する事が可能になった。これにより、1台はドローンの操縦に専念、もう1台でカメラを操作、2人で役割分担をする事で、よりクリエイティブな撮影が可能になるとしている。

プロポにHDMI出力が搭載されている
Phantom2 Vision+

リコーイメージング

WG-5 GPS

 「WG-5 GPS」は、水深14m防水、2.2m耐落下衝撃、マイナス10度耐低温、100kgf耐荷重、防塵のタフネス性能を持つコンパクトデジタルカメラ。GPS機能も内蔵している。従来モデルよりも、耐落下衝撃性能が向上している。

その他

 銀一のブースでは、GoProなどをリュックの肩紐の部分などに固定できるPeak Deign製キット「Capture with POV kit」(CPOV-1)などを紹介している。

 Peak Deignは、肩紐やベルトなどにカメラを固定するための「Capture」と呼ばれる製品を複数発売。また、そのCaptureと組み合わせ、カメラを固定し、アングルなどを調整できる「POV kit」も発売しており、「Capture with POV kit」は、この2つをセットにしたモデル。カメラとマウントを取り外す頻度に合わせて、固定の強さを調整する事も可能。パーツを組み合わせる事で、三脚穴を備えたコンパクトデジカメなどを固定する事もできる。

「Capture with POV kit」など、Peak Deignの製品

 アンデックス ユウのブースも、多彩なアクションカメラ向けのマウントを展示。新製品は、腕やリュックの肩紐など、様々な部分に取り付けられる「回転式マルチマウント」(REC-B56)や、ヘルメットなどに取り付けて装着者の顔を撮影できるアーム付きの「回転式粘着マウント ヘルメット用」(REC-B51-T4)など。

回転式マルチマウント
回転式粘着マウント ヘルメット用
ハンドガンの拡張レールに取り付けるタイプも。サバイバルゲームなどをドラマチックに撮影できる

 カシオブースでは、カメラ部とモニタ付きコントローラ部を分離できる、防水/防塵/耐衝撃仕様の「EX-FR10」を紹介。利用シーンに合わせた取り付けパーツなどを紹介しているほか、同社のデジタルカメラ名機「QV-10」と同じカラーを採用したFR10を展示。QV-10の20周年を記念した展示で、商品化するかは未定だという。

EX-FR10
QV10カラーのFR10

(山崎健太郎)