au、おでかけ転送対応「BRAVIA Phone」などの新モデル

-LISMOなどサービス面も強化。新CMは「鶴瓶もビックリ」


10月下旬より順次発売


 auは19日、携帯電話の'09年秋冬~'10年春モデルのラインナップを発表した。発売は10月下旬より順次行なう。発表された13モデルのうち、11製品にワンセグを搭載し、LISMO Musicにも対応。また、これらは高音質配信の「着うたフルプラス」にも対応する。

新製品ラインナップ

 端末の新機能については別記事で紹介するが、AV関連の大きな特徴は、ソニー・エリクソン製「BRAVIA Phone U1」や「URBANO BALONE」が、ソニーのBDレコーダからの「おでかけ転送」に対応したこと。レコーダで録画時に作成されたポータブル機器向けのファイルを転送/視聴できる。

 また、シャープ「AQUOS SHOT」の2モデル(SH003/SH006)は、いずれも12.1万画素カメラとタッチパネル液晶を搭載。また、シャープ製のBDレコーダとの連携により、レコーダでの番組録画時に作られた携帯電話用のファイルを転送し、携帯電話で視聴できる。

 12.2万画素カメラを搭載するカシオの「EXILIMケータイ CA003」は、静止画撮影時に、劣化の少ない3倍デジタルズームが行なえるという「超解像デジタルズーム」を搭載する。

 また、カシオのデジタルカメラの一部製品でも採用されている画像合成機能「ダイナミックフォト」を搭載。動く被写体と、別の背景画像を組み合わせて楽しめるほか、動く写真からオリジナルのデコレーション絵文字を作ることもできる。メインディスプレイは3.3型フルワイドVGAの有機ELで、映像や写真を高画質で表示できるとしている。

 防水機能は「BRAVIA Phone U1」と、東芝製「T003」、シャープ製「SH005」が搭載。BRAVIA Phone U1は倍速駆動のモーションフローLiteなどを備えた「モバイルBRAVIA」エンジンを、T003はREGZAの高画質技術を搭載し、画質の向上を図っている。

おでかけ転送対応のBRAVIA Phone U1ダイナミックフォトなどを搭載するCA003
 

 
■ レコーダからの転送など家電連携機能
 
レコーダからの転送に対応
 au初対応となったBDレコーダからの番組転送機能は、ソニー・エリクソンのBRAVIA Phone U1とURBANO BALONE、シャープ製AQUOS SHOT SH003/SH006/SH005で利用可能。BRAVIA PhoneとURBANO BALONEはソニー製レコーダから、SH003などはシャープ製レコーダからの転送が可能となっている。なお、ソニー製レコーダから携帯電話への「おでかけ転送」は、これまでアナログ放送のみに限られていたため、デジタル放送に初対応となった。
 
 2つの転送機能においても共通していることは、レコーダ側で録画時に携帯電話用の動画も作成しておくことができるほか、録画が終わった後に携帯用の動画に変換することも可能なこと。録画後に変換を行なう際は、どちらも実時間を必要とする点も共通している。
 
 ソニー製レコーダからBRAVIA Phone U1とURBANO BALONEへの場合は、デジタル放送以外に、アクトビラ ビデオ・ダウンロードやスカパー! HDも転送可能。動画はSD-VIDEO形式で、ビットレートは768/384kbps。
 
 シャープ製レコーダからSH003などへの転送は、アクトビラ ビデオ・ダウンロードやスカパー! HDには非対応。形式はMPEG-4 AVC/H.264、320×240ドット/512kbpsとなる。ドコモやソフトバンク向けのシャープ製端末のように、640×480ドットのファイルは転送できない。
 
 また、従来モデルにも搭載されているスライドショー作成機能「MYスライドビデオ」も強化。ソニーの液晶テレビ「BRAVIA」の「<ブラビア>ポストカードサービス」と連携してテレビで視聴できる連携強化も行なわれる。例えば、子供の写真を撮って、そこから作ったスライドショーを祖父母宅のBRAVIAにメッセージ付きで送るといった利用が可能となる。
 
