ソニー、APS-Cセンサー搭載のレンズ交換式ビデオ「NEX-VG10」

-一眼のレンズで動画撮影。11倍ズームレンズ付で実売20万円


付属のEマウントズームレンズ「E18-200mm F3.5-6.3 OSS」と、別売のショットガンマイクを装着したところ

9月10日発売

標準価格:オープンプライス


 ソニーは、APS-Cサイズの「Exmor APS HD CMOS」センサーを搭載したレンズ交換式のAVCHDビデオカメラ「NEX-VG10」を9月10日に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は20万円前後。Eマウントのズームレンズ「E18-200mm F3.5-6.3 OSS」(SEL18200)が付属する。なお、ビデオカメラ部単体での販売は行なわれない。

 また、約14,000円で販売されている多機能な動画編集ソフト「Vegas Movie Studio HD Platinum 10」の無料ダウンロードクーポンも同梱。高度な音楽編集や動画のブレ軽減機能、DVD/BDディスクへの書き出し、PSP/iPodなどへの出力も行なえる。



■ NEX-5/3と同様のセンサーを採用

 ソニーは5月に、ミラーレスレンズ交換式デジタルカメラ「NEX-5」、「NEX-3」を発表したが、その際に今秋を目処に同じAPS-Cサイズのセンサーを使ったビデオカメラの発売を予告しており、 「NEX-VG10」がその機種となる。ビデオカメラのハンディカムブランドで展開するが、店舗ではデジタルカメラ売り場でも積極的に訴求を行なう。

 最大の特徴は、NEX-5/3と同様のExmor APS HD CMOSセンサーを搭載したこと。通常のビデオカメラ(1/2.88型など)よりも大型の23.4×15.6mmセンサーを使うことで、同じ画角でもレンズの焦点距離が長くなり、より背景がボケる映像が撮影可能。さらに、同じノイズレベルでより高いISO感度を実現できるといった利点がある。画像処理エンジンもNEX-5/3と同じBIONZを搭載。なお、NEX-5/3にある動画の1回の撮影時間が29分という制限は無い。

NEX-5/3と同様のExmor APS HD CMOSセンサーを搭載Eマウントのズームレンズ「E18-200mm F3.5-6.3 OSS」が付属Eマウントのパンケーキレンズ「E 16mm F2.8」を装着したところ

 レンズ交換で様々な表現ができるのも特徴で、マウントはNEX-5/3と同じEマウント。さらに、別売マウントアダプタ「LA-EA1」を介すことで、同社の一眼レフカメラ「α」シリーズのAマウント用レンズも装着可能。ただし、その場合はオートフォーカスは使用できない。EマウントのレンズはフルタイムAF対応で、静音設計のAF用モーターを内蔵。AF動作中も静かで、マイクがフォーカス音を拾いにくいという。

別売マウントアダプタ「LA-EA1」を介すことで、Aマウントレンズが装着できる

 AFはNEX-5/3と同じコントラスト検出型だが、AF速度はNEX-5/3よりわずかに速くなるという。また、センサーは同スペックだが、色味やノイズリダクション、シャープネスなどの絵作りはより動画に適したチューニングになっている。さらに、オートで撮影した際、NEX-5/3ではボケ味を楽しむために絞りをあまり絞らず、被写体が明るくなるとシャッタースピードを速くして対応する傾向があるが、NEX-VG10では動画の滑らかさを重視して絞りで対応する傾向にあり、ボケを重視する場合はマニュアル設定を活用する設計思想になっている。

 付属レンズの「E18-200mm F3.5-6.3 OSS」を使った場合、焦点距離は35mm換算で、動画時が32.4~360mm、静止画が27~300mmの光学11倍ズームとなる。同レンズは、光学式手ブレ補正に対応。同社ビデオカメラで採用されている、ワイド側で強力な手ブレ補正を行なう「アクティブモード」にも対応。スタンダードモードと比べ、約10倍のブレ補正角を持っている。ビデオカメラと比べるとXR500V相当の手ブレ補正能力で、回転やテレ側の補正機能は備えていない。

