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DJI、4Kカメラ/障害物回避対応ドローン「Phantom 4」。動く人を周回しながら撮影

 DJI Japanは、4Kカメラを備えたドローン/クアッドコプターの新機種「Phantom 4」を発表した。DJI直販サイトでは3月15日に発売し、直販価格は18万9,000円(税込)。内蔵センサーによる障害物回避機能や、動く被写体を常にカメラのフレーム内に収めるように機体が動く自動追尾機能などを搭載する。

DJI Phantom 4

カメラは4K/30pや1080/120fpsなどに対応

 本体下部に備えたカメラは1/2.3型の1,200万画素センサーを搭載し、4Kの4,096×2,160ドット(24/25p)または3,840×2,160ドット(24/25/30p)の撮影が可能。1,920×1,080ドットで120fpsのスローモーション用動画撮影も可能になった。動画のコーデックはMPEG-4 AVC/H.264(MP4/MOV)。ビットレートは最大60Mbps。記録メディアはmicroSDカード(最大64GB)で、Class 10またはUHS-1対応が必須となる。

DJI Phantom 4
4K対応カメラを搭載
セット内容

 レンズはF2.8で、画角は94度。Phantom3と比べ歪曲面を36%、色収差を56%まで抑えた非球面レンズを備え、1mまで近づいてもフォーカス可能。3軸Uフレームによるカメラスタビライザーシステムを搭載。飛行中に機体が傾いてもカメラを水平に保ち、振動や小さな動きを抑えた滑らかな動画を撮影可能としている。

カメラレンズの変更や新たなジンバルの採用などで動画撮影の性能を向上

 10種類のカラープロファイルを適用可能。ビビッドモードでは、色やコントラストの追加処理を行なわずに、鮮やかな動画を作成できるという。Cine-DモードやD-Logモードではプロ向けのハイダイナミックレンジの映像を作成可能。編集で最大限の色空間が得られるようになっている。静止画は最大4,000×3,000ドットのJPEGとDNG(RAW)に対応する。タイムラプス撮影や、バーストモード(3/5/7枚)などにも対応する。

スポーツモードで最大時速72km。障害物回避センサーも

 フライト時は、GPSや光学センサー/超音波センサーなどを利用する「ポジションモード」と、最大時速72kmを実現する「スポーツモード」を用意。GPSをオフにするAttiモードでは、機体の姿勢と高度のみ維持される。スポーツモード時は、機体を最大45度傾け、高速飛行が可能となる。

 飛行時間は、Phantom 3 Professionalと比べて25%向上し、最長28分となった。飛行距離は最長2km。スポーツモード時の最高速度は時速72km。上昇は6m/秒、下降は4m/秒。航行可能限界高度は6,000m。バッテリ込みの重量は1,380g。

飛行の操作イメージ
スポーツモードの飛行デモ

 TapFlyモードは、コントローラとして利用するスマートフォンなどの画面を指でタップするだけで、Phantom 4がその場所へと飛行するもの。また、ActiveTrackモード時は、Phantom 4が被写体を認識し、追いかけて被写体を常にフレーム内にとらえる。

 内蔵のセンサーを利用して、飛行経路上にある障害物を回避する「active obstacle avoidance」(能動障害物回避)機能も実現。障害物に接近し過ぎると自動でストップし、TapFly、ActiveTrack、スマートReturn-to-Home帰還の各モード時は、障害物を自動で避けて飛行するか、衝突を避けて静かに停止するという。また、異常があった場合は音と表示で警告を行なう。障害物の検知範囲は0.7〜15 m。

動く人物などを指定すると、それを被写体としてカメラと本体の動きでとらえ続ける
ActiveTrackモードと障害物回避のデモ

 高度10m以下では、機体下部の光学センサーと2つの超音波センサーで構成されるビジョンポジショニングシステムにより、フライト精度を従来システムの5倍に向上。室内で使用するときでも、GPS使用時のような安定した飛行が行なえるという。

