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カシオ、レーザー+LEDで最短起動5秒のプロジェクタ。WiDi/Miracast対応など8機種
(2016/2/9 10:00)
カシオ計算機は、レーザーとLEDのハイブリッド光源を採用したビジネス・教育向けプロジェクタの新製品を発表。ネットワーク対応モデルなどを揃えた上位の「アドバンスド」シリーズ5製品と、価格を抑えた「エントリー」シリーズ3製品をラインナップする。価格はすべてオープンプライス。直販価格は、WXGAパネルを搭載し、ネットワーク対応の最上位「XJ-F210WN」が13万9,800円。エントリーシリーズで最安の「XJ-V10X」は89,800円。
独自の「レーザー&LEDハイブリッド光源」を搭載したDLPプロジェクタ。RGBの赤にLEDを、青に青色レーザー光を使用。緑には青色レーザー光を蛍光体で変換したものを利用している。この光源の光をDLPチップに当ててスクリーンに映像投写、最高3,500ルーメンの高輝度を実現する。
電源ONから最短5秒で最大輝度の投写が行なえるほか、電源OFF時のクールダウンを不要としている。光源の寿命は約2万時間。消費電力は高圧水銀ランプと比べて約半分に抑えたとする。
カシオではレーザー&LEDハイブリッド光源を採用したプロジェクタを2010年から発売しているが、従来はイニシャルコストが10万円~20万円以上と高価格だったことが導入のネックになっていたという。'15年発売のエントリーモデル「XJ-V1」では本体価格を7万円以下に抑え、光源寿命の長さや機動性の高さ、水銀ランプモデルと比べた時のトータルコストの安さを実現。投映頻度の高いユーザーから支持を得たという。
新モデルは、XJ-V1ユーザーからのさまざまな要望に応えつつ、部品点数の削減などでコストダウンを図り、「半導体光源プロジェクタを当たり前のものにする」ことを開発コンセプトに掲げている。製造は国内の山形工場で行ない、高品質・信頼性を訴求している。
マルチデバイス利用を想定したアドバンスドシリーズ
アドバンスドシリーズは0.65型/1,280×800ドットのDLPパネルを採用したXJ-F210WN/XJ-F200WN/XJ-F100Wと、0.55型/1,024×768ドットのDLPパネルを採用したXJ-F20XN/XJ-F10Xをラインナップ。
XJ-F210WN/XJ-F200WN/XJ-F20XNはネットワーク対応。そのほか、解像度や輝度は各モデルで異なる。
型番 | 解像度 | 輝度 | 発売時期 | 直販価格 |
---|---|---|---|---|
XJ-F210WN | 1,280×800ドット | 3,500ルーメン | 3月25日 | 13万9,800円 |
XJ-F200WN | 3,000ルーメン | 12万9,800円 | ||
XJ-F20XN | 1,024×768ドット | 3,300ルーメン | 11万9,800円 | |
XJ-F100W | 1,280×800ドット | 3,500ルーメン | 4月 | |
XJ-F10X | 1,024×768ドット | 3,300ルーメン | 10万9,800円 |
いずれも入力信号は最大1,920×1,200ドットに対応。コントラスト比はいずれも2万:1(全白/全黒)。「インテリジェント・ライト・コントロール機能」を備え、周囲の明るさを検知して輝度を自動調整できる。
0.65型モデルの画面サイズは35~300型で、最短投映距離は0.92m。60型投映時の距離は1.64m~2.42m。0.55型モデルの画面サイズは30~300型で、最短投映距離は0.93m。60型投映時の距離は1.95m~2.87m。手動の光学ズーム(1.5倍)とデジタルズーム(2倍)を備える。フォーカスは手動。
HDMIスティック型デバイス(スティック型PCやMiracast/WiDiレシーバ、Chromecastなど)への給電用USB端子を搭載。別途USB ACアダプタを用意する必要が無く、ケーブルを引き回さずに映像やスライド資料などの投映が行なえる。
XJ-F210WN/XJ-F200WN/XJ-F20XNは、オプションのIEEE 802.11b/g/n準拠の無線LANアダプタ(YW-40)と組み合わせてワイヤレス投写が行なえる。Ethernet端子も備えている。