 撮影解像度はフルHDの1,920×1,080ドット、録画形式はAVCHDで、センサーからの読み出しは30pだが、記録は1,920×1,080ドットの60iで行なう。ビットレートは最大24Mbpsで、17Mbps、9Mbpsも選択できる。記録メディアはメモリースティックDuoと、SD/SDHCメモリーカードを採用。

 マイク部には4つの無指向性マイクカプセルを搭載。とらえた音に信号処理を行ない、HDR-CX550Vと比べ、約2倍の指向性を実現している。収録はステレオ。

4つの無指向性マイクカプセルを搭載上部をハンドルのように持って撮影することもできる

 モニターは3型のエクストラファイン液晶で、92.1万画素のTruBlackディスプレイを採用。EVFも備えており、0.43型で115.2万画素。同社のハイエンドビデオカメラ「AX2000」と同じEVFとなっている。モニターを開いた本体側面に操作ボタンを装備。絞り優先/シャッタースピード優先モードを備え、コントロールダイヤルで操作。ホワイトバランス、ゲイン、露出調整も専用ボタンが用意され、高い操作性を実現したという。

モニターは3型、92.1万画素操作パネル。コントロールダイヤルで操作する。ダイヤルを押し込んで決定動作となる

 1,420万画素の静止画撮影にも対応。静止画でも各マニュアルモードが使えるほか、6枚の画像を重ねる「手持ち夜景撮影モード」や人物ブレ軽減モードなども装備。DレンジオプティマイザーとオートHDR機能も利用できる。連写は最高で約7コマ/秒。

VG10向けのキャリングケース「LCS-VCD」
 オートロックアクセサリーシューも備えており、αシリーズのフラッシュを装着する事もできる。別売オプションとして、ショットガンマイクロフォン「ECM-CG50」も9月17日に発売予定で、価格は24,150円。プラグインパワーとアルカリ電池駆動の両方に対応するのが特徴で、映画など、よりセリフをしっかり収録したい場合に便利だという。ほかにも、VG10向けのキャリングケース「LCS-VCD」も9月10日に14,175円で発売予定。本体だけでなく、交換レンズや三脚も一緒に持ち歩ける。

 連続撮影時間は、付属バッテリ「NP-FV70」を使った場合で145分、別売の大容量バッテリ「NP-FV100」を使うと315分の長時間撮影が可能。

 本体にHDMIミニ、USB、ヘッドフォン、マイク入力を装備。撮影時の外形寸法は97×294×132mm(幅×奥行き×高さ/18-200レンズ装着時)、重量は本体のみで620g、撮影時重量(18-200レンズ/バッテリ/バッテリ/フード装着時)は1.3kg。レンズキャップ、レンズリアキャップ、ボディキャップなどが付属する。

付属のバッテリFV70を装着したところ。サイズ的にかなり余裕がある大容量のFV100を装着すると長さはピッタリ録画ボタンは背面に備えている



■ ソニースタイルでは特別セットも用意

 ソニースタイルでは、VG10を198,000円で販売するほか、撮影をよりクリエイティブ&快適にできる周辺機器と本体をセットにしたという「クリエイターズセット(NEX-VG/CREATORS)」も244,620円で用意。大容量バッテリ「NP-FV100」(18,900円)、ビデオライトの「HVL-10NH」(12,600円)、67mm径のPLフィルタ「VF-67CPAM」(15,120円)をセットにしたもので、セット価格は単品で購入するのと変わらないが、セット全体の価格に10%のポイントが付与される。10月29日15時まで実施される

大容量バッテリ「NP-FV100」ビデオライトの「HVL-10NH」67mmのPLフィルタ「VF-67CPAM」

 さらに、VG10単品、もしくはクリエイターズセット購入者に、レンズレンタル無料チケットをプレゼント。αシリーズ用のレンズが、2泊3日でレンタルできるという。

 モニターキャンペーンも実施。モニター数は5人を予定しており、ソニースタイルの「楽しい時間」にて、アンケートと共に応募する。受付期間は8月5日13時~8月19日15時まで。なお、応募にはソニースタイルの利用登録(無料)が必要。


(2010年 8月 5日)

[AV Watch編集部 山崎健太郎]