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タマゴ型スピーカーが大型化。Olasonicから初のハイレゾPCスピーカー「TW-S9」

 東和電子は、オラソニックブランドのタマゴ型USBスピーカーの新モデル「TW-S9」を10月下旬に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は23,630円前後(税込)。カラーはチタニウムグレーとパールホワイトを用意する。PCスピーカーとして初めて、ハイレゾ再生に対応しているという。

タマゴ型USBスピーカーの新モデル「TW-S9」。左からパールホワイト、チタニウムグレー

 強度を追求し、平行面がなく定在波が発生しないというタマゴ型のエンクロージャが特徴のUSBアクティブスピーカー。既存モデル「TW-S7」との違いとして、筐体が約20%大型化。ユニットはスーパーツイータを加えている。USBバスパワーで動作し、96kHz/24bitまでのハイレゾ音源が再生できるようになった。なお、S7の上位モデルとしてラインナップされ、S7は併売される。

右が既存モデル「TW-S7」。筐体が約20%大型化された
同軸配置の2ウェイ

 ユニットは、S7と同様の60mm径フルレンジに加え、25mm径のスーパーツイータを追加。フルレンジの前にスーパーツイータを設置する同軸配置で点音源を追求している。各ユニットには、フルレンジに55mm径、スーパーツイータに20mm径の大型マグネットを採用。スーパーツイータの背面には大型ディフューザーを配置し、音を拡散させ、リスニングエリアを拡大している。

パールホワイト
チタニウムグレー
使用イメージ
内部構造

 筐体の背面にはプレッシャーボード付きの70mm径パッシブラジエータを装備。重低音再生を可能にしている。

メッシュのネット部分が上まで伸びるデザインになったが、ツイータは上ではなくフルレンジの同軸上に配置されている
背面にはプレッシャーボード付きのパッシブラジエータ。アナログ入力も備えている

 USBバスパワーで動作し、PCとはUSBケーブル1本で接続できる。従来モデルと同様に、SCDS(Super Charged Drive System)を搭載。USBバスパワーの給電でも、瞬間的な大音量再生を可能にするもので、内部に大容量のキャパシタを搭載。音楽は常に大きな音が出ているわけではなく、静かな部分と、激しい部分の強弱がある。静かな時にキャパシタに充電を行ない、大音量が必要な時に一気に放電することで、ハイパワーな再生を可能にしている。

 なお、S7は瞬間最大10W×2chだったが、S9ではUSB 3.0接続時に12.5W×2chの出力を可能にしている。USB 3.0のバスパワー電流が通常の500mAから900mAに強化された事で実現したものだが、電源供給がUSB 1.1~2.0(500mA)の場合と、USB 3.0(900mA)の場合を判別して自動切り替えするACDCS(Automatic Current Detection Conversion System)も備えている。

 使い勝手も向上。本体の台座部分に電源のON/OFFやボリュームダイヤルを搭載した。S7はパソコンのボリュームパネルで音量を調整していたが、S9では直感的に指でボリューム調整ができるようになっている。

 さらに台座部分にはステレオミニのアナログ入力も搭載。パソコン以外のポータブルオーディオプレーヤーなどとも接続できるようになっている。

台座のダイヤルでボリューム調整が可能に

 なお、S7には台座としてシリコンのインシュレータが付属していたが、S9は台座とスピーカーの筐体が一体型になった。そのため、スピーカーを横倒しにするなど、横置きや角度の調整はできない。S9ではデスクなどに設置した際に、ユニットがリスナーの耳に向くように、上向きの角度がつけられている。

 再生周波数特性はUSB接続時で45Hz~45kHz、アナログ接続時は45Hz~50kHz。外形寸法は113×117×162mm(幅×奥行き×高さ)。重量は1,100g。

音を聴いてみる

 S7は、回折現象も抑えたタマゴ型のエンクロージャと、点音源の効果により、驚くほど広い音場を再生し、そこに立体的でシャープな音像を描けるスピーカーだ。上位モデルとして発売されるS9は、その方向性をさらに推し進めている。

 一聴して感じるのは、S7と比べ、さらに奥行きが深くなった音場だ。音像にも厚みが出て、リアリティがさらに増している。これは低域の再生能力が向上したためで、ベースの低い音や、ボーカルの低い声の部分など、S7ではなかなか出なかった重い音が、S9からは難なく出ている。これにより音が広がる余韻の表現や、音像の厚みなどがより強化され、音場再生能力が大幅に向上している。

 これにより、広い音場求められるクラシックや、低域が重要となるジャズなどの音楽がより高音質で再生できるだけでなく、ハイレゾ楽曲ならではの低域の情報量アップなども体感しやすい。

 さらに映画などの動画を再生する際も、迫力がまるで違う。爆発音や車のエンジン音が「ドン」と音圧豊かに迫ってくるようになっただけでなく、人が喋る声にも厚みが出て、役者のセリフも聴き取りやすくなった。

(山崎健太郎)