シャープ製端末のデモソニー・エリクソン端末のデモ携帯で作ったスライドショーをBRAVIAでも視聴可能に
 

 
■ LISMOではドラマやアニメの10MBダウンロード配信
 
 auのこれまでの映像配信は、音楽ビデオの端末でのダウンロード購入(最大1.5MB)のほか、映画などの作品をPC用またはau BOX用の「LISMO Video」で購入し、携帯電話に転送できるサービスを展開している。
 
LISMOの主な強化ポイント
 今回、新たに開始するのは、最大10MBのドラマやアニメなどの動画を、端末で直接ダウンロードできるサービス。6月より試験運用されており、12月より正式サービスとして開始される。なお、「LISMO Video」のサービスも継続される予定。
 
 動画はMPEG-4 AVC/H.264形式で、解像度は320×240ドット、ビットレートは128~512kbps。料金は作品により異なる。開始時のコンテンツ数は明らかにしていないが、現時点ではアニメ「鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST」や、千原ジュニア出演のお笑い「笑う妖精 スピンオフムービー」、岩井俊ニプロデュース/北川悦吏子原作のドラマ「恋ばな」などの配信が決まっている。今後は映画本編や、アイドルの番組などラインナップの拡充を図る。
 
 コンテンツの購入時のUIも改善され、検索時にはインクリメンタルサーチに対応。1文字入力するごとに候補の絞込みが可能になった。また、これまで書籍などで行なっていた、まとめて購入できるサービスを音楽でも開始。例えばアーティストの全シングルをまとめたセットや、ランキング入りした曲だけを集めたセットなどの販売を予定する(対応端末はBRAVIA Phone U1/CA003/SH003/SA001/biblio/T002/T003)。
 
購入したビデオのデモ再生LISMO Port対応端末が拡大「x-アプリ for LISMO」と表記
 
カーナビとの連携機能デモ
 また、携帯電話での音楽/ビデオ/書籍の機能の再生をLISMO Playerに統合し、操作性を向上。また、従来は30件までだったプレイリスト登録は999件まで可能となった。そのほか、Bluetooth機器の設定の簡略化や、ビデオ再生時のレジューム対応などの機能改善が行なわれている。

 LISMOとカーナビの連携機能も強化され、Bluetooth接続した対応カーナビで、携帯電話のLISMO Playerのプレイリスト表示に対応。「最近聴いた曲」などのリストがカーナビ画面で表示され、そこから選曲できるようになった。対応するカーナビは'09年のトヨタの販売店オプション製品「NHZA-W59G」と「NSDT-W59」。対応携帯電話は新モデルのうちBRAVIA Phone U1とT003、SH006、URBANO BARONEの4機種。
 
Bluetooth接続した対応カーナビからLISMOを操作カーナビの画面。プレイリスト表示からLISMOの選曲が可能に
 

 動画/音楽を管理するPCソフト「LISMO Port」は、19日より最新のVer.4.0が公開。新バージョンは、ソニーのウォークマンなどで利用できる「x-アプリ」をベースとしており、携帯電話や対応ウォークマンへの楽曲などの転送もこのソフトで行なえる。新たに、旧ソフトの「au Music Port」からのデータ移行ができ、従来のau Music Portのみの対応端末でもLISMO Portが利用できるようになった(ビデオは除く)。
 
 そのほかのアップデート内容として、デジタルカメラなどで撮影した静止画や動画を変換して携帯電話へ転送する機能「パーソナルビデオ・フォト」も搭載。動画はMPEG-1やWMVなどのファイルをMPEG-4 AVC/H.264(512/256kbps)に変換して転送できる。また、CDからのリッピング機能も「より簡単に利用したい」という要望に応え、リッピング/転送までをウィザード形式で簡単に行なえる専用メニューを用意した。
 
リッピング機能の「かんたんCD転送」デジカメの動画を携帯用に変換可能携帯やウォークマンに転送できる
□ニュースリリース
 

 
■ 土屋アンナによる「鶴瓶もビックリ」の新CMを披露

 取締役執行役員常務 コンシューマ商品統括本部長の高橋誠氏は、新端末のポイントとして、「選べる高画質カメラ」や「映像」、「エルダー/ジュニア」などをキーワードに説明を行なった。
 
