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ARのエレガントなハイレゾプレーヤーが薄型化。「AR-M20」参考展示

 2月13日に開催された、フジヤエービック主催のポータブルオーディオ系イベント「ポタ研 2016 冬」。フロンティアファクトリーのブースでは、老舗オーディオブランド、Acoustic Research(AR)の新たなハイレゾプレーヤー「AR-M20」を参考展示している。発売時期や価格は未定。

参考展示された「AR-M20」

 既存の「AR-M2」とよく似たデザインで、AR-M20もスマートフォンのようなタッチパネルタイプの大型ディスプレイを搭載。OSにはAndroidを採用し、専用のプレーヤーソフトもインストールされている。外見的な大きな違いはその“分厚さ”で、M20は半分程度になっている。

 さらにM2との違いとして、オペアンプが無くなり、2段増幅回路ではなくなった。出力が3.7Vから2.1Vへと下がったが、これにより、「イヤフォン使用時でもノイズが感じられなくなる」という。M2はアナログタイプのボリュームを採用していたが、M20はデジタルになった。

左が既存の「AR-M2」、右が「AR-M20」
側面から比較。左側のM20は、M2の背面にある黒い出っ張り部分がほとんど無くなったほどの薄さ
左が「AR-M2」のボリュームダイヤル。M20のボリュームはボタンになり、側面配置へ
ラインアウトは省かれた

 DACも「PCM1794a」から「PCM5242」へと変更。DACにサンプルレートコンバータ機能が内蔵されるようになった事で、M2に搭載していた単体のサンプルレートコンバータ「CS8422」が省かれている。

 ラインアウトも省かれている。内蔵メモリは32GB(M2は64GB)。microSDカードスロットは用意する。

 対応するハイレゾファイルはM2と同じになる予定。5.6MHzまでのDSDやDXD、192kHz/24bitまでのFLAC、WAVなどのハイレゾファイルが再生可能。ただし、DSD/DXD再生はPCM変換再生。ALAC(Apple Lossless)、APE、AIFFの再生にも対応する。無線LAN機能も備える。

背面のデザインもシンプルになった

クリアなストレートサウンド

 短時間試聴したが、サウンドはM2のものとは方向性が異なる。M2は馬力と凄みのある低域で、アンプの強力さを遺憾なく発揮。デザインは現代的でエレガントだが、出てくる音は懐かしい“重心の低いピュアオーディオ”というイメージだった。

 M20は、M2のようなアンプのパワフルさを前面に出すような音作りではなく、よりクリアかつシャープな方向を追求しているようで、迫力という面ではM2の方が上手だが、ハイレゾ楽曲の情報量を素直に楽しむというニーズにはM20の方がマッチしているかもしれない。

(山崎健太郎)