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3Dプリンタで作るBluetooth/センサー内蔵ロードバイク「ORBITREC」。Cerevoが春発売

 Cerevoは、米国ラスベガスで現地時間の4日に行なわれたイベント「CES Unveiled」において、通信機能や様々なセンサーを備えたオーダーメイドのロードバイク「ORBITREC(オービトレック)」を披露した。'16年春に発売予定。本格的なレースにも使用可能としており、最短納期1カ月以内、価格は7,000ドル以下。フレームとセンサー部のみを販売し、タイヤなど他のパーツはユーザーが別途用意する。

ORBITRECの完成例

 「ORBITREC」は、フレームダウンチューブにBluetoothやセンサー類を備えたロードバイクで、チタン焼結型3Dプリントとカーボンファイバーチューブを組み合わせ、ユーザーに合ったサイズのフレームを作れるのが特徴。「DFM01」というプロジェクトで進められてきたものを、性能をアップさせつつコストダウンしたという。

フレームのカラーを選択できるようにすることも検討中だという

 Ant+センサーの値を、Bluetooth 4.1(BLE)でスマートフォンに転送可能。IEEE 802.11b/g/nのWi-Fiも備える。その他にも、9軸センサー(加速度/角速度/地磁気)、温度、湿度、気圧、照度、GPSの各センサーを備え、ロードバイクでの走りの可視化を図る。特定のカーブでユーザーが出した速度や、傾けた角度、掛かったGなどの情報を走行後にチェックできる。スマホアプリの対応OSはiOS 8.3以上。

スマホアプリと連携。車体の傾きなども画面でチェックできる
ORBITRECの主な特徴

 走行中の転倒やグループからの遅れが発生した際に仲間へSMSで通知したり、特定地点を通過したらサスペンションダンピングを変更する、照度センサを利用してトンネルに入った際にライトを自動で点灯するといった連携が行なえる。専用サーバーを用いたビッグデータ分析/フィードバック機能を用いることで、転倒発生率が高い場所をGPS情報と併せてマーキングし、転倒が多い場所に近づいたときに減速を促すといったプッシュ通知も行なえる。

 フレーム部は、カットされたカーボンパイプと、3Dプリンタで成形したパーツで構成。「ユーザーの体型に合ったオーダーメイドを、最小限のコストでできる」という。重量は未定だが、今回展示された試作機は7kg未満としている。

 NTTデータエンジアリングシステムズから提供を受けた溶融型3Dプリント技術を採用。3Dプリンタで製造したチタニウム製のジョイントを使用し、3Dプリンタによる実用的な強度を持った製品の量産化を可能にしたという。価格はオーダーによって異なるが、「本格的なフルオーダーが100万円を超えるが、(ORBITREC)は数十万円の価格感で作れる」(岩佐琢磨代表取締役)としている。

 人間の骨の内部構造を真似た「ラティス」と呼ばれる特殊構造を造形部内部に多数配置。チタンジョイント部が1本の線でつながっているように見えるラインマネジメントなどのデザインを採用している。

通信モジュール/センサー類をフレームダウンチューブに内蔵
フレームは、カーボンパイプと、3Dプリンタで成形したパーツを組み合わせている

 強度などの信頼性に関しては、これまでツール・ド・東北で実際に200kmを走行したという。その結果、強度を上げすぎたという判断で、そこからコストを下げる方向で開発を進めたという。

 なお、ORBITRECのセンサーやBluetoothなどの部分も単品で製品化。既存のロードバイクなどに装着できる「RIDE-1」というユニットとして発売予定。価格は300ドル以下の予定。

センサー類などを外付けできる「RIDE-1」
RIDE-1の装着例

 ORBITRECとRIDE-1のバッテリの駆動時間はいずれも15時間。充電はmicroUSB経由で行なう。

 Cerevoは、米国時間の6日に開幕する「CES 2016」に出展。ORBITRECのほか、'16年春〜夏に10〜20万円で発売する自走式のプロジェクタ内蔵ホームロボット「Tipron(ティップロン)」や、音声認識で家電の操作などができる端末「Listnr(リスナー)」なども用意する。

(中林暁)