 そのなかで映像については、BRAVIA Phone U1におけるレコーダからの番組転送機能に注目。また、自作のスライドショーをテレビのBRAVIAに送って大画面で楽しむ新機能「MYスライドビデオ×<ブラビア>」などを紹介した。
 
 こういった新機能に加え、これまでの機能強化であるハイビジョンムービー撮影対応(’09夏モデルのWoooケータイ)や、LISMO Videoでの無線LAN端末でのダウンロード対応といった項目を挙げ、「有料・無料(ワンセグなど)コンテンツを充実させることで、ケータイで映像を楽しむライフスタイルを日常化させたい」と意気込みを語った。
 
 記者からの質問で、新モデルに(iPhone対抗など)スマートフォンや、ゲームなどのアプリ充実に対する言及が無かったことについては、どこまでを“エンターテインメント”に入れるか、ということを検討したが、今の段階では製品と関連が強い“音楽と映像”と定義した。ゲームにも力を入れたいが、(iPhoneなどが携帯電話に占める)割合としてはまだまだ」とし、「対抗も考えるが、それ以上に独自性を出して、高機能端末を出すことで対抗する」とコメント。スマートフォンについては「法人ニーズなどは注目し、継続的に検討する」とした。
 
小野寺正社長兼会長新端末やサービスを説明した高橋誠常務「ケータイで映像を楽しむライフスタイルの日常化」を目指す
 
 代表取締役社長兼会長の小野寺正氏は、最近の取り組みとして「指定通話定額」(月額390円)と「ダブル定額スーパーライト」(月額390円~)の2つのサービスが8~9月の純増数のアップにつながったことを説明。これを受けて、通話だけでなくメールの制限も外す新定額プラン「ガンガンメール」を発表した。
 
 これは、780円~の基本使用料により、添付ファイルなども含めたEメールが無料になるというサービス。既存の“メール無料”サービスでも、「添付の容量によっては有料となることに51%のユーザーが不満に感じている」(MMD研究所調べ)という状況に対応するもの。「今後もユーザーに満足してもらえる提案をし続けたい」とした。
 
 この「ガンガンメール」をフィーチャーした新CMも披露。歌手の土屋アンナさんがロック調のCM曲を激しくシャウトしながらアピールする内容となっている。
 
新CMの一場面
 発表会には、土屋アンナさんがゲストとして登場。CMについては「楽しかった。すごくインパクトのあった仕事」と話す。撮影時は「エキストラのみんなも元気で楽しんでやってくれて、盛り上がった。世の中の音楽は、“キレイに歌うもの”も多いけど、“人の耳に残るもの”、“気になるもの”を作るのも音楽の1つ。今回の曲は、CM的には『いいっしょ?』と思った。疲れたけどね」と笑顔を見せた。
 
 また、「エイベックスもこういう曲だしたら売れると思いますよ」と笑いながら話すと、会場に一本の電話が。土屋さんが出ると、「あの曲を出すべきですよ」という声。電話の主は、CMにも登場している笑福亭鶴瓶さんだった。
 
 釣瓶さんは写真のみでの登場という異色のCM共演となった2人。曲の歌詞に「鶴瓶もビックリ」という言葉があり、バックに目の部分を大きく加工された鶴瓶さんの写真が映されるシーンがある。これについて鶴瓶さんは「私の顔をメチャクチャにしてくれましたね。あんな大きな目はイヤです! 」と話し、土屋さんが「すみません」と謝るというやりとりも見られた。最後に、近く子供が産まれる土屋さんに鶴瓶さんは「アンナおめでとう」と祝いの言葉を贈った。
土屋アンナさんが登場鶴瓶さんの目が加工されたインパクトのあるシーンも鶴瓶さんと土屋さんが電話でトーク


(2009年 10月 19日)

[AV Watch編集部 中林暁]