映像入力はHDMI×2(HDCP対応)のほか、コンポーネント、S映像、コンポジット、アナログRGB(D-Sub 15ピン)を各1系統備える。音声入力はアナログRCAとステレオミニを各1系統装備。ステレオミニの音声出力と出力16Wのモノラルスピーカーを内蔵する。RS-232C端子や本体アップデート用のUSBミニ(タイプB)も備える。
内部を光学エンジン部、光源部、電源部の3ブロックに分け、光学エンジン部を密閉化した防塵構造としているのが特徴。従来の水銀ランプ型プロジェクタでは風をランプに当てて冷やす構造だったが、半導体光源プロジェクタではヒートシンクを使った冷却構造を採用し、光学エンジン部には風を通さない。今回の新製品はすべて光学エンジン部を密閉化し、ホコリの侵入による輝度劣化を従来比で2倍に改善。フィルタ交換を不要とし、長期的な安定稼働を可能にした。
最大消費電力はXJ-F210WN/XJ-F100Wが205W、XJ-F200WNが165W。XJ-F20XN/XJ-F10195Wは195W。待機時は共通で0.12W。外形寸法は299×299×97mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約3.8kg。ワイヤレスリモコンなどが付属する。
低消費電力で価格を抑えたエントリーシリーズ
エントリーシリーズは0.65型/1,280×800ドットのXJ-V110W/XJ-V100Wと、0.55型/1,024×768ドットのXJ-V10Xをラインナップする。発売時期と直販価格は下表の通り。
型番 | 解像度 | 発売時期 | 直販価格 |
---|---|---|---|
XJ-V110W | 1,280×800ドット | 3月18日 | 10万9,800円 |
XJ-V100W | 99,800円 | ||
XJ-V10X | 1,024×768ドット | 89,800円 |
輝度はXJ-V100Wが3,000ルーメン、XJ-V110Wが3,500ルーメン、XJ-V10Xが3,300ルーメン。コントラスト比はいずれも2万:1(全白/全黒)。
入力信号は最大1,920×1,200ドットに対応する。0.65型パネルモデルの画面サイズは35~300型で、最短投映距離は0.92m。60型投映時の距離は1.64m~2.42m。0.55型パネルモデルの画面サイズは30~300型で、最短投映距離は0.93m。60型投映時の距離は1.95m~2.87m。
手動の光学ズーム(1.5倍)とデジタルズーム(2倍)を備える。フォーカスは手動。新たに、自動縦台形補正機能を備えている。
いずれも映像入力はHDMI(HDCP対応)、コンポーネント、アナログRGB(D-Sub 15ピン)を各1系統備える。音声入出力はステレオミニ。RS-232C端子や本体アップデート用のUSBミニ(タイプB)も備える。
最大消費電力はXJ-V110Wが190W、XJ-V100Wが150W、XJ-V10Xが180W。待機時は0.12W。アドバンスドシリーズと同じく、内部構造を3ブロックに分け、光学エンジン部を密閉化した防塵構造とした。外形寸法は299×299×97mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約3.5kg。ワイヤレスリモコンなどが付属する。
半導体光源ならではの価値。4K化も
製品発表会の中で、カシオ サイネージ事業部長の井口敏之氏は、2,500ルーメン以上の半導体光源プロジェクタ分野において'14年のシェアが8割となったと説明。「今後、半導体光源ならではの新しい付加価値を活かした製品投入で市場拡大に繋げたい」とコメントした。
また、将来的には、デジタルサイネージや医療用ディスプレイといったB to B向けから、ホームシアター、ゲーム用コンソール、リストディスプレイといったB to C向けまで、さまざまなプロジェクション製品への応用を検討しており、「来年再来年に実現するというものではないが、データプロジェクタ事業に閉じず、カシオが培ってきたプロジェクタ技術を新しい領域に広げたい」と語った。また、半導体光源を使うことの優位性を活かしながら、プロジェクタ製品の4K対応を図る可能性も示した。