ビジョンポジショニングシステムが強化され、底面のセンサーで、高度10m以下ではGPSを利用しなくても安定した飛行が行なえる

 センサーはGPSとGLONASSを搭載し、飛行中の位置を把握。また、二重のコンパスモジュールと慣性測定装置(IMU)を採用。受信しているデータをダブルチェックすることで、エラーデータがあった場合に分離することで、安全性を高めるという。フライトごとの状況は自動で記録され、このログを活用することで前回の飛行経路を確認したり、飛行情報を友人と共有できる。

 高度と距離の上限値を30m以下に制限する初心者モードも用意。初心者モードがオフの場合は、初期設定で最大飛行高度を離陸地点から上空120mに設定されている。高度の設定は最大500mで、ユーザーが最大距離を決められる。機体をコントロールする送信機は、スティックやボタンの機能をユーザーが変更可能。

送信機

 プロペラは着脱可能で、押してねじることで固定できる。このプロペラ機構により飛行速度やブレーキ性能が改善され、より機敏な飛行が可能としている。本体には、新たにマグネシウムのコアを採用し、堅牢性を向上。機体と一体化されたジンバルにより重心が中心部まで引き上げられ、安定性が向上したという。

プロペラは簡単に着脱可能
カメラとジンバル。グレーになっている部分がマグネシウムを使用した箇所

 スマートフォン用アプリ「DJI GO」で、写真や動画の共有などが可能。また、公開されているDJIのSDKを利用することで、アプリなどの開発も行なえる。

バッテリ
microSDスロット/USB端子部

ドローンはインフラの一つに。本体の保証サービスも予定

 従来機からの変更点や、カメラ性能の詳細について、DJIのKEVIN ON氏が説明。本体を見ると、従来は赤や金色の帯が製品のクラス(ProfessionalやStandardなど)を表していたが、Phanotom 4ではホワイト一色になっている。これはシンプルなデザインを追求したためで、現時点では、プロ向けやエントリーといったバリエーションの展開は予定していないという。

DJIのKEVIN ON氏

 カメラについては、フリンジを抑えたレンズの採用や、新しいジンバルによって動画性能を向上。ソフトウェア面でも新たなアルゴリズムにより高画質化を追求。また、カメラとプロペラの位置を最適化したことで、プロペラの映り込みを抑えるといった改善も行なわれている。本体の集積化を進めることで大容量のバッテリを搭載可能にし、従来よりも5分間長い28分間の飛行を可能にした。

Phantom 3 Professional/Advancedから、Phantom 4への主な変更点(太字がPhantom 4)

最大フライト時間 約23分 → 約28分

最大飛行速度 16m/s(Atti Mode) → 20m/s(Sport Mode)
最大上昇/加工速度 上昇5m/s、下降3m/s → 上昇6m/s(Sport Mode)、下降4m/s(同)
ビジョンポジショニング 有効範囲0〜3m → 有効範囲0〜10m
スローモーションビデオ撮影 × → ○(解像度1,920×1,080ドット/120fps)
障害物検知システム × → 
インテリジェントバッテリ容量 4,480mAh → 5,350mAh
重量 1,280g → 1,380g

 DJI JAPANの代表取締役の呉韜(ご とう)氏は、DJIが創立10周年を迎えたことを振り返り、同社ドローン製品の総飛行距離が2,000万キロ、撮影された写真枚数が7,000万枚を突破したことを報告し、「ドローンがインフラの一つになりつつある」とアピール。

DJI JAPANの代表取締役の呉韜氏

 新しいPhanotom 4については、空気抵抗を抑えた滑らかなフォルムの本体や、従来の5倍の精度を実現したというビジョンポジショニングシステム、120fpsのスロー動画も撮影可能になった新しいカメラなど様々な改善点を紹介したほか、注目の新機能である障害物回避機能や、被写体の自動追尾システムについて解説。自動追尾機能では、メインカメラと人工知能の演算処理で被写体をトラッキングし、動いている人の周囲を、機体がぐるぐると回りながら撮影するという高度なテクニックが簡単な操作で実現していることを説明した。

 また、現在は製品の価格に対人/対物の保険も含まれているが、これとは別に、海外では機体そのものの修理などに適用できる有償の保証サービス「DJIケア」も行なっている。これは、初期不良とは別に、ユーザーの操作ミスなどによって故障した場合も含まれるもので、今後日本でも同サービスを展開することを予告。詳細は改めて発表するという。

(中林暁)